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プロフィール
Sophiee Winkler
Sophiee Winkler
2007年6月生まれ。MagSLの原宿に住んでて、HARAJUKU PLACE というお店をやってます。景観商品とか小物が中心です。最近はスキンとシェイプに凝っています。
オーナーへメッセージ

  
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2009年01月30日

あの人は今



最近は昔の、といっても07年の後半ですが、SLの本を引っ張りだしてきたり、08年のSLに関する論評を見たりしています。

本の方はSLの無限の可能性を賛美し、利口な稼ぎ方を解説しているもの、基本的な操作などを教えるものです。まあ、今になって読むと、書いてあることに間違いはないけれども、将来性についてはちょっと楽観的でしたね。例えば儲かるビジネスとして「広告業」とか「SLへの導入サービス」、「教育」が載せられています。確かにそれで儲かった「業者」は多いのだろうけど、それが本来的なビジネスといえるのかどうか。伸びていく時は悩んでいても仕方ないということですね。

08年になると様々な分野で停滞や行き詰まりが誰の目にも明らかになってきて、一転して駄目な部分を強調する論調が支配的になってきます。でも、それらの批評家の多くは自分で本当にSLをやり込んだ人ではなくて、ちょっとやってみて速断したり、飽きたりした人、統計数字からのみ判断している人が多いですね。MixiやYouTubeの伸びとSLのユーザーの伸びを比べてみたり、登録者と常時ログインアカウント数の乖離の大きさを指摘するものが多かったです。

ろくにSLをやらないで論じているのは問題外でしょう。結果的に評価が変わらないとしても、実際に自分でやることでいろんな問題の相互の関係や、表面に出てこない深層のメカニズムが分ります。例えばチャットの効率性やリアル感を高めるためにボイスチャットを採用しているわけですが、実際にはKey入力の会話の方が複雑な情報をやり取りしていると思います。音声の会話というのはただ駄弁っている場合が多いでしょう。これは何故なのか、考えるテーマとしては面白いですね。

SLが面白くないと言っている人はまず、ものづくりは出来ないでしょう。そんなに難しいものではないので、やってみればいいのにと思いますが。コミュニティーの運営やカフェの店員や店舗の経営なんていうのも、やってみて分かることが一杯あります。そこで感じた疑問というのは、書かれたものと比べてうんと深いものが出てくると思います。SLのビジネスを論じるのに、自分でビジネスをやらないままというのはおかしいですね。

で、現状をどう評価するのか、これはもうほとんどどこにも載っていないといっていいでしょう。マスコミも評論家も飽きた、というか数字取れないので取り上げないということでしょうか?だから今ユーザーが感じていることが本当のSLの姿として取り上げられるべきなんです。物事を客観的に見る目というのは、一度主体としてその中に入った人が一旦外に出て眺めて見る場合に最もパワフルになるのではと思っています。

それにしても、あんなに色々言っていた調子のいい人達はどこに行ってしまったのでしょうか?
  

Posted by Sophiee Winkler at 10:20Comments(4)ビジネス

2009年01月28日

縁の下のメンテ



私たちが無邪気に遊んでいる間にも、見えないところでGridのパフォーマンスを維持し、改良する営みは地道に続けられています。リンデンラボのFrank Ambrose(またの名をFJ Liden)がSLの基本的な技術インフラの進行中の改良工事について進捗状況報告を公式ブログでしています。

それによると07年の早い時期にリンデンラボはアセット・ストーレッジシステムをIsiron Systems Storage Clusterにスイッチしました。(これはソニー、ABC、NASA、Facebook等で同様のものが使われている高性能のStorage Clusterだとか)。

でもAmbroseによればこのシステムも不安定になりそうな限界ギリギリのところまで使われていて、余り使われないアセットをより遅いストーレッジに移動させるという作業が行われているところだそうです。(このうち幾つかのものは08年中に完成されたが、プロジェクト自体は延長して作業中)で、より遅いというのはどれ位遅いのでしょうか?恐らく最も大きなアセットについては更に1秒余分に掛かる程度ですね。でもコンピュータシステムの時間としては1秒というのは永遠に等しい長さです。

グリッドの構造としては今のところアセットストーレッジは3層になっています。Simの上で掴まれたアセットはまず一番速い層で保持され、そしてIsiron Clusterの2層目に移ります。圧縮されたアセットはIsiron Clusterの中の3番目のClusterに格納されます。そして幾らかのはっきりしないシステム(恐らく既存のアセットストーレッジ)が4番目の層を成しているらしいです。

この他にもVPNのシステムをLLNetで置き換えるとか、Agent Inventory Serviceといったことについて報告がなされていますが、技術者特有の無邪気さですべての言葉が誰にでも分るものとしてどんどん書き進められているので、素人の私にはとっても難解です。そこでちょっとお勉強を。

例えば、VPNというのはSLのネットワークの拠点間の接続に公衆回線をあたかも専用回線のように使うシステムなんですが、これを更にすすめてプロバイダー間の基幹接続をになう巨大イーサーネットのLANのバックボーンに相乗りすることでコストが大幅に削減できるんです。これがリンデンが勧めているLLNetかな~って思っていたら、実際は専用回線にして信頼性を高める方向にいくんだそうです。リンデンラボも常にコスト削減の方向にいくばかりでもないんですね。



 
  

Posted by Sophiee Winkler at 15:26Comments(0)ビジネス

2009年01月27日

子どもは恐い



リンデンラボの会長であり創業者であるPhilip Rosedaleが先日Metanomicsという仮想世界専門経済誌のインタビューを受けて、年齢に関係なく楽しめるSLの構想について語っていました。しかし、このことは何年か前から話題になっているにも拘らず、Rosedaleは現時点では明確な方向性を指し示すことはありませんでした。

というのもこの問題は欧米社会のRLでの病理と深く結びついていて、その問題の解決方法が分からないまま突き進んでいくことはSLに致命的なダメージを与えかねないからです。その問題とは児童虐待や小児性愛のことです。

私たち日本人はこの問題にはあまり明確な認識を持っていないでしょう。あるいは私一人がぼんやりしているだけなのかもしれないけど。ともかく今や同性愛がある程度の市民権を得てしまった国々では、人々を貶めるために暴き立てる恰好の対象としてこの問題があるのです。欧米では政治家や、企業の経営者や、聖職者がこの犯罪によってその地位を失い社会から糾弾されるということが珍しくありません。

従って現状ではSLにおいてはTeenGridという未成年専用のグリッドを作ることで大人と子供を分離しておくという方式をとっています。もし、今のままで大人と子供のユーザーを混ぜてしまうと、親がSL内で子供を保護するということが可能性としては少ないので、非常にトラブルが起き易くなってしまいます。また、欧米の場合は実の親だって信用できないので、リンデンラボとしては四六時中ヒヤヒヤしていないといけないという状態になります。それを防ぐにはすべてのSimをPGにしてしまって、さらに憲兵隊によるヘビーなパトロールをするということになりますが、これは本末転倒ですね。

