SLのビジネス(その23)

Sophiee Winkler

2007年11月13日 10:42






SLのビジネス(その19)で持ち主が代わってしまった名古屋のSIMのことを取り上げましたが、その近況です。読者のメッセージへの返事で私は「新しいオーナーがSLのことを知らない人でないことを祈ります。」とコメントしておいたのですが、この新しいファンド系のオーナーさんも約1週間でギブアップしたそうなの。

1週間で決断したのは投資家としては立派ですが(つまり「損切り」は早めにということ)、1週間で判断可能なのであればそもそも譲り受けない判断も可能だったはずで、その辺に甘さというか、何かの義理が絡んでいたのかもしれませんね。

ユーザーとの賃貸契約がなければ、「土地を放棄する」というコマンドを選択してしまえばおしまいですが、賃料を1年前払いしている人もいるそうですから、何だかNOVAのケースみたいになってきました。もし、オーナーが土地を放棄して、賃借人との契約はそのままだと、リンデンと賃借人との関係はどうなるのでしょうか?多分細かな契約条項があるのでしょうが、とても読む気にはなれませんので、悪しからず。

この土地を転売するというのは難しいでしょう。そもそも利益を生むモデルになっていないので、更地ならともかくも賃借契約つきでは制約が多すぎて、オーナーになるのはリスクが高すぎるの。かといって、リンデンは管理料を引き下げてはくれないでしょうから、結局は賃借人の組合として引継ぎ、割高な賃料を払うくらいしかないですね。

でも、SLの土地は、RLの土地のように特定の具体的な土地が他の土地と比べて大きな価値をもっているということはないので、固執することに意味はありません。賃借人は先払いの賃料の返還を受けた後は別のSIMに移住し、残った土地は放棄され、リンデンが売りに出すというのが最も可能性の高い展開ではないかしら?

SLはRLの経済とは相当違った面が多いのですけれど、この土地の売買や賃貸については、ほとんどRLと同じ市場メカニズムが働くようですね。もっとも土地の供給に歯止めはないので、特定の土地が無闇に高騰するとか、地上げ屋が暗躍するということはありません。もし地上げ屋が現れるとしたら、それはSLが大ブレークして、特定の土地が大きな付加価値を産み、様々な思い入れが積み上がって、RLと競合する存在になろうとしているというサインと見ていいでしょう。
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