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Sophiee Winkler
Sophiee Winkler
2007年6月生まれ。MagSLの原宿に住んでて、HARAJUKU PLACE というお店をやってます。景観商品とか小物が中心です。最近はスキンとシェイプに凝っています。
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2009年02月27日

謎の解明(その4)



Andrew LindenやSimon LindenとProkovy Neva他の住民とのチャットの続きです。

Andrew:「僕たちはずっとDwellを取り除くことを提案してきたんだ。そうすればキャンプをするBotsの幾らかは減らせるだろう。」
Cronon: 「やろうと思えばBotsにIQテストをさせることはできるよね。」

(ソフィー注:キャンプの切り替え時に簡単な問題を出してBotsは応えられないのでキャンピングを続けられないという仕組みですね。)

Neva:  「ねえAndrew、Botsの活動の90%は役に立たなくて、人を悩ませるものなんだ。Gridのリソースが消費されて、アバターのスペースが失われるんだ。Botsが役に立つと思う奴は金を払うべきだね。」

Andrew: 「でも(マップ上の)緑の点の効果というものはBotsを有効にしている部分だね。」
Flora:  「Dwellなんて古臭いわ。Botsに取って代わられたんでしょ?」
Neva:  「違うね、それは顔が気に入らないからといって鼻をそぎ落とすようなものさ。Trafficは完璧で有用な計測システムで、In-worldの商売のエンジンでもあるんだ。Trafficには長所がある。それは場所の有用性を示す公的な指標だ。しかし、あんたはBotsを使ってトラフィック稼ぎをすることをサービス条項違反にするか、それに加えてBotsにラベルを貼って金を取らないといけない。」

Andrew: 「確かにね。では仮に僕達がもうDwellのデーターをコンパイルしたり、保存したりするのを止めたとすると、Botsサービスの会社の幾つかはそれを作った者たちによって取り払われてしまうだろうね。」
     「でも、マップの上にグリーンの点を雲のように表示させるということに固執している人もいるよね。」
Spitteler:「Trafficは統計としてはいびつだよ。考え直す必要がある。」
Andrew: 「そのBotsに対するニーズというのをどうやって取り除くんだい?」

Radek: 「Botsって一種類だけじゃないよね。」
Simon: 「Botsについて言い分はわかったよ。でもリンデンラボで耳にする議論のほとんどはdwell とTrafficの使い方を変えようというもので、Botsと闘うなんていうものはないね。」

Radek: 「Botsの中には車を運転したり、プリムを動かしたりできるものがあるよ。」
Andrew: 「そうだね、一種類だけではない。あるものは凄く愚かだから、探知するのはとても容易に違いない。」
Spitteler:「ユーザーの中には無口な奴も多くて、そのままでBotsで通用するね。」

冗談のつもりだったのですが、誰も笑わなかったので、滑ったということに……。 会話が噛み合っていないような印象がありますが、Prokoby NevaはほとんどAndrew以外の人の話は無視していて、Andrewだけに話かけているようです。だから益々ログが解釈しづらくなっていますが、今日になって始めてこのことに気が付きました。

Nevaは「Botsが有用だという奴は金を払え」といっていますが、Botsって土地のオーナーが自分で設置する場合が多いので、お金を払う先がありませんね。自分で自分のリソースを使っているんですからね。キャンプしているBotsについてはお金を貰うためにやっているんでから、これまたお金を払うはずはないし。Botsを見つけたらリンデンラボがお金を徴収するということも、通常フリーアカウントでしょうから実効性がありません。要するに無茶苦茶言っているのですが、Andrewは辛抱強く相手になっていますね。

  

Posted by Sophiee Winkler at 13:19Comments(0)ビジネス

2009年02月26日

謎の解明(その3)



Prokoby Neva やAndrew Lindenが話している会話のなかに“Dwell”という単語が出てきます。これって何でしょう?文脈からBotsではないと思うけど、よく分かりません。そこで分からないことは忘れないうちにすぐ調べるという方針に従って、ネットやブログを散策。その結果次のようなことが朧気ながら分かってきました。

DwellというのはどうやらTrafficと同義らしくて、最初に登場したときはDwell(滞留)と呼ばれていたんですね。Dwell Systemは06年の春には廃止されたということで、何と私の生まれる前からあった制度だったんです。

