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プロフィール
Sophiee Winkler
Sophiee Winkler
2007年6月生まれ。MagSLの原宿に住んでて、HARAJUKU PLACE というお店をやってます。景観商品とか小物が中心です。最近はスキンとシェイプに凝っています。
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2012年11月18日

ジュースの収穫



さて、積み残しのリンデンラボの幹部ですね。人事とマーケティングの女性VP達が残っていました。

Lori Medeirosは人事部門のVPで、人材を募集し、彼等が気分良く働ける条件を整え、創造的な文化を維持していく責任があります。

リンデンラボに入る前にはLeapFrog Enterprise の人事のディレクターで採用を担当していました。キャリアの初期では彼女はアクセンチュアに勤めていてビジネスプロセスのデザインについてのコンサルティングを担当していましたが、そのご900人を超すコンサルティングのプロフェッショナル達の長期キャリアの設計ややスタッフィングを担当しました。Loriはノートルダム大学でMBAをとり、別の大学で会計学の学士号も持っています。

Lee Senderov は10年以上のオンライン・マーケティングと電子商取引の経験を有し、2012年7月にマーケティングのVPとしてリンデンラボに入社しました。

それ以前は彼女はBecome.comでUS Comparison Shopping and Online Marketing 担当のVPをやっており、また家財道具や装飾を専門に扱うe-コマースのコングロマリットであるBroadspan Commerceの経営にも携わっていた。

2006年にはNaked Juice Company の東海岸のオペレーションのマーケティング活動を統括していましたが、最終的にそのビジネスはペプシコに譲渡されました。

彼女はHarvard Business School のMBA ホールダーであり、大学では歴史、フランス語、スペイン語、イタリア語を専攻していました。

さて、リンデンの幹部の陣容は大分変わりましたね。創立当初はGrid を生み出した技術者を中心にして、ITやゲーム業界とは必ずしも関係のない業界の人事、財務、マーケティングの人材を幹部に迎えていました。そこにベンチャーキャピタルによる投資が行われ、会社の価値の増大を第一に考える人々が主導権を握ることになりました。この段階では会社の経営と技術の開発に必ずしも統一的な方針があって、それに従った運営がなされたということはなかったのです。

次にいよいよ本物の会社経営の時代が到来し、創業者のRosedale は棚上げにされ、ウェブやPCゲームの業界、ウェブ通販を経験しているマネジャーを幹部に据えたのでした。つまり「SLはゲームじゃない、プラットフォームなんだ。」という根源的な主張ともいよいよおさらばということですね。創造やイマジネーション、趣味と芸術といった世界から娯楽や射幸へと大きく舵を切ろうとしていると、私には思えます。ご心配なく。エロは生き残ったようですよ。

もっとおいしい100%の生ジュースが飲みたい! というのがリンデンラボの株主の願いなのです。
  

Posted by Sophiee Winkler at 21:08Comments(0)ビジネス

2012年11月13日

重武装したぞ!



Dwell on it にリンデンラボの幹部の名前と簡単な履歴が載せてありました。今まではトップの3人くらいしか公表されていなかったので、Tateru Nino がリンデンラボに取材したのですね。

Rod Humble, CEO
Malcolm Dunne, CFO
Lisa Berry, General Counsel
Don Laabs, Senior Director of Product
John Laurence, Senior Director of Product
Lori Medeiros, VP of Human Resources
Jeff Peterson, VP of Engineering
Lee Senderov, VP of Marketing

Malcolm Dunne は財務の最高責任者で、先ごろ前任者が辞任したので就任してからあまり時間は経っていません。彼は双方向型のアミューズメント産業に15年勤めていました。公認会計士です。会社はトライオン・ワールドというところで幹部を務めていました。ビデオゲームの会社です。詳しいことはこちら。http://trionworlds.com/en/

トライオンにいた3年半の間に450人の会社の売り上げを1億ドル以上にするのに貢献しました。Capcom やElectronic Arts でも働いていました。ゲーム産業界の凄腕経営者ですね。

Don Laabsは、やはりゲームの業界で20年以上の経験を持つベテランの技術者です。Electronic Arts、MindscapeおよびSoftwareToolworksでビデオゲーム製造の上級製造担当重役を勤めていました。もうくたびれちゃっているかも。

彼の作ったもののうち有名なゲームとしては、「マリオのタイムマシン」、「生と死」、「Sims 2」、「Sims 3」、「Chessmaster(2100-7000)」、「Miracle Piano Teaching System」、「Wing Commander (SNES)」等があります。元々はHewlett-Packard で電磁波の研究をしていました。カリフォルニア大学バークレー校でエレクトロニック・エンジニアリングとコンピュータサイエンスを専攻していました。

John LaurenceはSONY に8年間勤めていました。台湾SONY でゲームスタジオの責任者に任じられていました。リンデンラボとその他の会社で10年に亘るマネジャーの経験があります。双方向のエンターテイメント業界に入る前にはPricewaterhouse Coopersで経営コンサルタントをしていました。標準北京漢話の遣い手です。コンピュータ・サイエンスの学位を持っています。

と、ここまで書いて、何かすごい重武装軍団じゃないかと思いますね。読者もなんだか興奮しています。いよいよリンデンラボが本気で経営し、本気でプロダクト開発に取り組むシフトを敷いたのだと期待し、喜んでいるのです。

続きはまた。  

Posted by Sophiee Winkler at 23:39Comments(0)ビジネス

2012年11月11日

ウサギと馬の戦い(2)



