2014年01月28日
MagSLのサービス終了

遂に来るべきものが来てしまいました。MagSLが2月20日を以って全面的にサービスを終了するのです。私は2007年の7月からずっとお世話になって来ましたが、とうとう他のところに出て行かなくてはなりません。荷物もまとめないと。
昔は本当に多くの人がSIMに溢れていて、その中でもMagSLは規模、サービス内容からも中心的な存在でした。なぜSLが凋落してしまったかについては既に色々な分析がなされているので、今更私が云々する意味もないかと思います。
一言で言うと、リンデンラボは頑張っていたが、「手なり」でやっていた。つまり戦略やビジョンは最後までなかったということです。MagSLもそのリンデンラボの手の中でビジネスを作らざるを得なかったので、始めから限界のある中で挑戦を強いられていたということでしょう。でも新谷さんはよく頑張ったと思います。まあ、昼間は殆んど誰もいないようなものだし、何か画期的な創造が住民によって為されているわけでもないので、新谷さんもこれ以上SIMを維持していても初期のSLの理想の追求とは無関係の停滞が続くだけだと判断されたのでしょう。
そもそもSNS自体がどのように使えるのかがまだ分かっていないように思います。現在の使われ方というのはカスみたいなものだと思います。人が人とコミュニケーションをとるということの本質を私達はさらに深く考えて見る必要があるのではないでしょうか?難しくまた大きな問題なので私はまだ確信に至るほどの考えはありません。
21世紀になって益々エスカレーションを見せる情報化社会の一部として、ウェブやSNSをどのように使っていくべきなのか、それらの意味は何なのか?「行けば分かるさ」というアントニオ的立場もありますし、本質的にコントロールできないし、しようと思うのがおかしいのかもしれない。単なる暇つぶしでいいじゃないという人もいるでしょう。
電話というものが初めて出てきたときにも、それなりに悩んだ人もあったのですが、そんなものはもう跡形もないですね。便利だから使う。悪用する人もいる。もっといいものが出てきたら棄てる。確かに私達はもう狼煙は使っていないですね。
2014年01月15日
RLの裁き(2)

合衆国地方裁判所カリフォルニア北部地域オークランド支部は次のような和解契約書をとりまとめました。
原告:カール・エバンス、ドナルド・スペンサー、バレリー・スペンサー、ナオミ・ヘミングウェイ、個人としてまたその他同様の状況におかれ、傷つけられた彼等と利害を分かち合うあらゆる人々の代表として
被告:リンデン・リサーチ・インクおよびフィリップ・ローズデール個人
和解契約書および責務の解除:
(内容を掻い摘んで書くと)
この訴訟は2010年4月にフィラデルフィア東部地域裁判所に最初の提起がなされ、2011年4月には被告側により最初の反訴がなされ、2012年の2月と3月には原告と被告がそれぞれに訴えの変更を行いました。
この合意は昨年の5月末に為されたのですが、中身の確定に暇が掛ったので支払いはこれからということですね。
その後両者は様々な攻撃と防御を繰り返し、またカリフォルニアで両者は丸一日の話し合いの機会を持つなどして、ついに2013年5月に和解の合意に達しました。
(1) リンデンラボは原告に約US$24,000を払う
(2) リンランラボは原告に約L$43,300,000を相当するUS$で支払う
(3) リンデンラボは原告の土地1平米当りUS$2を払う
(4) リンデンラボは原告のヴァーチャルアイテムの対価として原告一人あたりUS$15を支払うか、原告の選択によりその代わりとしてそのアイテムをセカンドライフ・マーケットプレイスで販売することを認める。
以上はそれぞれリンデンラボにより原告等が奪われたアカウントに付属していたUS$,L$,土地、創作物に対する賠償になります。
これは集団訴訟ですから、原告以外にも同様の被害にあった人はそれを申し出ることにより、同じ賠償を受けることができます。まあ、日本にはない制度なので難しいですね。
で、和解の場合にいつも困るのは、私達訴訟外の者にとって、いったいリンデンラボの行為の何が不法不当で、裁判所は何を認め、何を認めなかったかが分からないことなんです。
例えば、リンデンラボが土地を勝手に没収した行為の何が、何に基づいて誤っていたのかは分からないのですね。恐らく法廷では「土地の売買という名目で対価を取っておきながら、その土地を勝手に没収するのは財産権の侵害だ。また管理料をもらっていながら没収した土地の管理をしていないからその部分は不当利得だ。」という原告の主張に対し、「バーチャルランドは財産権とは認められない。TOSでは規約に違反した行為があった場合には土地を没収されることに合意しているはずだ。」等というやり取りがあっても分からないし、裁判所がどのように判定したのかも分からないのです。
リンデンラボは和解によって、それまでの請求からは解放されます。これが「責務の解除」の意味ですね。でも和解契約のなかで裁判所は、この和解を知らない人にはこの効力はおよばず、権利主張の機会を失うことはないと宣言しています。でも、この和解が一応のガイドラインになるので、これを何倍も上回る法外な賠償請求をするというのは難しくなるでしょう。
余談ですが、本件の対象となった土地の広さは275,872Km2でした。またリンデンラボは各自のPaypalアカウントに賠償金を支払いますが、L$をUS$に直して払う場合には手数料を取るなんていうセコいことをしてはいけませんなんていうことも書かれています。
この合意は去年の5月ごろ為されましたが、中身や原告の確定に暇がかかったので、実際の支払いは今頃になったのでしょうか?
2014年01月13日
RLの裁き