リンデンラボは土地のオーナーやクリエータ達が面白い場所やイベント、アミューズメント施設を建設、公開するのを奨励するために、Dwellと呼ばれるシステムを作っていました。それは土地毎にアバターがどれくらい滞留したかを目安として土地の持ち主やグループに奨励金を支払うという仕組みでした。

でもこういうことをすると、当然実際に面白いものを作らなくても別アカというかBotsを沢山作ってそこに配置しておけばポイントは稼げるわけです。実際に06年の3月には数百万L$が支払われたということで、さすがにRosedaleもこの制度を廃止することを決めました。

しかし、土地の人気度を示す指標としてDwellはTrafficとして生き残り、検索結果で表示されることで住民に活用されてきたのでした。だからTrafficという指標は誕生当事からBotsとも深い関係にあったわけですね。

次の疑問は、ではTrafficはどうやって計算しているかですね。以上について私が読んでいるのは06年の古いブログの記事です。だからTrafficの測定メカニズムは今では変更されているかもしれません。でも少なくとも昔はこうだったということで、書いておきましょう。

まず、アバターは(それがBotsであっても)1日あたり1Traffic Point を持っています。Trafficの測定には少なくともアバターが同じパーセル内に5分以上滞留していなければなりません。だから例えばログインしてすぐにTPし、色んな場所で5分以下のウィンドウショッピングを繰り返してログアウトしてしまうと、そのアバターはどの場所にもTraffic Pointを与えなかったことになります。

次の日、アバターが自宅で8時間過ごし、夜コンサート会場に出かけて2時間楽しんだとすると、自宅には0.8ポイントの、コンサート会場には0.2ポイントのTrafficが計上されます。仮に自宅で過ごした時間が3時間だったとすると、自宅には0.6ポイント、コンサート会場には0.4ポイントが与えられます。つまり実際の滞留時間ではなくて、5分を超える滞留時間の「割合」によってポイントが割り振られる訳です。

まあ今までトラフィックがどうのこうのと言っていた私ですが、こんな基礎的なことを知らずにいたんですね。もう一般的な知識で一々ここに書くことではないのかもしれません。

大量のBotsを作ってモールの上空のスカイボックス等に設置しておけばTrafficを何十万というような単位にすることが可能です。よくほとんどモノがないし、お客もいない店なのにやたら重たくて動き辛いという場所がありますが、それがこれですね。ある店がこれをやり出すと、それに対抗して商売仇も同じことをやって、Botsの数はどんどんエスカレートしていきます。これを「軍拡競争(Arms Race)」と呼びます。

Dwell時代には人為的な調整が行われたようですが、それも一時的なもので結局は機械的にすべてを計測するTrafficシステムになっていったようです。Trafficの計測も実際にはさらに細かい約束があるようですが、それはもっと最近の資料を見つけてお示ししないと意味がないですね。以上の記述は私が今の時点で分かっていることを基にしているので、かならずしも100%正しいとは言えないし、勘違いも含んでいるかもしれません。

さて、Dwell にしてもTrafficにしてもアバターの何かを検出して動くスクリプトがあるわけですから、そのロジックが分かっていればアバターの代わりに同じような特徴を有するプリムを置いておくだけで、Botsと同じ機能を果たしてくれるものをつくれます。

1年ほど前には確かそのようなトラフィック水増しサービスや、そのためのBots(または特殊プリム)派遣業があって広告をしていました。今はあまり大っぴらには広告していないようですが、それは必ずしもそのようなサービスがなくなったというわけではないでしょう。

そもそも特定の地域にアバターが一杯いるように見せかける方法には幾つかあって、一つはトラフィックを稼ぐことだし、もう一つはMap上に緑の点を一杯集めることですね。Botsはその両方の機能を同時に果たすので重宝されているわけです。スカルプ製の人形を置いておくという手もありますが、これはどちらかというと飾りの一種で、トラフィックが増えたりマップ上で表示されるのではありません。

今、Botsを禁止したり、トラフィックの表示そのものを辞めてしまうとどういう影響があるのでしょうか?どちらも自分のRegionを商売上有利にしようという企みですから、それが禁止されればビジネスのオーナーはクラシファイド広告やパーセルをDirectoryに載せる方向に行くでしょう。それは結局はリンデンラボの収入が増えるということに他なりません。