RLからの介入という意味では実際に去年シカゴ郊外に地盤を持つ下院議員の画策によってSLの「健全性に対する強い懸念」が採択されそうになるという騒動がありました。これは明らかに政治的パフォーマンスですが、このようにSLは仮想通貨とこの問題に関しては常にRLから狙われている状態だといっていいでしょう。

更に問題をややこしくしているのはRLでの子どもを守らなければいけないということと、操作しているのは大人でもアバターは子供の恰好だという場合があるということです。現在のリンデンラボの立場はどちらも保護もしくは規制すべき対象です。つまりどちらも外部から揚げ足を取られかねない危うさがあるというわけです。

私たちが活動している通常のGridの中にも教育専用のSimがあって、そこには子どもが参加していたようですが、どんなアバターだったのかは知りません。でも、そういう教育目的のSimのなかにも教育という名目で管理費を安くしてもらっているのに、実際は大人が遊んでいただけで、MatureのSimのように使われていたというのもあります。

したがって現在ではそういう教育目的のSimは常時リンデンによる監視対象になっていて、問題があれば突然閉鎖されるということも起きています。去年の5周年祭でも子どもと大人が一緒に映っている映像が禁止されるなど、リンデンラボはこの問題に対しては過剰反応とも思える態度で臨んでいます。従って現段階でRosedaleにこの問題について質問するのは朝青龍に今度モンゴルに帰るのは何時ですかと聞くようなもので、トラブルの種を探していると言われても仕方ないでしょう。せっかくのチャンスなのにもう少し意味のある質問できなかったのかしら?
  

Posted by Sophiee Winkler at 13:15Comments(0)ものづくり

2009年01月26日

SLの教育ビジネス



先日のリンデンラボの幹部インタビューでも明らかなように、リンデンラボはSLにおける教育事業に大きな期待を掛けています。でも、それがビジネスとしてどれくらい価値を持ち、あるいはどれくらいブレークの可能性があるのでしょうか?何となくニーズは無限で市場規模は巨大だということを大前提においてしまって、あまり真剣には検討されていないのではないでしょうか?

数字で表すのは難しいですが、ちょっと考えてみたいと思います。その前に、市場とか需要とか言っているのはRLにおけるもので、SLに関する技能や知識の習得は対象外とします。今のところその規模はあまり大きくないし、無料のものが多いからです。

まずお金が取れるということではRLにおける教育需要を代替するということですね、もちろんSLを使うことにより新たにRLに紐つけられる需要が生まれるということはありますが、短期で影響があるのは前者です。

RLの教育には膨大な需要があることはいうまでもありません。でもその大きさにばかりに幻惑されていてはいけません。ユーザーの側からみてどうして教育を受ける必要があるのでしょうか?そうですね、教育を受けることにより知識や技能が身に付き、資格や学位やより有利な就職やビジネスの機会が手に入るからですね。学問を究めるという目的もありますが、これは一般のユーザーの目的ではありません。一言でいうと、自己の可能性を押し広げ、より多くの収入を得る手段ということですね。

つまりユーザーはあくまで実利的な効果を期待しているのであって、単に見聞が広まるとか、知的に刺激し合えるとか、それはもちろん重要なことだけど、そういう高尚なことだけ考えているのではないのです。

翻って、既存の教育機関の目的はなんでしょうか?公的な教育機関はともかく、教育をビジネスの側面で捉えなければならない私的な教育機関は、教育という活動によって利益や社会的評価を得なければなりません。社会的評価のなかには卒業生の就職実績、社会における活躍や資格の取得者数といったものが大きな比重を占めています。

教育機関に働く教員、研究者の目的は生活の資を得る他に教授、准教授といった社会的に認められた職についたり、研究に必要な施設を利用する、共同で研究に取り組むといったことがあるでしょう。

以上のようにRLでは教育は単なる知識の習得、技能の向上といったことだけでなく、それ以外の利害関係者それぞれのニーズを満たすものとして存在しています。SLにおける教育がそれらの副次的なニーズ、副次的であるけれども当事者には非常に大きな意味を持ち、むしろ「知の探求」といった抽象度の高い本来のニーズよりも更に大きな満足や利得をもたらす存在でありえるのかが、SLの教育が大きく発展する上での重要なポイントとなるでしょう。

最後に既に何度か述べたことですが、RLにおいて開発された教育のための様々な手段、メディアというものに対して、SLが更に効果的な方法を提供できるかというのが大きなポイントです。SLのなかでTV会議をやるというのでは意味はありません。SLあるいは3D・SNSが既存のメソッドに対して優位に立つアプリケーションを提供できるのかが問題です。RLと同じことができるというのでは「オママゴト」であって、ビジネスではありません。SLにしかできないことを提示しなければならないのです。

もちろんSLの教育は現段階でも大きなメリットを持っています。通学の時間は不要だし、記録として残ってしまうので教員によるピントの外れた冗談やセクハラはありません。クラスメートから大麻を吸えと誘われることもなく、自由な時間に授業を受け、科目を選択できるでしょう。語学能力の壁を超えられれば地球上のどんな人でも自分の教師としてしまえるのかもしれません。でもキャンパスで恋に落ちたり、マージャン仲間を調達するということはできません。

まとめてみると、RLの教育機関が持っている様々な魅力、学生を含めた利害関係者にもたらしている利得や利便性といったものをSLの教育機関は凌駕できるのか、それが当面無理なのであればその一部において凌駕することを真剣に考えなければなりません。また、技術的、方法論的にRLの既存メディアを上回る効果、効率を提供することを考える必要があります。

これ以外にも大きな論点があるのかもしれませんが、少なくともこの課題が解決されないうちはRLの既存の教育機関やプロのビジネスからのSLへの参入・投資ということは大きな流れにはならないでしょう。
  

Posted by Sophiee Winkler at 13:19Comments(4)ビジネス

2009年01月25日

09年の予言(最終)



「今までみたいにアマチュアユーザーの手になるコンテンツを夢中になってプロモーションしたりするのは一服して、リンデンラボはLindEXを手直しし、サードパーティのコンテンツのライセンスを一般ユーザーに売るような定番のプラットフォームに変身するというゴールに近付きつつある。LindEXには何か新しいものが付け加えられるだろう。それからリンデンラボが熱心に見習っているソビエト連邦や共産主義中国の全体主義的経済に今まで以上に似た方向に動いていくだろう。」

「それは、ソビエト連邦が『金色のルーブル』(他の国々の大企業にのみ適用するもっともお得な為替レート)や『ペトロダラー』(自国の石油を売りつけるときのレート)、外国人向けのベリョースカ(外貨ショップ)や闇市場のレートを持っていたのと同じになるということだ。つまりリンデンラボにとってLindEXは様々な価値を開発するものになるだろう。大口の売り手や買い手は特別レートを適用してもらえる。あるいは公認されていたり、ライセンスがあったり、特別に選ばれたビジネスは「商用レート」で優遇される。あるいは我々がすでに見てきたことの延長線上で何か起こるかもしれない。1US$あたりL$264とかL$263といった水準から(リンデンドルの)価値が上がるといった形で。」

