仮想の犯罪

Sophiee Winkler

2009年01月06日 13:57




Minsky対Lindenの訴訟の結果はまだ出ていないようですね。さて、昨年はRLとSLの両方の世界に関する訴訟が幾つか起きただけでなく、仮想世界の犯罪もだんだん盛んになってきたようです。Virtual Judgement (仮想裁判)というブログを見つけて覗いてみました。

もう昨年の5月のこととなりますが、43歳の日本人女性がオンラインゲームの「メープルストーリー」での「夫」に突然離婚されたことに腹を立てて、夫のアカウントでログインし彼のアバターを殺してしまうという事件を起こしました。ログインして自分が死んでいるのを発見した「夫」は警察に連絡しました。その結果「元妻」は昨年の10月末になって逮捕され、自宅である宮崎から札幌に移されて拘留されました。

警察の取調べで女性は犯行を認めたため、有罪の判決が出る場合にはコンピュータへの不正アクセスと電子データの操作改竄のかどで5年以下の懲役またはUS$5,000以下の罰金に処せられる見通しです。

また先ごろ16歳の少年が盗んだIDとパスワードを使ってUS$36万に相当する仮想通貨を詐取した嫌疑で逮捕されました。

8月には米国デラウェア州でSLで知り合いになったボーイフレンドを拉致しようとしたかどで中年女性が訴追されています。これはこのブログでも報じましたね。

アムステルダムでは14歳と15歳の2人の少年が13歳の少年を脅してアドベンチャーゲームのRuneScape の中で、仮想の仮面と護符を差し出すよう強要しました。裁判所は「この仮想のアイテムはRLにおける商品であると解され、従って窃盗が成立する。」と断じ、15歳の犯人に200時間、14歳には160時間の社会奉仕を申し渡しました。未成年に対する刑が重いように思えるのは、仮想世界のなかで被害者を殴り、ナイフを使って脅したからではないかと推察されます。
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