こんなことを考えながら、もっと問題の構造がクリアに分かるようなヒントはないものかとNevaやAndrew Lindenのチャット記録を読んでいます。

P.S.
というようにいい加減なことを書いていますが、Secondlife Wikiにちゃんと載っていたのでした。それによると、やはり06年にシステムは変えられて、5分以上という制限はなくなり、パーセル上のすべてのアバターを分単位で計測することになっています。それから対象はアバターとBotを区別しないとも書いてあります。まあ、区別できないのですが。

メインランドでは一般的にアバターの限度は40で、トラフィックは57,600以上に上がることはありません。念のため計算すると60分×24時間×40人=57,600ですね。一方普通のSimでは100アバターで限度は144,000になります。

ところが実際にアバターや別アカを使って実験した人がいて、必ずしもこの計算にぴったりの結果は出てこないと述べています。Wikiにはそのことも載っていて、その投稿が載っているブログに飛ぶことができます。  

Posted by Sophiee Winkler at 13:56Comments(0)ビジネス

2009年02月25日

謎の解明(その2)



訳してみるとは言ったものの、複数の人がチャットで話しているログというのはエッセイなんかよりよほど難しいものです。その瞬間のちょっとした言い回しや、断片的な表現は当事者には分かっても、そこにいなかったものには解釈しづらい箇所が多くあります。関係のない別の人の会話を拾ったり、茶々を入れる人の言いっ放しの発言なんか。まあ、分かる範囲で頑張ってみるということで……。Regionを重くしている原因は色々ありますね、スクリプトとか、プリムとか、アバターとか。それでお話はBotsに行き着くんです。ProkovyがAndrew Lindenに尋ねています。

「Bots とアバターをマップ上で別の色で表現してもらえないかな?いい加減このゾンビどもの無意味さには嫌気がさしているんだ。もちろんあんたには出来るよな。自動化されたログオンルーティンで動いているんだからさ。いつやってくれるの?」

Andrewは最初この質問には取り合わず、他の人のマップ表示そのものの質問に答えていましたが、他の人もBotsには関心があるらしく、Kitto Floraという人がこんなことを言い出します。

「Baloo、あんた自分のSimの具合が悪いってブツブツ言っているけど、サービス条項違反をやってBotsを一杯動かしているんじゃないの? それから、リンデンラボだってBotsによってお金儲けしてるんじゃない?そんなに多くはないにしても。」

Andrew:「ふーむ、Botsの探索っていうのはちょっと興味あるテーマだね。」
Arawn: 「Botって程度問題でしょ。」
Neva:  「AndrewにはBotsの問題には、もっと関心をもってもらいたいな。」
Bode:  「トラフィックがもしスクリプトを含んだプリムによって計算されているなら、Botsは関係ないよね。」
Andrew:「僕はBotsを見つけることには関心があるんだが、見つけてそれをどうするのかということは分からないね。」
Neva:  「Infohub置いているのも全くバカバカしいな。着いて見たら回りはアホみたいに突っ立っているBotsだらけで、それが分からない奴等はBotsに話しかけたりしている。最近はBotsをファッションモデルにするのが流行らしいが、いつでもそうだと分かるわけじゃない。俺は『金欲しくないか?』って話しかけてみるんだ。Botsだと応えないからな。」

Andrew: 「Botsの取り締まりを始めるということになると、軍拡競争になるだろう。そうなって僕ら(リンデンラボ)が追いついていけるかどうかは疑わしいね。」
Bode:  「Botsの90%はトラフィックの数字をインチキをして叩き出すためなんだから、トラフィックの数字を取るのをやめれば、Botsは問題じゃなくなるだろう。」
Andrew: 「でももしBotsを探索することができれば、それがなぜそんなに使われているのかという理由も明らかになって、その原因を取り去ることで対処できると思うね。」
Flora:  「私はBotsなんか気にならないわ。気にする住民もいると思うけど。」

何となくお話が噛み合っていませんが、これが現実のチャットですね。考えながら取り合えず話すので、全体として後から見ると脈絡がついているとは言えないわけです。もう少し纏まった部分を探してみましょう。何せ30ページ以上あるので。

リンデンがBotsによってお金儲けしているってどういう意味でしょうね?Bots派遣業とか?まさかリンデンラボがBotsを沢山動かしてキャンプやって稼いでいるとは思いませんが。
  

Posted by Sophiee Winkler at 13:45Comments(0)

2009年02月24日

謎の解明(その1)