ソビエト連邦ってもう無いんですが、まあ一般的アメリカ人としては分かりやすい相手なのでイメージとしては残っているということです。確かにプーチンは旧ソ連邦の再統合を目指しているので、あながち間違いともいえない。それにアメリカでは毎日ケーブルTVで大日本帝国と共産主義の崩壊の記録映画を流し続けていますからね。「俺達はつぉ~~い!」なんて。こんなもの子供の頃から四六時中見てるから、大きくなったら戦争したくなるんですね。日本でも何かというとオリンピックで金メダル採ったときの映像を流しているみたいなものですが。

要するに予言としてはLindEXが何か手を加えられたり、追加で複数の通貨ができたりしてSLを経済的に魅力的な場所にするための施策がとられるだろうということですね。記録に残らない闇取引もないと、RLより魅力的にはならないということ?そんなことするとRLの本物の詐欺師や犯罪者集団が進出してくると思います。それは今までの改革の方向とは180度違うので、リンデンラボがかなり破れかぶれにならない限りはそうはならないでしょう。
  

Posted by Sophiee Winkler at 11:15Comments(0)ビジネス

2009年01月23日

09年の予言(その5)



そうなんですよ、間に色んなもの挟んでしまったんですが、Prokovy Nevaの「予言」はまだ終わっていなかったんです。何で他のものを挟んでしまったかというと、そっちが面白いというのもあったけど、本当のところは残っている分が何言っているのか分からなかったからです。

でも、「予言」って大抵の文化圏で何言っているかわからないものなんですね。全く分からない訳ではないけれども、差し当たり心当たりがなくて、忘れてしまった頃に何かとんでもない形で実現するんです。「あれがこれだったのですか?」って驚くというようなのが物語や叙事詩やゲームでは正統の予言ということになっています。あんまりリアルな予言というのは有り難味がなくて、それは予想だとか、個人的希望だろうと言われてしまいます。

それに賞味期限1年の予言というのはちょっと辛い。いったいいつ起きるか分からないのがいいんだし、たった1年で何かが起きるというのは確率的に相当低くなってしまいます。おまけにSLとかSNSに限ってしまうと、「実はエイリアンもSLにログインしていた。」とか、そんなに驚天動地のことが起きるわけではないので、凡人が劇的な予言をするのは難しい世界です。結局小耳に挟んだ内部情報のリークを適当に潤色して予言というジャケットを着せるということになりがちです。と、愚痴はこれくらいにしておいて、

「リンデンラボは依然としてメインランドとプライベートSimとの違いを曖昧なままにしておく。そして初めてのゾーニング(用途区画)済みのSimを売り出す。」

これは結構リアルですね。すでに情報としてはほとんど誰もが知っていることで、問題はそれがいつなのかということでした。これのどこが分からなかったのか?

「土地オークションの過程で起きる価格のつり上げに対抗するため、リンデンラボは多くの区画済みSimを売り出すか、価格を固定してしまうかする。そして最初に売り出すときはよくやる手だが、ユーザーのアカウントが正規に認証されたもの、つまり支払い情報が記録にあって、プレミアムアカウントの持ち主で、一つのIPアドレスとクレジットカードが紐ついているものに限るかもしれない。

それでもアカウント自体を貸し借りする場合にはこれらの対策では不十分だと考えるのなら、それはご正解だ。でもリンデンはユーザーが他の連中に遅れないように買い急ぐ気持ちを煽り立てたいので、それを可能にしておくだろう。」

「この区画済みSimの売り出しと平行して、メインランドのオークションを単純に一島まるごとか島の部分かに限っては行わないというポリシーを維持したまま、あるいは中古の島や特定目的で作った島だけで再開するという形でやるのか、一切メインランドはオークションしないというようにするのか、どちらも有り得ると思う。俺はリンデンラボはポリシーなんて持ち合わせていなくて、惰性でもうメインランドの土地を一島単位でオークションに出さないままでいる方に賭けるがね。」

まだ、何も決まっていないのに色々考えられますね。分からなかったのはメインランドに対するリンデンのポリシーで、これはNevaにも分からないみたいです。ゾーニングが成功するとメインランドの中心はそっちの方に移っていって、既存の地域は本当にスラム化、過疎化が進むのかもしれない。(もう十分にそうなっていますが。)メインランドの意味って何なのでしょうか?そしてメインランドとプライベートSimの違いを曖昧にしておくことの意図は何なのでしょうか?たまたまこうなってます、というのでなければ何か腑に落ちる理屈というのがあるはずだと思いますが、今のところ思いつきません。これって私、とっても気持ち悪いんです。

私は現在たった512M2の土地をメインランドに持っているので、今のうちにこれを売って、ゾーニングが為された土地を買いたいと思いますが、そこだって多分どんどん細分化され再販売されてスラム化するとか、現在のメインランドと同様に空き地や公園や街路もないままだったりすると、景観が改善される割合はわずかで、結局スカイボックス作ってそこにいることになりそうですね。それなら意味がないでしょう。近隣の影響をあまり受けないためには2,000M2くらいの広さが必要だと思います。でもゾーニングがあっても、梅図かずおさんみたいな人がお隣にいて、住宅街なのに風俗店や工場に見える建物を作ってしまうというリスクはありますね。それは防ぎようがありません。

将来の構想を教えてくれたらこちらの方針も決まるのですが……。

画像は誰もいないヒロトニシさんのお店に上がりこんで取ってしまいました。彼は原宿の区長選挙に立候補して投票も終ったんだけど、もう決定したんでしょうか?  

Posted by Sophiee Winkler at 13:24Comments(0)ビジネス

2009年01月22日

幹部インタビュー(その2)



リンデンラボのビジネス担当VP、Ginsu Yoonに対するIndustrial Standard 誌のインタビューの続きです。

Industry Standard:
「一年前はリンデンラボは利益が沢山上がっていました。それ以来収入も増えたし、さらにそれをサポートする投資も多くなったので、利益は更に膨らんだのではないですか?」

Ginsu Yoon:
「外部の投資というものは前回行われた(初期の)もの以来は受け入れていない。それは公式に発表されている。利益率の点で言えば、ファクトシート(業績に関する事実の数字を纏めて開示するもの)を超えて何か言うことはしたくない。状況はすこぶるいいと思うね。」

Industry Standard:
「こんなに経済が下降局面にあってもそうなんですか?」

Ginsu Yoon:
「下降してるって言ってもこの1,2ヶ月のことだろ。何か言うのは早計だよ。それから僕はSLのユーザーベースについて(起きている変化の)特徴や方向性を誇張したくはない。先月はユーザーの活動時間、ログイン人数、収入の点でも最高の数字を出したんだからね。とても力強い月だった。(状況を解釈するのに)色んな種類の理屈や理論があるんだ。特にゲーム関連のメディアから出てきているものだけど、どうしてそんなに色々な理屈があるのか不思議だよ。」

インタビュアーの突っ込みが甘いので、はっきりしたことは言わないまま逃げられてしまいましたね。ファクトシートって公表されているのでしょうか?公開会社じゃないので、利害関係者しか知らないのかも。探してみましょう。

http://lindenlab.com/pressroom/general/factsheets/economics

確かにこういうサイトはあるけど、数字で表現したものは何もないですね。結局公式ブログのEconomicsに行くことになるけど、それはSLであってリンデンラボの経営数字ではないもんね。第三者が明らかにしているものは07年の春くらいが最後で古過ぎます。
  

Posted by Sophiee Winkler at 13:21Comments(0)ビジネス

2009年01月21日

イマーシブって何?