去年の8月ごろこのブログでお伝えした「ウサギと馬の戦い」について最新の情報がDwell on it に載っていました。

どんなものだったかというと、SLのなかでペットを飼育してそれを販売するというゲームです。毛並みの違う個体が生まれたら高い値段で転売できるというマーケットがあるという幻想に基づいて、飼い主は牧場や農場を経営して、水場や餌や繁殖の用意に投資して時間の経過を待つというものです。このウサギの飼育ビジネスと馬の飼育ビジネスの経営者がお互いに自分の権利が侵害されたと訴えているのですね。

このモデルの原形はCion Chicken という卵と鶏の飼育のビジネスです。鶏を生かしていくためにはある程度の土地と餌をやる必要があり、それはCion 研究所から買うことになります。とても沢山の人がこの市場に参入して血眼になって変わった模様の卵を手に入れようとしていました。

でも、そんな卵は食べられるわけでもないし、売れるから価値があるのであって、持ち主がそれを保有していることのメリットはほとんどないのです。中国人が美術品の国際オークションで価値が分からないのに、人が高い値段をつけたものを横取りして、落札した後転売できないで困っているというのに似ていますね。(中国人の場合は転売先がないとお金を払わないので、今ではお出入り禁止になっています。)

本件はもともとはウサギのOzimals が馬を訴えたのです。でも、パクられたというBreeding Program はOzimals がソフト制作者から非排他的なライセンスを買ったもので、製作者はその後同じものをAmaretto Ranch Breedablesにライセンスして彼等がそれを利用して馬のビジネスができるようにしたのです。この点でOzimalsは馬ビジネスを差し止めることはできませんでした。

実際にお話しはもっと込み入っていて、プログラムの作成者は3人いて、2人まではOzimals に権利を売っているが、もう1人はそうでなかったのです。最後の権利者はテキサス州の裁判所にOzimalsを相手にそれを訴えて認められています。

で、残りの争点に関して裁判の結果次のような中間時点でのカリフォルニア州北部裁判所の命令が出たのです。

今回の命令では原告(訴えた方)はAmaretto Ranch Breedables で、これは馬です。それから被告はOzimals Inc.Et.Al. で、こちらがウサギです。馬の方がOzimalsがそのコピーライトを誤って利用しているというものですね。でも、これって何がいいたいのか?救済命令を求めるのであれば、何かが侵害されているということを示さないとダメではないかと思うのですが、自分が被害を被ってなくても、原告の行為によって危険性が増す場合はかまわないという判例があるというのがAmarettoの主張です。とてもややこしいです。

最終的に下った命令の中身は、「被告による原告の請求の根拠がないという主張は十分な根拠を持たない、しかし原告の訴えによって守られると主張されている法益も確固たるものでないため、被告の活動を差し止めるという判断は得られない。」つまり、原告の主張は保護の対象にはならないというものでした。

馬の勝ちそこないという結果ですね。でも、結局オリジナルの概念はCion Chikenなので、両者とも図々しいのではないかというのが私の見解ですが、争点はビジネスモデルではなくて、動物が増殖していくプログラムの所有権とライセンスを巡るものなのでした。

私のサマリーでは何か釈然としないので英文で命令を読みたいというかたはこちら。

http://media.taterunino.net/C-10-5696CRB.pdf
  

Posted by Sophiee Winkler at 12:20Comments(0)ビジネス

2012年11月01日

火星を買った人



私だけが知らなかったのでしょうが、Blue Mars Grid が2月にRLの大学に買収されていました。買ったのはインディアナ州のBall State University で、そこにあるInstitute for Digital Intermedia Arts という研究所がそのGrid の中で音楽とか映像芸術のDigital 表現を研究するのです。

正確にいうと、Grid を買ったというよりも、Grid を自由に使い、そこで開発した様々なコンテンツを大学研究所の資産として所有し、また使用する排他的な権利を買ったということでしょう。でも今のところ商業目的ではないのだそうです。まあ、学生さんの教育や研究用ですね。SLでそれをやってもリンデンラボが全てのコンテンツの所有権を主張するし、Griefer は居るし、安定性は低いし、コンテンツは盗まれるし、本気でやりたい人達にとっては使いにくいということでしょう。

Ball State University は2009年以来Blue Mars Gridを教育研究用に使ってきて、これは結構いけるじゃないかと思ったのでした。Blue Marsの創業者はAvatar Reality Inc.でこれは創業には日本人も何人か関与している、ハワイに本社を置く仮想世界開発を目的とする会社です。今後もBlue Mars には10人ほどのスタッフを残してサポートするようですね。

Ball State University というのは百年以上前に地元の事業家であるBall 兄弟が大金をはたいて設立した大学で、最初は産業や教育のための指導者養成を目的としていたそうです。

何か、SLと比べてこっちが本筋なんでしょうか?知らないことはいっぱいありますね。
以上の情報はDwell on it のふる~い記事からでした。2/26です。

でもね、Blue Marsに対しても文句を言っているユーザーは少なくないのです。SLの悪いところはちゃんと受け継いでいるとか、3D仮想世界に対する本質的な理解が足りないとか。本当のところは自分でログインして体感するしかなさそうです。

ハッカーのTizzards Foxchase がBlue MarsからSLに戻ってきたのも上のような事情があるのかもしれません。確かに彼にはSLの方が似合っていますね。

Blue Mars に興味のある方はこちら
http://www.bluemars.com/

Ball State Universityはこちらです。
http://cms.bsu.edu/
  

Posted by Sophiee Winkler at 00:21Comments(0)ビジネス