Andrew Lindenという人はリンデンラボの創業当時からのメンバーで社員番号1番です。でも技術的な裏方に徹していてあまり目立ってはこなかったですね。黙々と仕事をこなしていくタイプなんでしょう。ところがこんな人に対しても例の拗ね者ブロガーのProkovy Nevaは噛み付いていくんです。

「前々から奴には面白いところがあると思っていた、ちょっと暗いけどね。それは多分ソースコードの洞窟にこもっていて、表に出て政治的な問題をディスカッションしたり、ブログなんかで一体リンデンラボはどれくらい儲けているのかなんて俺達と話をしたりすることがなかったからだろう。

一度意味も無く不愉快な振る舞いをされたことがあったので、俺は奴を俺の『敵のリスト』に入れたんだ。だがあとで謝ってきたのでそこから外してやった。だから全体として見ればいい奴なんだ。

奴は全ての死体がどこに埋まっているか知っているし、全てのスイッチの場所も知っている。もし奴が辞めてしまうことになったりすると、俺は組織の記憶が失われてしまうことが、そして何よりもSLへのコミットメントというものが無くならないかと心配だ。Andrewは夜通し起きていて、バグや不具合を直している何人かのうちの一人なんだ。」

思わず笑ってしまうNevaらしいコメントです。独りよがりでお節介、でも面白い。全ての死体云々は表面的な意味としては「何から何まで知っている」ということですが、リンデンラボを辞めていった個々の人が躓いた場所や理由を知っているということで、念頭には具体的な人物や過去の経緯の認識があるわけです。一方スイッチというのは「物事をうまく運んでいくコツ」を意味していますね。

「ということで奴等に定まった就業時間というものがあるのか?もちろんあるに決まっているが、いつだって奴等は疲れてフラフラしていて、オタクそのものといった様子だ。

そもそもコード屋という人種は物事はなんでも自分達で解決できると夢想しているんだ。たとえ問題が奴等の担当部署や専門領域を超えた社会的、経済的なものだとしてもね。というのはもし全てがコード化されていれば、全ては理解できるし自分達で決定できると思い込んでいるからだ。だが失礼ながら俺は見解を異にさせて戴くね。それで時々現れては、本当のことを教えてやっているというわけだ。

今日の話というのはとっても重要で、Bots とトラフィックをどう考えるかというテーマなんだ。Andrewは最終的には知的で思慮深いアプローチを示したし、一方Simon Lindenはリンデンの技術屋が反射的に取る姿勢、つまりトラフィックは悪で、Botsは善で、トラフィックの記録なんか止めちまえという反応を示したね。リンデンラボの中ではもう議論を辞めてしまったこの問題を俺も含めた3人がどう論じるかというのがポイントなんだ。」

裏事情や本音が出てきそうで楽しみな感じはありますね。そして何よりも、昨日の記事で私が「ミステリー」だと表現したBotsに対するリンデンの態度の真相が明らかになるのかどうかがとても気になります。中身はまた明日。出所は言わずと知れたSecond Thougts の2月17日の記事です。英語で直接に読みたい人はすぐ出てくるので自分で探してね、長いけど。
  

Posted by Sophiee Winkler at 13:18Comments(0)ビジネス

2009年02月23日

ミステリー



Massivelyによれば、リンデンラボが許可しているViewerのThird Party による開発と配布について問題が生じています。何人ものユーザーからの報告で1,2のThird Partyがライセンス契約に定められていないSource Codeの配布を行っているということです。Source Codeの付与はリンデンラボだけに限られた権能で、Third Partyには禁じられています。

リンデンラボは非公式ですが、住民が同様の事態を発見した場合にその旨をリンデンラボに通知することは歓迎されるだろうということです。

でも、そんなことはリンデンラボが自分で調べればすぐ分りそうなことですけどね。すでに何社かは判明しているわけだから、おとり捜査というか、自分たちのアバターなりエージェントでコンタクトすれば証拠も手に出来るはずです。

また、現在のOpenSim(Open Grid)の増殖ということ自体、リンデンラボのプロパティをコピーしたり盗んだりした結果のことです。(表面上はReverse Engineeringという素晴らしい手法で独自に開発したなんていう言い訳をする人もいますが。)それらの人達がなぜかRLで厳しく罰せられたり、損害賠償を求められたというのも聞いていません。リンデン自身があまりこの問題で熱心でない事情があるはずです。それはリンデンが何故かCopy Botの取り締まりに対して本腰入れてこなかったということにも繋がっている何かがあると思います。これは長年にわたるミステリーですね。
  