さて、Rivers Run Red が気になって仕方ないので、次のURLからRRRのサイトを覗いて下さいね。動画があるので分りやすい感じもありますが、誤解を生むようなプレゼン内容もあります。

http://riversrunred.com/

まず、RRRが提供しようとしているのは簡単にいうとSLの3D環境を使って実際にRLの仕事に使えるワークスペースなんです。つまり、RLで働くのではなくて、SLの中で働くということです。そのためにImmersiveなアプリケーションが必要になります。Immersiveというのは一種の造語で、1つのものに集中したり没入したりするという意味です。

で何に没入するのかというのが表現が難しいのですが、今私たちは普通にRLに座って目の前の精々20インチとか26インチとかの画面を見て3Dだとおもっているのですが、これが例えばゴーグルをつけて、あるいは内面に液晶画面が張りめぐらされた球面の中に入り込んで3DをあたかもRLのように認識するというような設定にするわけです。そのためのViewerとか機材が必要でしょうけど。

仮想世界の3D環境に没入するということで、没入型のプログラムソリューションとか没入型のワークスペースあるいは没入型のブランド空間と呼ばれる環境を提供することがこの会社の目的なんです。

映像は没入型ですが、コミュニケーションの主体はボイスチャットになるでしょうね。

で、実際何の役に立つのかと言うと、この会社が想定しているのはブランドショップなどの店舗デザイン、商品レイアウトなどをRLで考える前にSLを使って開発し、試してみる、それもかなり細部にわたって事前に検討するというように使えるわけです。SLの店舗デザインじゃなくて、RLの本物をデザインするわけですね。

同じように住宅やホテル、病院、駅、劇場といった私たちが日常的に使っているスペースを低いコストでシミュレートできるとところがメリットというわけです。これらはもちろん現在のSLでもできますが、Immersiveにすることでより臨場感のある、体感的な判断が下せるというわけです。

サブのアプリとして2Dの図面などから3Dのオブジェクトやスペースを出現させたり、2D,3Dをちょっといじることで、immersiveに見えている映像がリアルタイムで変化するというようなものがあります。でもこれは現在のCADなんかではあるので取り立てて新しいということではないですね。

さて最初に掲げたサイトでの映像プロモーションでは、残念なことにどうやってもimmersiveなイメージを私たちに与えることはできません。モノクロTVでカラーTVのCMを流しているようなものです。それから更に残念なのはクリエーティブで効率的なコミュニケーションの手段として、アバターではなくて、実際のRLの人間の映像が登場して音声で会話しているところですね。それってTV会議でしょ。SLじゃなくてもいいということですね。

人間がしゃべっている横でアバター達がぼんやりと立っている図は、SLを出汁にして芸人が手抜きしている日テレの深夜番組「デジタルの根性」を久しぶりに見てしまったような物悲しさを覚えました。

画像はRRR社とはどうもあまり関係無さそうなミステリー小説です。”s”の付いているところが違っているでお間違えのないように。


  

Posted by Sophiee Winkler at 13:20Comments(0)ビジネス

2009年01月20日

幹部インタビュー



Industry StandardというInternet Economyに関するNewsmagazineがあります。報道の対象は新しいテクノロジー、企業、ベンチャー投資、買収、サイトの立ち上げ、その他の開発事業です。先日ここの記者がリンデンラボのビジネス担当のVPであるGinsu Yoonにサンフランシスコのリンデンラボのオフィスで取材した結果を載せていました。

この中でYoonはSLのGridとRivers Run Redのデザインによる新しいTurnkey service
を含む事業計画について論じています。Rivers Run Red はミステリー小説のRiver Runs Redとどういう関係にあるのか不明です。小説の方はテキサスの洞窟やその他の場所で起きる行方不明事件や怪奇現象をテーマにしたSupernaturalな闘いに関する怪奇ものです。同名の音楽アルバムもあります。多分この物語の新奇性やワクワク感を標榜して会社に同じ名前を付けたけど、商標の関係で“s”をつける場所を変えたのではないかしら?

私は西部開拓時代に白人がインディアンを大虐殺して河が血で染まったのかと思いましたが、どうも勝手な思い込みのようです。あの辺赤土なので、河の流れは赤茶色の濁流なんですね。だから滔々と逞しく大河が流れていくように発展するビジネスっていう思いを込めた命名だということも言えます。それからRedっていう単語には「元気」っていう意味もあるんです。これとは別にテキサスとオクラホマの州境にRed川と言う名の川があります。Red River Valley(渓谷)はよく映画の舞台になりますね。同名の歌もありました。

それからTurnkey service というのはインフラや教育の不十分な発展途上国で主に外国企業が道路、港湾建設から土地の造成、土建工事を含めて産業プラント等を一括受注して完成させ引き渡すところから来ている言葉です。自動車のエンジンを掛けるときみたいにKeyをひねるだけで工場が始動するって感じですね。ここではSLのユーザーが普通は何でも自分でつくらないといけないけど、Rivers Run Redに頼めば後はお座りしてご馳走を食べるだけにしてくれるということです。で、何を提供してくれるのか?その前にYoonへのインタビューです。

Industry Standard記者:
「2年前と比べてSLと企業空間について何が変りましたか?」

Gisu Yoon:
「市場一般が2年前に比べて仮想空間というコンセプトに慣れてきたと思う。我々の活動的な顧客ベースやレベニューのベースのなかにも企業や教育目的のユーザーの割合が確かに増えてきている。
しかし、皮肉なことに我々のユーザーのうちどれ位の人が実際に企業の商品・サービスを購入したり、教育目的で機関を使っているのかということは実際には完全には分かっていない。なぜならそうするためには多くのデーターを企業用に作られた適当なビリングシステムから移し変えてくる必要があるからだ。

ご存知だと思うが、我々のユーザーのほとんどは個人のクレジットカードを使っている。我々は企業が慣れている購買システムの類を持っていない。それで我々はデータと必死で睨めっこして、調査結果に紐つけて解釈し、それをスポットサンプリングにも当て嵌めて解釈するということをしなければならない。

こういう分析方法でこの1年くらいにはSLのなかで企業活動と教育事業に特化したユーザーベースというのは大体20%前後増えたと考えている。これはSLの全体の使用やレベニューから見て相当大きな割合であることは確かだろう。そしてそれは他のカテゴリーよりも速い速度で成長している。

SLというのはそれを運営している我々の会社の観点から見て、常に我々の顧客が我々に行き先を指示するという場所なんだ。明らかに我々は中の世界の経験に基づく経営コンテンツやストラクチャーという点での方向性は持ち合わせていない。まあ最近では益々それをやる羽目にはなっているが。

そういうわけで我々は消費者としての経験のなかでユーザーが欲っしているものから学んできたというわけだ。同様に、ユーザーが企業にとってもっと使いやすくあって欲しいと彼らが望んでいることにも学んできた。それが起きつつある変化の正体だろう。