しばらくリンデンを巡る動きから目を逸らしていたので気が付かなかったのですが、昨年からリンデンラボに対して訴訟が起こされていて、その結果リンデンが実質的には敗訴して、最近賠償金を支払い始めたようなのです。
原告はSLのユーザーで、リンデンラボが色んな理屈をつけて、あるいは理屈もなしに没収したSimや返還しなかった管理料、ユーザーの持っていたリンデンドル、あるいは失われてしまったSL内での創造物に相当するお金を払えというもので、原告は複数いるので集団訴訟の形をとりました。
どうも最終的には和解したらしいのですが、まだ和解判決文も手に入れていないので、はっきりしたことは分かりません。
ポイントはリンデンラボの主張するTOS(サービス規約)が不当にユーザーの権利侵害をしていると認められたのか否かですね。リンデンラボはTOSですべてのSL内の創造物は、誰が創ろうとリンデンラボが所有権を有すると定めています。昔はそんなことは言っていなかったのに、何年か前にこのような業突く張りの項目をTOS改訂の際に忍び込ませたのでした。
そして、全部リンデンのものなのだから、どんなものでも何時でも好きなだけリンデンが利用し(パクリ)、また消滅させることができるとしていたのでした。また、「販売」した土地はいつでも対価なしに没収できるとしていました。実際に多くの人が全く理由なしに、あるいはこじつけの理由で土地やその上にあった創造物や、あるいはアバターの持物やアバターの運用権を取り上げられました。
しかし、これらのものはユーザーがRLのお金を払って手に入れたり、作ったりしたものです。これを一方的に取り上げるのはSLの中だけではなく、RLでの財産権の侵害になるというのが原告の主張です。その通りですね。
詳しいことはこれから調べたいと思いますが、いよいよリンデンの封建領主的な好き勝手放題にRLの司法のメスが入った訳です。リンデンラボはRLでサービスを供給しお金を稼いでいます。従って仮にTOSにどのように定めてあっても、ユーザーに一方的に不利な事柄を押しつけるものであれば、そんな契約は無効なのです。これはRLのごく普通の法的常識です。その当りまえの理屈をリンデンラボは長年にわたり無視し続けてきたのでした。
こんな大きなイシューなのに私は見逃していました。まあ、私には何の関係もないだろうし(多分)。もうみんな知っているのでしょうね。リンデンのブログなんかにも書いてあるのでしょうか?
Posted by Sophiee Winkler at
22:49
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2014年01月12日
SLのSimの現状

SLのPrivate Simの数については先日分かったわけですが、リンデンラボの所有するMain Land も含めた数はどうなっているのでしょうか? アメリカにはまだまだSLに関心のある人がいて、1月8日現在のSimの数と面積をレポートしてくれています。
General Moderate Adult Offline TTL Km2
Linden 所有 1,622 5,018 346 0 6,986 458
Private 1,956 13,251 4,032 6 19,245 1,261
TTL 3,578 18,269 4,078 6 26,231 1,719
Gneral と Moderate の差は何だったか忘れてしまいました。まあ、私達の通常の日常生活に近いのがModerateで、保護者同伴の遊園地みたいなのがGeneralですね。
さて、スナップショットはリンデンラボの土地とは何の関係もなり私の作ったアバターの顔のドアップです。私も作ろうと思えばこんなにツヤツヤの顔のアバターがつくれるということですが、まあ、これをやると個性というか味がない、どこにでもある印象になってしまいます。
鼻のところがデコボコしているのはポリゴンの処理がうまくいっていないのでしょうか?私のせいではありません。SLのアバターはみんなこんな具合ですね。
2014年01月10日
最近の神様