Posted by Sophiee Winkler at 13:24Comments(0)ビジネス

2009年02月20日

地下牢の統計



何ヶ月もSLの公式ブログの経済統計を見ていませんでしたが、昨日久しぶりに見ようとして、すでにアクセスできなくなっていることを知りました。何日か前に80万ほどのアカウントが抹消されたという観測を外国のブログで知り、このブログでもご紹介しましたが、このことに関連していたんですね。

そのときは一部分が見れないようになっているのかなって思ったけど、全面的に参照不能になっているとは思いませんでした。何事も自分の目で確かめないといけないという例ですね。

分かり易くするために最初からお話すると、SL Name Watchというソフトを作った人がいて、これで全ての登録アカウントの変化をチェックすることができるようなんです。その仕組みは不明ですが、恐らくSL内の「検索」ウィンドウにアクセスして「人々」のところでファミリーネームをAから順番に検索していくことで全てのアバターの名前を取得するのでしょう。さらにそこから登録年月日とか付帯情報も取得できますね。これを機械的にもの凄い速さでやるということでしょうか?あるいはアカウントリストに直接アクセスできるのかも?

で、ちょっと脱線すると、これを使うと例えばアメリカで大人気のおバカ学園ドラマの“Gossip Girls”にちなんだ、GossipGirlsというファミリーネームを持つアバターが155,230人もいるということが分かったりするんですって。

元に戻って、それから一年余り前にリンデンラボの幹部が不活性なアカウントはそのうち抹消する、その数は取り敢えず80万くらいだというコメントがあったそうです。この出所は下にURLを掲げたブログです。だから80万というのも現時点では憶測の一つだったんです。

それで、もしそのまま突然に80万アカウントを抹消してしまうと、登録人数がストレートにボコっと減ってしまい、RLでもSLでも色々うるさいので、その減ったところが見えないように、経済統計全体へのアクセスボタン(文字)をブログから消してしまって、私のようなボンヤリさんが気がつかないようにしてあったわけです。

現在登録者は1日あたりおよそ13,700ずつコンスタントに増えていっているということですから、80万を埋め合わせるのには60日ほど掛かりますね。あるいは80万の根拠は幹部の昔のコメントでしかないのであれば、逆に経済統計が復活するのに何日掛かったかで、抹消されたアカウント数が割り出せるのかもしれません。

ただ、こういったどちらかというと瑣末な考察の前に、そもそもリンデンラボの掲げる公式ブログの数字が本当だったのかという問題があります。それが明らかになっていないのに色々憶測しても単なる暇つぶしのようなものでしょう。このようにやがて経済統計の数字を出さなくなる日が来るだろうなとは思っていました。単にアカウント数だけではなくて、土地やリンデンドルの取引に関しても本当のところはどうなのかというのは、一握りの人しか知らないわけです。

シリコンバレーではこの問題は比較的大きく取り上げられていて、ブログにもProkovy NevaやTateru Ninoといった論客が投稿をしていますね。その論調は「何もリンデンラボは自分達の経営数値を公開する義務はないのだから、アクセスを制限するのは勝手だ。しかし、何の説明もしないで突然打ち切ったりするということが、いかにもマネジメントができていなくて、企業としての幼さを感じさせて情けない。」というものです。

銀行口座や無料のクレジットカードやその他ユーザーに登録をしてもらうサービスであればどんな種類のビジネスでもこの問題、名前はあるけど実在しないか不活性という問題はありますね。企業側としてこれを維持していくのに相当のコストが掛かることは間違いありません。日常的な情報のプロセシングだって遅れてしまいます。だから定期的にそれらの実質を伴わないアカウントを整理するのは必要不可欠なことでしょう。従って堂々と事情を説明していつの時点でどれ位の規模でやるかを宣言しておけばいいんですね。SLユーザーの立場からみれば、実際に動いているアカウントが問題なわけで、登録アカウントの9割方が不活性なのであれば何百万抹消されようが何の影響もありません。

もっとも今回の経済統計の閲覧制限がその他もろもろの楽屋裏の混乱を見せないためのものなら、それは相当長い期間にわたって私たちの目から隠されたままになるのではないかと思います。真実を語る者はそれが人であれ数字でれ、権力者によって地下牢に閉じ込められてしまうのですね。