それから会社が大きくなって今では100人を超える従業員がいるし、今年はそれが200人を越えて300人に迫ろうという年になるだろう。去年はネットワーク通信における十分な帯域幅(bandwidth)がなかったし、実際2年前には本当に帯域幅がなくてもっと広い市場セグメントを攻略するということができなかったんだ。それが違いかな。」

世の中人減らしに奔走しているというのに景気のいい話ですね。ちょっと危ないかも。

Industrial Standardについてはこちらのウェブサイトをご覧下さい。
http://www.thestandard.com/
  

Posted by Sophiee Winkler at 13:17Comments(0)ビジネス

2009年01月19日

2009年の予言(その4)



Prokovy Nevaによる2009年の予言の続きです。

「OpenSim とその他のOpensource のプロジェクトは依然としてオタク的インサンダーのためのものであり続け、ドタバタが続く。」

「これをやっている人々は商売や客やコミュニティということは考えない。彼等は仮想世界のLinuxとでも言うべき存在だ。Linuxと同じように彼らには熱烈で宗教がかった追随者がいるが、この連中は人を見ると彼らのシステムがどんなにこの分野で重要か、それこそIBMが買いたくなるほどだと言いつのるので、こっちはうんざりして死にそうになるくらいだ。しかし彼等の言う内容は粗野で、ガタガタで、洞察力に欠け、カルト的で、友好的でないので、他の者は(馬鹿にして)笑い続け、彼らの周りをうろつくだけだ。」

「俺はもうすぐ他のSocial Mediaについても予言を出すつもりだ。基本的にこの種のサービスのすべては間違いなくクラッシュしつつあると思っている。幾つかはFacebookみたいにGoogleに買われることがあるかもしれない。しかし、その多くはそんなにエキサイティングなことも起きないままだろう。比較するとSLは素晴らしいものに見えるね。」

このようにNevaはSLの競合相手についてはあまり将来性を認めていません。ブログでリンデンラボの文句ばかり言っているけど、実はSLの賛美者であり、SLの世界が気に入っているんですね。

画像は今は亡きAzitoのGrandpa’s Garageをお友達のSimで厚かましくも再現してしまったところです。
  

Posted by Sophiee Winkler at 13:19Comments(0)ビジネス

2009年01月17日

税の跫音(あしおと)



RLが不況になってきたので、各国の税務当局は仮想世界に課税することに関心を寄せ始めたようです。リンデンラボはちゃんと対策を立てれば、自分たちはともかくユーザーの取引に関する課税を免れるようにすることは可能だと思いますが、どうもこの辺が適当と言うか考えていないので、このままだと課税されてしまいそうな勢いです。

鬼より恐い米国のIRS(内国歳入庁)に対して仮想世界に課税せよとせっついている人がいます。それはNational Taxpayer Advocate(国家納税者擁護官)という職の人です。本来はIRSの威圧的で誤まった課税措置から納税者を保護するという役目なんですが、官僚というものはどこの国でも自分でお仕事を作り出して、それをアッピールすることに懸命になっている人達なので、毎年議会に提出する「納税者が直面している最も深刻な問題」という報告書の中に今回仮想世界の問題を盛り込んだのです。

仮想世界に課税することがどういう理屈で納税者を擁護することになるのか良く分りませんが、多分こんなに不況なんだから庶民から税金を取ることばかりに憂き身をやつさずに、もっと他のところから取れということでしょう。確かに仮想世界の中の取引は全世界で10億ドルを超えたというお話もあります。

でも、技術的な面ですぐに課税できるかどいうかということがあります。課税当局としてはRLであろうがSLであろうが所得が発生すれば課税するという立場ですが、実際には経済活動はネットのなかで起こっているので、それを何を基準に課税していくかというのが難しいでしょう。ドイツ人が日本人にスポーツカーを売った場合、店がフランクフルトというSimにあったとしても、実際の店のデータはカリフォルニアにあるサーバーに入っています。サーバーが米国にあるから米国のIRSが課税するということなら、サーバーをケイマン諸島に移してしまえばいいんですね。リンデンラボだってさっさと名目上の本社をタックスヘイブンに移してしまえばいいのに。

それが嫌ならL$の売り買いだけを専門にする会社をネットの中に作って、それがどこにあるのか分らないということでもいいかも。仮想世界なんだから、仮想のなかでなんでも処理するのが本筋よね。

まあ、RLのお金と交換するほどの金額を儲けているわけでもない私にとってはどうでもいいことですが、回りまわっていろんなものが値上げされるというのは困ります。



  

Posted by Sophiee Winkler at 11:02Comments(0)ビジネス

2009年01月16日

2009年の予言(その3)



「リンデンラボはメインランドの管理費をUS$295に引き上げる。人々を2種類に分けておくのはもう無理だと主張するのだ。」

メインランドのFull Region というのがSimと同じ広さでこの管理は従来US$195でした。初期の開拓者はメインランドを買ったんだけど、それから転売された土地の管理費も195で維持されています。ただ初期に島を買った人もやっぱり管理費はUS$195だったらしく、これも値上げの対象になるのでしょう。Grandfarthered Simという表現はこういう初期に島を買って、それ以降のSimの管理費値上げの対象から除外されている島を指します。だから全体としては値上げ対象はメインランドより広いことになります。でも実際にそういうSimがどれくらいあるのかは公表されていないのではないでしょうか?なにせ島持ちでないので分りません。

「普通の島と比べて明らかに機能的に劣っている土地の管理費を島と同じにされて土地所有者が怒るのは当然だ。だからリンデンラボはこんな風に言ってなだめに掛かるだろう。メインランドは広告もキャンプも規制して眺めがうんとよくなったし、検索Viewの上位にランクされるようにするからとか。他にも名ばかりの特徴を加えるとか。この変更は第3四半期までになされるだろう。」

メインランド分に限って値上げによりリンデンラボがどれくらい余分に潤うかを計算してみましょう。昨年の11月末時点でメインランドの面積をもとにすると日本円で月当たり3千万円足らずですね。これだとM.Lindenは満足しないかもしれない。やっぱり普通Simもそのうち管理費あげるのかしら?最近のOpenspaceの値上げの実績を分析して、値段をあげることにより需要がどれ位落ちるのか計算してるんでしょうね。ミクロ経済学の初歩的問題、Price Elasticity of Demand(需要の価格弾力性)だっけ?微分方程式とか使って頭のいい人が考えていることでしょう。で、最終的に間違うんです。アハハハハハハ……  

Posted by Sophiee Winkler at 13:17Comments(0)イベント

2009年01月15日

2009の予言(その2)



Prokoby Nevaの今年の予言の続きです。4番目でしたっけ。

「少なくとも1人のリンデンラボの上級マネジャーがリンデンラボを辞める。そうして別のもっといい仮想世界あるいはSocial Mediaに移る。住人を何人か連れて行くかもしれない。」

