2012年09月21日
SLの政治利用
9/12 のSecondlife Herald には今盛りの米国大統領選挙の共和党の副大統領候補であるポール・ライアン氏に関する記事が掲載されています。ヘッドラインは「SLはポール・ライアンのウソの垂れ流しを始末することができる」というもので、これだけ読むと何か副大統領候補がSLに不利な発言でもしたのかなと思いました。でも、全くそんなことではありませんでした。そもそも大統領選挙にとってSLは何の影響力もないし、選挙民も今更SLなんて持ちだされても、何のことか分からないはずなので、変な表現だと感じました。
実際の記事の意味はポール・ライアンが大統領選挙キャンペーンでいっぱいウソをついているが、彼は自分のアバターを作ってSL内でRLでは出来もしないことを、SLで尻拭いのために実現してみせることが出来るという趣旨でした。
酷い記事ですね。第一に、RLの政治家を批判するためにSLを引き合いに出すのはSL側からみれば迷惑な話です。Secondlife Herald の主筆のPixleen Mistral は民主党派なんでしょう。SLユーザーにとっても、RLの有権者にとっても何の意味もない内容です。
第二にSecondlife Herald はSLや他の仮想世界の事柄を記事にするのが目的であったのに、RLに影響を与えることを意図して記事を書くというのは本末転倒ではないかと思います。
ただ、SLの中に共和党の支持者であるユーザーが作った選挙キャンペーン用のSIMもあるのです。この辺りは政治というものが庶民のなかに深く根付いている国ならではですね。4年前の大統領選挙ではSLの中に候補者のオバマ氏が現れて、何もしないで座っていたという出来事もありました。今回は大統領選挙キャンペーンにちなんでポール・ライアンのアバターにずっとマラソンをさせるというアイデアも載せてありました。
さすがに読者も呆れたらしく、「Pixleen、外に出て新鮮な空気を吸った方がいいよ!」とか、「何カ月も新しい記事を載せないでいると思っていたら、突然政治ブログ化したのかよ。」という意見がよせられていました。
まあ、ブロガーの立場からいえば、本当に書くことがないときはこんなことになってしまうという例ですね。