大多数の日本人ユーザーは多分興味ないと思いますが、All Gridと言う意味では大事な問題なので出所を載せておきますのでご覧下さい。

http://www.massively.com/2009/02/15/linden-lab-purges-nearly-a-million-inactive-second-life-users/#continued

http://dusanwriter.com/index.php/2009/02/15/linden-lab-purges-nearly-a-million-accounts

GossipGirlsさんが本当に155,230人もいるのかしら?だいたいそんな名前選べたっけ?試しにこんなサイトが見つかりました。

http://slnamewatch.com/

それによるとGossipGirlsはもう155,699人になってます。ファミリーネームって821種類あるんだなんて感心したりして。このサイトを分析するのも面白そうですね。
  

Posted by Sophiee Winkler at 13:16Comments(0)ビジネス

2009年02月19日

付いて行けてる?



画像は先頃特別版が出されたウェブマガジンのInner Worldの表紙です。これはRLのクリエーター達が主として映像表現の技術やプレゼンテーション力を高め、また発表するための雑誌です。だから題材はSLなどの3D-SNSの仮想世界なんだけど、実際にはそれらの枠を超えたRLのグラフィックアートやその他の表現に関連したビジネスのためのショーウィンドウなのでしょう。SLの公式ブログに載ってました。

http://www.inner-world.org/english.html

最近SL内のデジタル・アカデメイアで映像とか音声処理の授業を受け始めたので、こういうものみてもどうやって作ったのかな~って考えてしまいます。基本的にはスキンつくるとの同じでいろんなレイヤーを重ねていくんですね。それぞれに画像ソフトの様々な処理が施されているんだ、きっと。

でもこの間まではこれ見ても多分「ふ~ん、綺麗ね」で終わっていたでしょう。普通には全体として受け取って、ぼんやりとした雰囲気のなかで感覚的に印象に残る部分のみを見ているという感じでしょうか?これは犬が座敷に上がりこんでも見ているのは座布団とお膳の上の料理だけで、その他の情報は自動的に捨てているというのに似ていますね。犬の場合は嗅覚によって支配されている割合が断然多いということでしょうが。

この間からウェブ3.0がどうだとか、クラウドが、マシニマが、YouTubeが、ストリーミングが、キャプチャーが、iPhoneが、ブラックベリーが、というように次々に私にとっては新しい情報関連技術に晒されているので、ほとんど訳が分からなくなっています。個々のものはその都度理解できたような気になるけど、他のものが出てくると前のことは忘れて、全体としてどういう位置づけと構造なのか理解できないままに押し流されて、どこかに打ち上げられてしまったお魚のような心境です。要するに付いて行けてないんです。

まあ、インターネットだってウェブ・メールがどうで、プロトコルが、ブラウザーが、検索エンジンがとか全然訳わからなくても使えてますので、素人としては困らないのかもしれない。ATMで税金返してもらえると思って詐欺師の口座に99万円振り込んでしまうお婆ちゃんだって、ATMを使っているということには変りはないという素晴らしい高度情報化社会。液晶TVだって、コピーマシン、デジカメだって理屈分からなくても使ってますもんね。原理説明しろって迫られることもないし、自分が遅れているって劣等感に苛まれることもありません。人間って便利にできてます。アバターはもっと便利にできてるのかしら?
  

Posted by Sophiee Winkler at 13:19Comments(0)

2009年02月18日

豪華客船沈没?



RLの不況のSLへの影響という記事がIndsutrial Standardに載っていました。

「仮想世界もRLの経済問題が感染しないというわけではない。SS GalaxyというSLにおける超巨大な客船による航海ビジネスの経営者は3月1日を以って船を沈めることをアナウンスした。理由はRLで見て十分に利益が見込めるほどの予約がSLのユーザーから入らないということだ。この企業は世界不況が不調の原因であるとしている。」

このあとSLを知らない人に向けて、L$やリアルなドルの交換、デザイナーや不動産業者が為替取引によってリアルマネーを受け取る仕組みについての簡単な解説がなされています。

「どんな商売上の失敗でも経済のせいにすることは簡単だ。しかしGalaxyのオーナーは真実を語っているかもしれない。03年から06年に掛けてリンデンラボが雇っていた仮想世界のジャーナリストであるWagner James Auが先頃世論調査を行ったところ、回答者の46%がRLの不況によってSLの活動のペースを落とすことになったと応えた。『多くの人が例え仮想通貨であっても、収入が減ったせいで費用も切り詰めることになった。』と述べている。」