幹部が引き抜かれるという噂があるんでしょうね。思わせぶりなこと書いてないで、直接本人にインタビューして色々内輪の話を聞きだして欲しいですね。それから、

「Philip Lindenが本を書くだろう。ゴーストライターがいて、それは多分Daniel Terdimanだったりして。そうじゃなければ……うーん、ここんとこ仕事にあぶれているジャーナリストが多いので、しばらく考えさせてもらいたいな……。」

ここまでくると予言と言うより、流れてきた内情を書いているけど確証がないというレベルですね。Philip Lindenというのはリンデンラボの会長のPhilip Rosedaleのことです、念のため。

「リンデンは検索結果からトラフィックを削除する。これは相当に問題のある行為で、いろんなところから悲鳴があがる。でもそれは各種クラブからあがるのではない。なぜなら多くのクラブはViewに残るためにBotsを使った他のクラブとの軍備競争に明け暮れているので、トラフィックが削除されれば内心はホッとするからだ。悲鳴が上がるのはそういうインチキをしないで真面目に商売をしている経営者達からだろう。」

トラフィックを表示しないというのは1年くらい前からスケジュールに上がっていて、なかなか手がつけられないでいるテーマです。これは当初はBotsや他のインチキシステムを使った数字稼ぎを防ぐためという説明だったけど、どうも今になると違う動機があったような気がしてきます。

トラフィックがないとSLのビジネスの主体はどこで差をつければいいのでしょうか。そうクラシファイド広告ですね。資金のあるところは多額のお金を使ってプレゼンスを買うことができます。弱小ビジネスの経営者は実力でそこそこのトラフィックを得ることができていても、この変更によってクラシファイド広告に屈する結果となるのです。もちろんリンデンラボには広告料がガッポリ。Botsとトラフィックとクラシファイド広告はこういうふうに繋がっていたんですね。我ながら気が付くのに時間が掛かったわ。

ただ拗ねているだけでない、こういう洞察力もProkovy Nevaの魅力ではありますね。
  

Posted by Sophiee Winkler at 13:18Comments(0)

2009年01月14日

不動産王の撤退



さてさて、待ちに待ったProkovy Nevaの今年の予言ですね。待っていたのは私なんですが。と、その前にご本人による去年の予言の評価なんですが、相当外しているのに本人は「かなり当たっている」と言っています。反省としては秋以降の金融恐慌が予言できなかったことを揚げていますが、そもそも予言の対象はSLなのでわざわざそんなこと言う必要はないのですが。

今年分は取りあえず10ほど予言があって、その8番目のものがこれです。SLの不動産王についてです。

「Anshe Chung はSLの撤退を完了する。」

何で8番目かというと、これが一番面白そうだったから。Nevaの説明は、

「理由はいろいろあって、人員削減とか、人々がOpenspaceを買って移動してしまったこと、Anshe Chung Stadioの割高な土地からもっと安い土地に移動したこと、メインランドがゾーニングされてそこに移ってしまうとか、ACS自体が金を失って何かもっと儲かるところへ移る、あるいは自分のグリッドを持つとかするということだ。」

かなり気分的な予言ですが、予言と言うものはこういう風に特に論理的な理由を挙げなくてもいいので、随分楽ですね。要するにACSがSLに見切りをつけるという予測です。ここまで言い切ってしまって責任とれるのかしら?


で、これとちょっと関係あるかもしれないような予言もあって、

「コンカレントなログイン数は10万に達し、それを超える。」というのがあります。SLをやる人が増えるのであればACSも踏みとどまれるような気がするけど、Nevaはそう考えないんです。Botsが一杯というわけ?

Nevaは確かACSの土地を借りていて、それがMagSLTokyo2と同じように歯抜けになったSimを閉鎖して住民に別の場所に移動してもらうという措置がなされたときには、「これは俺がACSがGrandfarthered Simを慌てて売っているということをスッパ抜いたことに対する報復的嫌がらせだ。」と言っていました。

相変わらず思い込みと僻み根性の強さが前面に出た珍しいブログですね。こんな風に本音が出てきてしまうときと、斜に構えて恰好をつけているときがあって、そのまだら模様が面白いんです。

Botsに関しては、「リンデンはBots取締りのジェスチャーを見せるが、実際は放置したままでリソースの無駄遣いをしているにもかかわらず、実質容認されたままである。」と予言しています。理由は述べられていませんが、恐らくBotsが居た方が賑やかでいいからでしょうね。

Botsに関してはまことしやかなお話があります。それはSLのどこかのSim群で、リンデンラボ作成の大量のBotsが秦の始皇帝の墓を守る兵馬俑のように整然と何もしないで並んでいるというものです。多分彼もこれを信じていて、だからリンデンは他者のBotsを制限する気にならないだけでなく、むしろConcurrencyの見かけを良くするという意味で歓迎していると思っているのでしょう。

Nevaの今年の予言は比較的解説が少ないので、その辺を補いながらご紹介していくことにします。
  

Posted by Sophiee Winkler at 13:21Comments(0)ビジネス

2009年01月12日

広告と教育



昔のSLの解説本を読み返してみました。そうするとそこにはSLで発展するビジネスとして「広告」と「教育」が載っていました。う~ん、今となってはそれはちょっと違うような、当たっているような……。

「広告」というのはアバターに対してSL内の商品やサービスを広告するというのではなくて、アバターの背後にいるユーザーに対してRLの商品やサービスを広告するという意味ですが、既存の広告メディアと比較して効果的だとは思えませんね。ユーザーはRLで生活している時間の方が多いでしょうから、SLの中でRLのものを広告するのは余計なのかも。3DというのはSLの大きな特徴だけど、通常のネット広告でも表示は可能です。

だから通販広告なんかで、商品を回転させたり分解したり動かしたりするのに3Dが使えると消費者としては有り難いけど、これが通常の人間を使った映像による販売なんかより優れているのか、あるいは3DだとしてもSLでないといけないのかというところが課題ですね。

広告というのは基本的なニーズがないと意味がないので、いきなり広告から考えるよりもどんなRLのニーズがSLを通じて満足させられたり、刺激されうるかということが最初に来るはずです。でもそこんところがみんな分らなくて悩んでいるような気がする。これはもっと深く考えてみないといけませんね。でもSLが現代のRLのビジネスや生活のなかでどのように役に立っていくのかという方向がまだ定まっていないので、試行錯誤を続けていく他はないような気がする。

少なくともRLの企業がSLで自らの商品サービスをシンプルに広告するというモデルは付加価値が少ないということに企業側も気が付いたようで、これも大企業のSLからの撤退の一因になっています。

「教育」というのはSLの中で今最も注目されている分野ではないでしょうか?25日から30日に掛けてリンデンラボ主催で「教育サポートフェア」が行われます。教育はRLでもSLでも大きなニーズがあることは間違いないでしょう。

ただ、これもどうしてもSLでないといけないのか、SLのなかで行うことにより理解が深まり、習得が速くなるという面がないと他のメディアには勝てないでしょう。みんなで学校の教室のようなところに座って講義を受けているという形式よりも、一対一で画像を使ってQ&Aできる、SNSのそういう機能を生かした使い方を工夫するのがいいでしょう。

