SLの予言(その5)

Sophiee Winkler

2008年03月09日 10:00




前回の第5番目の予言はヘンテコでしたね。ここでそんな変な予言をしたのは私でないということを強調するために、張本人を掲げておきましょう。予言の主はSecond Thoughts のProkofy Nevaさんですね。さて、この調子だと空中分解しそうですが、6番目の予言はなんだっけ?それは、

「各方面で言われている、またSL,経済、非オタクに対する偏執狂的な嫌悪感が存在しているにも拘わらず、SLの人口はどんどん増え続け、人々は島や土地を買い続けるので、リンデンラボは現在のモデルから飛躍できない。そんなことしたら自殺同然だから。」っていうものです。

この予言って、第一の予言、「リンデンラボはサーバーのソースコードを今年のうちはオープンにしない。」に一部分被ってますね。まあ、オープンにしたって不動産事業を続けることは可能だけど、現在とはかなり違う条件になってビジネスモデルは崩れてしまいます。

この辺のいい加減さはともかく、理屈として新しく流入してくる人口のソースはあるかということですが、それはロシアと中国とラテンアメリカなんですって。SLから撤退する会社は大体はアメリカの会社で、メタバースのエージェントでも縮小したり、商売変えしてるのもアメリカのエージェントですね。それに代わって進出してくる企業はヨーロッパやアジアや中南米国籍なんです。

さて、ここからNevaの難解なおしゃべりが始まって、訳しているわたしは苦労するんですが、こんなこと言ってます。

「SLは死にかかっているんじゃなくて、成長するんだ。オープンソースもしないし、IPO(株式公開)もしないで、業績順調でブンブン唸ってるってくらいのもんだ。でも気をつけなきゃいけない奴がいる。そいつは東部から来たベンチャー・キャピタリストのBill Guleyっていう奴さ。リンデンラボの役員会に座っていて、公の会合なんかでパネリストだったりする。」

「どうしてこいつが生きているのでもない連中(アバター)のために作られたプラットフォームのことでお悩みにならなきゃいけないんだ?それはそのプラットフォームが月に5百万ドルの収入をもたらすからだ。知らなかったが、奴の話ではこれは3次元ネットワークの世界の企業収入としてもっとも高速で増加し続けているんだと。シリコンバレーの新興企業には珍しく、国内のユーザーは32%に過ぎないんだとも言ってる。」


「まあ、そんなにセールスポイントばかり上げていないで、Bill Guleyも反SLキャンペーンの動きについても言及しなくちゃいけない。それはこの谷間の住人が歳をとってきて37歳以上になるといなくなってしまうということなんかだ。Tao Takashiは面白いことを言っている。もししゃべることがなければ、Bill Guleyはドラッグストアーにひとっ走り行って来て、『Echhard Drugstore では腕時計が$5で買えたのに、お前達は何をやってるんだ!』っていうに違いないってな。これでTaoは反乱を起こした恰好だが、彼が書いていることは本当のことだ。」


ソフィーの解説:

Bill GuleyはBechmark Capital というベンチャーキャピタルに所属していて過去にはアマゾンの株式公開なんかを手がけてます。今のところSLに出資したお金をどれ位早く、高い倍率で回収するかが彼の関心の中心ですね。

Nevaはリンデンラボに出資しているベンチャーキャピタリストのGuleyに警戒感を持っていて、リンデンラボの可能性が資本の論理で捻じ曲げられるのではないかと懸念しています。そしてGuleyのSLに対するコメントがSLの市場価値を引き上げる目的のためだけになされていることを皮肉っています。西海岸、シリコンバレーに住むITエンジニアやクリエーター達の持つ東部の資本家に対する不信感が下敷きになった文章ですね。

Taoというのはどうやらリンデンラボに所属していて、Guleyに対する批判の文章をブログか何かに書いたようですね。反SLキャンペーンって何でしょうね?
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