お傘をありがとう

Sophiee Winkler

2009年12月02日 13:05




先日リンデンラボがXStreetの出品料と手数料を有料化するという発表をして以来、他の類似のサービスを行なうVirtual Goodsの通販業者は大忙しです。出品者が大挙して乗り換えを行なっているからです。業者というのは例えばSlapt.meとかmetaLIFE ですね。

Alphaville Heraldの記者がその経営者の一人、metaLIFEのRobbie Kiamaにインタビューしました。彼によればリンデンの発表以来しばらくの間は新規入会者への対応のために寝る間もなくて、ほとんど死にそうになったそうです。デモを見せたり、質問に答えたり、Vendor(出品用マシン)の取り扱い方の確認とか常時10本のIMが来りで手間が掛かるのです。

でもそのお蔭でユーザーは33%増え、Vendors(出品用マシン)は2倍以上になり、過去24時間でGrid全体では1,200のVendorsが新たに出現したそうです。また、取り扱い商品数も倍以上になって、インタビューの時点(28日)には17,536になったそうです。

metaLIFEの経営者グループはすべてRLのリトアニアの出身で大学の同窓生が多いとか。様々な企業で働いていたけど、05年にはこの事業のアイデアを思いついて、08年から会社を辞めて100%このために働いているんですって。

この人達はリンデンラボやその関連企業の職員とは違ってまだあまり擦れていないので、記者の質問には幾らでも素直に答えてしまい、その記事の長さはA4で13ページにも上ります。コピーライトの侵害行為にどう対処するかなんて質問にまで答えているので、長くなってしまったのです。詳しい内容は明日以降。私が知らなかったこともいっぱい含まれていそうで楽しみです。

このようにある商品・サービスの大手の供給者が無料のものを有料化したり、現行の価格や手数料を値上げすると、そこに新規業者が参入したり、シェアを増やしたりする余地が生まれます。これをマーケティングの世界では「プライス・アンブレラ」効果と呼びます。弱小業者のために傘を差し掛けてあげているという意味ですね。

反対に大手が現行商品を半額以下くらいに一挙に値下げして、弱小業者を潰してしまうという戦略もあります。全部潰れたら、そのあと値上げするのですね。もちろんこれは独占禁止法に抵触する恐れがあるので、捜査や審査の対象とされる可能性はあります。
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