広告も教育も情報を如何にして相手に伝えるか、その効率や正確さ、深さの面で目的や対象によってどういうメディアがいいのかがポイントです。その都度一番いいもの、あるいはその組み合わせを考えることが大事で、SLに限った方法が一番いいというのではないですね。だからSLの教育事業も前途多難です。例えばある教育機関がSNSを使って事業を行おうと思ったときに、SLよりももっと普及しているメディアを使うことをまず検討するでしょう。

SLやアバターと特性、SLのメリットということをもっと掘り下げていかないと、他のメディアとの差別化は難しいと思います。でもそれを考えてみるのはちょっと知的に面白いかなって思います。サポートフェアで何かヒントがあるかも。

画像はリニューアルした達磨ストーブと背景の景色です。ひざ掛けも欲しいな。
  

Posted by Sophiee Winkler at 11:38Comments(2)ビジネス

2009年01月10日

土地の減少(終)



昨日の続きです。公式ブログの経済指標でIsland Added の表示が止められていることについての意見を見てきました。そのなかには表示すること自体の意味を問うものもあります。

Sean McPherson という人は土地の分量に着目することは、同時ログインアカウント数を気にすることと同じくらい意味がないと言っています。Openspace を手に入れる人は土地全体をコントロールすることが目的であって、リンデンラボが当初意図したような高いコストを払って広い空間の景観を維持しようという人は少ない、だからプリムが使えないような条件の商品が魅力がなくなるのは当然だという意見です。

Maggie Darwin はどうしてGridに接続されている島の数を数えることがそんなに大事なんだと疑問を投げかけています。それは単なる数字なんだから、機械的にカウントして表示しておけばいいだけで、それに何かの意味を持たせる必要はないという考え方です。

面白いことにMassivelyのTateru Ninoがここに意見を寄せていて、リンデンのやり方はマッカーサーが朝鮮戦争のときに北朝鮮と中国の連合軍に押し込まれて、「我々は退却するのではない、別の方向に転戦するだけだ。」と言って半島の南部まで下がったときと同じだといっています。この人いったい何歳なんでしょうね?

さて私の意見としては、確かにユーザーとしては島が幾つになろうがあんまり関係ないし、プリムが使えないほうが問題ですね。でもリンデンラボはSLの価値を高めて将来的には売ったり投資を回収したりするのが目的なので、どうしてもSLは発展し続けていると言いたいわけです。その指標としてはSLが土地本位制である以上、どうしても土地に関した数字を引っ張ってくることになりますね。これをユーザーの立場から批判しても仕方ないと思います。

問題はやはりOpenspaceの数とFull Sim(通常Sim)の数を混ぜてしまったところにあります。最初から分けて表示するか、Openspaceを0.25としてカウントしておけば統計がどうのこうのと苦しい言い訳をする必要もなかったでしょう。

ユーザーのニーズは様々ですが内容は明確です。沢山のプリムを使ったり、様々なスクリプトを動かしたりしたい人や、空間だけあればいいという人がいます。だからそれに応じた商品を供給すればいいんですね。

通常の3倍プリムが使えるSimとか、あるいは土地としては認識できなくてもプリムだけ沢山使えるようなオプションとか、1,000人アバターが入れるイベント会場Simとか、それを売るのではなく日数や時間で貸す、自分がやるのが面倒ならAgentを使うとか、マーケティング的には色んな工夫ができると思います。そうしていろんな土地商品の数を正直に表示しておくことが自らの経営を効率を高めていくことにも繋がっていくと思います。

古くなったサーバーは海や荒野や山脈を作るのに使って、その周辺に接続してそこを使えるSimの管理費や高めに設定しておくということだってできるでしょう。リンデンラボはせっかく大きな可能性のあるGridを作っておきながら、それを矮小化させるようなことしか思いつかないみたいですね。
  

Posted by Sophiee Winkler at 18:18Comments(0)ビジネス

2009年01月09日

サヤ取りビジネス



昨日の続き、つまりOpenspaceの管理費を値上げしたこと、その中身としてOpenspaceを2種類に分けて、結果として所有者は以前よりも少ないプリムやその他の制限に甘んじなければいけなくなってOpenspaceの魅力が減ってしまいSLの土地の総量が減ってしまったという事実をリンデンラボが公式ブログで公表するのを止めたことに対する利用者のコメントについてです。(文章長いですね)

簡単にいうとほとんどすべての意見は「増えるときにはカウントしておいて、減り始めたらそのカウント方法は間違っているというご都合主義は許されない。」というものですが、そのなかで、Rifkin Habsburgという人は次のような面白い意見を述べています。

「自分は手持ちのOpenspaceのうち3つを返上しようという決心をした。その寸前で4つ合わせて1つのFull Simに転換できるということが分かりそうした。だからこの減った3つのOpenspaceは本当に減ったのであって、リンデンのいうように単に4つを1つに纏めた結果にすぎないから、それを土地の減少にカウントすべきでないというのは間違っている。」

リンデンの価格・サービスの改定がなければ4つを1つにConversionするという動きもそんなに多くは出てこなかったでしょうから、やっぱり土地の減少として評価すべきでしょうね。それから彼はこんなことも言っています。

「他者からOpenspaceを買って、それをFull Simに転換して売りに出している不動産業者が幾つか出てきている。これによって初期費用分が安くなるので儲かるというわけ。転換費用はUS$100でFull Simの初期費用はUS$1,000だから。」

実はこれは私も考えましたね。でも土地の在庫を抱えることになるので、リスクがあることは間違いありません。土地を持っていなくて、自分用にFull Simが欲しい人にとってはいい方法でしょう。一方私はきのう原宿の賃貸を更新してL$31,000も払っちゃって貧窮のどん底です。とても自分で土地買って管理費払うなんて考えられないわ。

今、難解なコメントを読んでいるのでそれは週末に。
  

Posted by Sophiee Winkler at 13:16Comments(0)ビジネス

2009年01月08日

ズバリ土地減少!



さて、誰もが気になるOpenspaceの管理費値上げによるSLの土地の増減の問題ですが、先日お伝えしたように、公式ブログでは何故かDisabledとしか表示されていません。リンデンラボによれば「この統計は誤解を生じさせる」からということで意図的に表示しないようにしたということでした。

でも、アメリカ人特有の「お尻の弱さ」によって大体の数字は見ることができるんです。というのはRawDataはそのまま残されているからですね。これによるとSimは昨年12月には前月より2,007減って22,555、これが今年になって更に202減って直近では22,353個になってしまっています。もちろん放棄されたOpenspaceと手持ちのOpenspaceを4つ纏めて通常Simに変換したことによる減少とが混ざっているので、実態はなお不明な点があります。

この点をWagner Jamesという人がリンデンラボの不動産担当のJack Lindenを捉まえて色々問い質したみたいです。ところで、「お尻の弱さ」というのはどういうことかというと、物事をやっておいて後片付けをしないということなんです。大学なんかでも教室に入っていくと前の授業の板書がそのままになっていて、何の授業をやったかが一目瞭然、次の時間の教授は文句も言わずに授業をしながら黒板消しで盤面を消してゆきます。

企業の会議室でも同じことで、機械や備品の調達に伴う入札の結果がそのままその会議室が次に使われるまでに残されているというのが普通です。どうも黒板は掃除のおばさんが消すものだと思っているみたい。オバサンは大事なものは消してはいけないと思っているのでそのままにします。で、そのままになっているところに外部の関係者が来て会議をやったりすると、会社の人間は「ゲッ!」とかいいながら慌ててホワイトボードを消しに掛かるというのが普通です。最初は演技かなって思ったけど、結構本当のことが多いです。日本でも最近は使用後の会議室の後片付けをしない人が増えてきましたね。こんなところだけもう立派な国際人!