もっとも米国政府とは違ってリンデンラボは依然として事業は儲かっていると主張している。Auはそうであればリンデンラボは利益のうちの幾ばくかはプレイヤーに支給して再投資してみてはどうかと提案している。もちろん大金をシステムに注ぎこめばリンデンドルの経済が影響をうけることは間違いない。」

「しかし、Auがあからさまに言っていないことがある。それはSLの不況は相当程度真理的なもの、RLの問題を写す鏡のようなものだということだ。だから大規模なSLの景気刺激策はほとんど間違いなくプレイヤーのやる気を高め、辞めた人にも戻ってくるように奨励する効果が見込めるだろう。」

私はSS Galaxyには行ったことがないので、今のうちに行っておかないといけません。何でも3シムにまたがる全長500メートル超の巨大な構築物だとか。結婚式場やSPAやダンスホールまであるんですって。

すご~い………って、それって普通のSIMに船の形の囲いつけたのとどう違うんでしょうか?その辺が見破られたっていうのもあるのかもしれません。どんなものでも作ってしまえば飽きられるというのもSLの真実のような気がします。
  

Posted by Sophiee Winkler at 14:29Comments(0)ビジネス

2009年02月17日

80万人消滅!



どうやって調べるのかは分かりませんが、SLに登録したアバターの名前を追跡調査している人がいて、その内容と先ごろのSLの統計のダウン状況を見比べて、およそ80万のアカウントが一挙に消去されたという観測がなされています。リンデンラボはこれについてはコメントしていません。80万というと登録済みアカウント数の約5%に相当します。

1月の中頃に行われた模様ですが、これは普通だと大量殺戮(ホロコースト)って言われてしまうけど、実際には登録したが1回もログインしていないアカウントの初期のものらしいのです。だから水子アカウントとでもいうのでしょう。失われた財産はないということで、私たちも1回も会ったことのないアバターなんですね。ひょっとするとデフォルトアバターの選択も終わってないような状態かしら?

これは私の推測ですが、どうしてそのようなアカウントが沢山あるのかというと、皆が欲しくなるような名前を先に登録してしまい、それを裏で取引しているのではないのかなって思うんです。新しいファミリーネームが公開された直後でも例えばSophieっていう名前はほとんど全て「既に登録済み」ってなってますね。それなのにSophieさんに会ったことは2回ほどしかありません。私は仕方ないので名前の登録の時はSophieeっていう表記にせざるを得ませんでした。でも同じ名前の人が少ないっていいかも。

名前だけ売って、アバターの外見は買主に選ばせるということなら一回もログインしてないっていうことで辻褄が合いますね。16百万の登録済みアカウントのうち、こんな登録だけのアカウントってどれ位あるんでしょうね?
  

Posted by Sophiee Winkler at 13:19Comments(0)ビジネス

2009年02月16日

細切れは違法に



先頃メインランドの土地分割についてJack Lindenが私たちに意見を求めていましたが、その結果決定された方針についての解説が公式ブログに掲載されていました。私も珍しく自分の意見をForumに投じていました。

結果として、これはリンデンの方針として以前から定まっていたものだとは思いますが、メインランドの土地を商用目的で極小単位で分割することは違法とすることに決まりました。既に施行される一方で、分割が目に余る土地所有者とリンデンラボが話し合いを行うようです。リンデンラボはこの度の措置が大多数の住民にはマイナスの影響は与えないと述べています。確かにそうでしょう。

というのは現在16(平米)以下のマイクロパーセル(極小土地)を持っている所有者のうちトップの10人で50%の面積を占めているのです。明らかに高い値付けをして転売を狙っている人たちです。そんな小さな土地はプリムの容量が少なくて看板をたてるか、隣接する土地に繰り入れるくらいしか用途がないですね。RLではないから、自動車の駐車場にするとかゴミ捨て場にするとかいう使い方はありません。

正確にはメインランドの土地を販売目的で小さく分割することは違反行為となったということです。随分時間がかかりましたね。個人で何らかの使用のために自分の土地を区画に分けることはOKです。でも、これだけで景観が改善するということにはならないような気がします。私の提案しているゾーニングと組み合わせた美しい街づくりやそのためのテストマーケティングというのは行う気はないようです。嫌な人はメインランドを売って自分でSimを買うなり借りるなりすればいいというのがリンデンの理屈なのでしょう。

