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Sophiee Winkler
Sophiee Winkler
2007年6月生まれ。MagSLの原宿に住んでて、HARAJUKU PLACE というお店をやってます。景観商品とか小物が中心です。最近はスキンとシェイプに凝っています。
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2010年09月30日

リンデンの手詰り

リンデンの手詰り

 結局5月以降続いたEmerald Viewerを巡る一連の騒動で、私は最初はリンデンラボのThird Party Viewer PolicyやCopy Bot やBotsの取り扱いの不明瞭さや方針の無さを批評してきたのですが、実はそれはもっと本質的な問題に根ざしているのではないかと思い当たりました。

 以上の問題はユーザーにとっては大きくても、リンデンラボというベンチャー企業の経営という意味ではマイナーです。つまり、ユーザー数が漸減してきたり、利益が減って大幅なレイオフをしたりということの方が企業経営としては大問題で、そしてそれがリンデンラボの全般的なビジネス戦略や計画の欠如に基づいているのではないかと思ったのです。3年間ずっと見てきたので多分間違いはないでしょう。

 つまり、リンデンラボは3D仮想世界を初めてゲームとは異なった設定で一般ユーザーの手の届くものにした大きな功績があります。しかし、その実質は「面白いもの作っちゃった。後はどんどん売れるでしょう。」ということに留まっているのです。どうやってこれを他の類似のサービスを凌ぐものにしていくか、情報化社会の標準的アプリケーションに育てていくかという観点が弱かったのです。意識はしていたかもしれないけど、そのために突き詰めて考え、継続的に動いてはいなかった。

 私たちは当初SLの素晴らしい技術に驚嘆して、彼等はとっても頭のいい人達で、次々に儲けのアイデアやネタを生み出してくるだろう、もっと凄い世界が展開していくだろう、SLはどんどん発展していくだろうと思っていました。しかしそれには技術的な卓越性だけでなくて、戦略的、マーケティング的なビジネスを運用できるパワーと能力が必要だったのです。技術の素晴らしさに幻惑されて、私たちはリンデンラボのエンジニアや投資家達にとってはそんなことは朝飯前だと思い込んでいたのです。でも、それは彼等の得意とする分野ではなかった。一言で言うと、プロの戦略家と経営者が不在だったのです。

 もちろんMitch Kapor もRosedale も「SLはゲームでなくてプラットフォームだ。世界はユーザーがつくるのだ。」と言ったすぐ後に、実はそれでは発展性に乏しいことに気がついてはいました。だから幾つかの試みをしてみたが思うようにはいかなかった。予定よりもうんと早くピークアウトしてしまったのですね。もちろん第一世代の人達は自分達の持分を投資家に売って、創業者としての利得は手にしています。それは彼等にとって期待よりも少ないものだったかもしれないけど、満足のできる金額だったはずです。

 さて、こんな風な内容の記事をまとめようとしていたら、実は既にほぼ同様の内容がArphaville Heraldの9月10日の記事になっていました。かなりがっくり。でも、自分の判断や認識がそんなに捨てたものでもないことが分かって、ちょっと満足。次回はその記事を訳してみます。

 今回の教訓:「思いついたら、サッサと書くのじゃ!」

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Posted by Sophiee Winkler at 21:38│Comments(1)ビジネス
この記事へのコメント
こんにちはー
そうですね、SLはゲームではなくプラットフォームって言う理由はそこにあるのでしょう。   リンデンは箱としてSL(プラットフォーム)を用意した、中身はユーザーが創るのがSLのビジネスなんだと思うのであればリンデンはすでに成功している、あとは解散の頃合を見るだけになる訳ですが、5年ほどアメリカの会社でビジネスをした事がありますが、日本人と違うのは、ユーザーはパートナーでWinWinの関係にあると捉えていますよね、お互いが同じ目線で話をする。
日本人は、お客様は神様なので、全て会社任せでユーザーは無責任にクレームをつけたり会社に責任を押し付ける。
SLで言うなら、リンデンが弁当箱を作ったから、ユーザーは思い思いのおかずを入れる事ができる、リンデンがする事は、より良い弁当箱を用意する事で、弁当を用意する事ではないと、僕は考えます。  日本では、最高の弁当を望むのであって、弁当箱は要らないと言うのがSLを受け入れられない原因だったのではと思います。  リンデンも、問題があると思いますが、仮想空間を持て余すユーザーも何かSLの付加価値を見つけださないとSLは無くなるだけだと思うので、色々と考えて行こうと思っています
Posted by ARK at 2010年09月30日 22:43
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