元に戻して、Wagnerはメールでリンデンラボのマーケティングとコミュニティ担当VPのRobin Harper(あるいはRobin Linden)に問い合わせたところ、「統計の取り方が間違っていたため、数字が誤解を生むようなものになってしまっているので表示を取りやめた、詳しいことはJackに聞いて」と回答がありました。

Jack Lindenによれば「Openspaceを放棄した人よりもOpenspaceを4つ合わせて通常Simに変換した人の方がうんと多い。この場合土地は減ったんではなくて仕様が変ったんだ。」ということで、正しい解釈を表現できる指標が見つかるまではこのIslands AddedはDisabeldのままにするということでした。

でも、Wagnerのブログにコメントを寄せている人たちは納得していなくて、「これははっきり言ってインチキだ。RLの金融危機と同じじゃないか。金融機関は債権を始めとする資産を時価評価することで自らの価値を膨らまして表示してきたが、今回の危機の結果資産が暴落したとたんに時価評価方式はおかしいと言い出した。リンデンもOpenspaceが売れているときは『土地は44%も増えた!』とアッピールしていながら、それが減り出すと、そのような数え方は不合理だなんていい出している。」と述べています。全くその通りですね。

彼のブログはNew World Notesという名称です。で、この投稿に関してはまだまだいっぱい書き込みがあるんですが、それを訳している時間はないので、また週末にでも。リンデンのブログでの公式の説明は以下の通りです。

Please be aware that the Islands Added figures are not currently an accurate reflection of short term change and are therefore misleading. This is because of the way in which they are calculated and will tend to cause the figures to look significantly worse than they actually are (either by overcounting in some cases or under counting in others). In addition, the many Openspace conversions will significantly drop the total island count exaggerating the change in numbers. We are looking at changing this page to provide more accurate data soon.
  

Posted by Sophiee Winkler at 13:18Comments(0)ビジネス

2009年01月07日

またRLの脅威が



ご存知の方も多いと思いますが、3Dのオンラインチャットのサイトを運営するWorld’s Com. が自らの特許の効力をほとんど全ての3D仮想世界に及ぼそうとしています。この会社は既に2000年辺りから盛んにキャンペーンをして3Dのオンラインチャット技術を自らのプロパティとして認知させる努力をしてきたようです。

問題の特許は2本あって、 “Scalable Virtual World Chat Client-Server System”,と
“System and Method for Enabling Users to Interact in a Virtual Space”です。要するに今SLや3Dオンラインゲームで日常的に使われているオンラインチャットに関する基本的な技術なんです。

World’s Com.はGeneral Patent Corp.という特許管理の専門会社を雇い、去年の12月初旬に、上記の特許が3次元影像による多人数双方向の仮想世界システムのためのコンピューターアーキテクトに適用されるとの解釈を表明しました。今からどんどん権利を主張していきますよという予告ともいえます。それと同時に非排他的な条件で特許の使用を許可する用意があるとも付け加えていました。

はたして同社とその代理人はクリスマスの前日にテキサスにおいて、3Dオンラインゲームを主催、運営するNC Soft 社が上記の特許を侵害しているとして訴訟を提起しました。内容はNC Softによる侵害行為の永久的な差し止めと、損害の賠償です。NCのゲームでは「リネージュ」が有名です。

もちろん目的は半永久的な特許使用の許諾契約を結び、それを全ての3D仮想世界に広げてゆくことにより莫大な収益を上げることです。従って最初はどうしても勝ちたいので、オンラインゲームの大手やリンデンラボといった比較的訴訟ずれしている会社を避け、脇の甘そうなNC Softを狙ったということでしょう。時期的にも休暇シーズン中ということでちょっとズルイですね。

もし、これが認められると最終的には私たちにその負担が掛かってきて、リンデンラボが何かを値上げするということになりそうです。ボイスチャットは特許の対象なんでしょうか?多分対象外だと思うけど、一部引っ掛かるのかも。それに対抗するためには別ウィンドウでメールで会話するとか、SLのなかで「手話」や「のろし」や「手旗信号」でコミュニケーションするということが可能です。

私だったらしゃべると同時に頭上にプリム製の文字が現れて、一定時間後にllDie()関数で消滅するっていうソフトを開発しますね。3D仮想世界の会話は3D仮想文字でっていうわけ。でも、何かとっても重たい発言の重たい会話ですね。麻生首相の場合だと発した文字プリムは風船みたいに風で流れて空に上がっていって、消えてしまうのがいいかも。あるいは、文字入力するそばからSL内で音声化されて流れるというのでも特許はクリアできそうですね。文字でログ取れないけど。お正月から深刻で馬鹿バカしいお話でした。
  

Posted by Sophiee Winkler at 13:17Comments(1)ビジネス

2009年01月06日

仮想の犯罪



Minsky対Lindenの訴訟の結果はまだ出ていないようですね。さて、昨年はRLとSLの両方の世界に関する訴訟が幾つか起きただけでなく、仮想世界の犯罪もだんだん盛んになってきたようです。Virtual Judgement (仮想裁判)というブログを見つけて覗いてみました。

もう昨年の5月のこととなりますが、43歳の日本人女性がオンラインゲームの「メープルストーリー」での「夫」に突然離婚されたことに腹を立てて、夫のアカウントでログインし彼のアバターを殺してしまうという事件を起こしました。ログインして自分が死んでいるのを発見した「夫」は警察に連絡しました。その結果「元妻」は昨年の10月末になって逮捕され、自宅である宮崎から札幌に移されて拘留されました。

警察の取調べで女性は犯行を認めたため、有罪の判決が出る場合にはコンピュータへの不正アクセスと電子データの操作改竄のかどで5年以下の懲役またはUS$5,000以下の罰金に処せられる見通しです。

また先ごろ16歳の少年が盗んだIDとパスワードを使ってUS$36万に相当する仮想通貨を詐取した嫌疑で逮捕されました。

8月には米国デラウェア州でSLで知り合いになったボーイフレンドを拉致しようとしたかどで中年女性が訴追されています。これはこのブログでも報じましたね。

アムステルダムでは14歳と15歳の2人の少年が13歳の少年を脅してアドベンチャーゲームのRuneScape の中で、仮想の仮面と護符を差し出すよう強要しました。裁判所は「この仮想のアイテムはRLにおける商品であると解され、従って窃盗が成立する。」と断じ、15歳の犯人に200時間、14歳には160時間の社会奉仕を申し渡しました。未成年に対する刑が重いように思えるのは、仮想世界のなかで被害者を殴り、ナイフを使って脅したからではないかと推察されます。
  

Posted by Sophiee Winkler at 13:57Comments(0)生活