昔-Game God と呼ばれていた人物、つまりゲームの創造主ということですが、もう忘れられてしまったでしょうか?
そう、Rosedale ですね。First NameがPhilipであることを思い出すのにちょっと暇がかかりました。さて、彼はどうなっているのでしょうか?
昨年の11月の時点では彼はPhilip Linden という名前を取り上げられました。もうリンデンラボの一員ではないということです。代わりにSLのなかで苗字をRosedale と名乗ることのできる唯一の人になりました。名前がRosedale というアバターは10人ほどいるんですけどね。まあ、SLの中で遊ぶのは一般人として別に構わないわけです。
Rosedaleは仲間とともにHighFidelity (高い忠誠)という名のプラットフォームを立ち上げました。まあ殆んどSLと同じコードでできているのでしょう。今はそこを魅力あるものに作り上げていることに意義を見出しているようです。
RosedaleはBurn2と呼ばれるSIMでインタビューを受けて、そこで今までのこと、今後のことを語っています。YouTubeでUPされているので、捜してみて下さい。その中でかれはかつて必死でユーザーの減少を食い止めるためにおこなった活動を「気が狂っていたみたいだった。」と語り、また10年後もSLをはじめとするVirtual Worldは続いているが、それは随分変わっているはずだとも語っています。
ウェアラブル、ポータブルな端末の発達については、ジャイロが仕込まれているから、SL内のアバターの動きもマウスとは違って更に3次元的に動くようになるのではと予想しています。
長いインタビューなので改めて訳して見ることにします。もう変な気負いもなく、商業上のあるいは政治的な配慮もない自由な語り口の中に、彼の本当の姿が滲み出ている感じがします。年をとってちょっと声に張りがなくなったのが残念ですね。
2014年01月09日
SIM の減少の実態

久しぶりにHerald の記事を覗いてみたら、それなりに重要なことが載っていました。まあ、みなさんもうご存知なのかもしれませんが、知らない人もいるかもしれないので書いておきます。
SLのPrivate Sim,つまりリンデンが所有しているMain Landでななくて、個人がリンデンに管理料払って使用しているSIMのことですが、これは2009年には22,699個ありました。そして2010年には24,033に増え、2011年には遂に24,843と25,000個にあと一歩と迫ったのでした。
しかし、これがSLのピークであり、それ以降はもの凄い勢いで契約者は減少して行きました。2014年11月には19,756にまで減ってしまったのです。今までは住人が減ったとか言って騒いでいたのですが、これはリンデンラボの収入が減ることであり、本当の意味で退潮が顕在化したのです。
こうなることは誰にもわかっていたし、当然の結果です。何故ならリンデンラボはユーザーを個別に捉えることをせず、古いユーザーに不利なことを平気で繰り返し、新しいユーザーが入ってくればいいという考え方に立っていたからです。SL内の個人経営の店舗と競合するようなSecondlife Marketplaceからの利益を追求しました。結果としてわざわざ高いSL内の土地を借りて店舗経営をする人は減り、ウェブ上に店を構える人が増えたからです。店舗の減ったSIMには魅力なんかありません。
今の利用者の関心は、一体どこまで減ったらリンデンラボはSLを閉鎖するかということです。ある日突然、あなたのL$が使えなくなり、US$とも交換できなくなる。SLのオーナーがいつの間にか中国の成金資本家になっていたなんて、もう笑い話ではなくなりつつあるのです。
2014年01月09日
最近のSL

明けましておめでとうございます。
年末は30日まで働いていて、今月も4日には仕事していたので、あまりお正月気分は味わえませんでした。SLの方はスキンとシェイプづくりをチョコチョコと。
SLは今どんな状態なんでしょうか?SLに興味を持っている人は明らかに減っているのでしょうが、それを数字で裏付ける情報はありません。SLに関するブログを書いている人はやはり少なくて、最近始めた人が頑張っているのでしょうね。
でも、リンデンラボはそれなりに頑張っていて、何とかSLを盛り上げようとしていることは感じられます。ただ古い住民はもうそういうものに感動しなくなっているので、その努力は幾分空回りしているのかもしれませんが、それはリンデンラボのせいではないでしょう。
Facebook やTwitter といったSNS自体が伸びが止まりつつあるので、それらよりはるかにユーザー側の負担が多いSLが伸びるというのは無理なんでしょうね。タブレットでできるようになれば多少盛り返す可能性はあると思います。

私は今はアバターのシェイプとスキンをひたすら改善することだけをSLの活動内容にしてしまっています。細切れに自分の好きな時間でやれることといったら、そういうことになってしまいました。
ただ、もう8年目になるので、さすがにアバターは自分の好きなように作れるようになってきました。勿論この道を極めたわけではありません。改善すべき点は幾らでもあります。しかし、自分の感性に従って好きなように作っていけるという点では、まだSLに魅力を感じています。
今更なんですが、SLのアバターの造形は本当によくできていますね。様々な個性のアバターがつくれるし、肌だってこんなに綺麗にできます。もっと時間とお金を使って装備や技量を向上させれば、更に素敵なものがつくれることは間違いありません。他の人の評価は別にして、自分の好みの方向に突きぬけているという実感はあります。RLと同じで技芸の道は上には上があり、終わることがないのです。
まあ、人は様々にSLと係わりあえるのであって、私のようにSNSの側面を削ぎ落してしまっているというのもありなのでしょう。