この問題は日本人の間ではあまり話題にはなりませんね。土地を持たない方針の人には関係ないし、メインランドに土地を持っている人というのも少ないのでしょう。イベントやお店をする人はとっくの昔にもっと景観のいいところへ引っ越したり、Sim買ったりしているはずだし。メインランド自体に割安な管理料という以外の魅力がないので、この問題に正面から向き合って改善を図っていくという元気や根気のある人は日本人にはいないのでしょう。RLの竹島や魚釣島、北方領土だって一般の日本人の関心は高くないですね。

私もそんなに強い興味はありません。SLでは綺麗なところに行きたかったら、自分の土地でない景色で有名なところにTPすればいいし、お店はトラフィックのある気に入った土地を借りればいいんですからね。やっぱり物置程度なのかしら。
  

Posted by Sophiee Winkler at 13:19Comments(0)ビジネス

2009年02月15日

クラウドの使い心地



最近クラウドコンピューティングの本を読んでます。ニュースとかブログといった断片的なものはヒントとして、時々はまとまったものを読まないと物事の正しい姿というのは分らないですね。

で、既にGoogleやAmazon、SLmameブログなんかで、私たちが気付かないうちにクラウド化が進行していることを認識、わたしももう少しクラウド化してみることにしました。

実は今家でSL用に使っているPCにはエクセルが入っていません。それはPCを軽くするためではなくて、お金がなかったから。フリーのソフトという手もあったけど、GoogleにGoogle Documentというのがあって、それを使えばSpreadsheetの「サービス」がブラウザ経由受けらるということです。

別のPCに入っている祖父の葬儀やお香典返しのリストをメモリースティックを経由してGoogleDocumentに取り込み。それをセーブしてできあがりです。これで、データやソフトはなくても、どのPCからでも自分のデータにアクセスできるわけですね。データはネットの中のグーグルのサーバーのどこかに保管されているわけです。

もちろんパスワードがあるので公開しているわけではありません。ただ、個人やビジネスの秘密情報はこういう方式で持っているというのはセキュリティ上問題ですね。ネットにアクセスできない環境に行ってしまうとプロセスできないし、今のところクライアントが提供する様々なメニューの方がバラエティがあり、高品質でしょう。

クラウドコンピューティングの考え方は別に新しいものではありません。昔メインフレームというものがあって、それに端末が接続されているときは、端末は入力と出力専用で、そこでソフトを持っていてデーターをローカルにプロセスするという考え方ではなかったのですね。それからクライアント・サーバーという考え方になって、PCのOSやソフトがどんどん膨れ上がってきたのが今の状態です。これがまた反対の動きになっていこうとしているのですね。

高度情報化社会で、情報技術に関する知識の差ではなくて、コンテンツで勝負するようになれば、クラウド化は必然となっていくのでしょう。もしろん秘中の秘はプロフェッショナルの手元に残るとしても。

あ~そうそう、使い心地の方ですね。エクセルに似たスプレッドシートの方は日時が数字に置き換わりました。これはエクセルのファイル設定の問題かしら?それからグリーンジャンボ宝くじの自分の買った番号を入れたドキュメントをセーブしてみました。これでどこからでも確認可能。

全般的に、ドキュメントの言語設定は日本語にすると文字化けするので、英語がいいですね。日本語設定にしてサンスクリット文字みたいな(梵字?っていうの?)のに化けてしまうと元に戻すときのボタンも分からなくなるので気をつけましょう。やっぱり通常のクライアントで持つソフトの方が慣れているし、色んな細かいことできるのでいいかな?でもどうでもいいけど記録しておかないといけない情報、盗まれたってちっとも構わないようなもので頻繁に参照したいものはネットに預けておくのもいかも。
  

Posted by Sophiee Winkler at 13:20Comments(0)ビジネス

2009年02月13日

仮想会議の実験



リンデンラボに3ヶ月ほど前に入社したマーケティング担当のAmanda Lindenが公式ブログに社内での仮想会議の体験を投稿していました。RLのIsabelという名前の会議室に皆で入ってPCを立ち上げ、SL内の仮想リンデンラボの建物にアクセスしてアバターとして仮想会議室Isabelに入ります。つまりRLの会議室の中でSLの同じ名前と外観・内装の会議室に入った様子を眺めているわけですね。

つまりそこで実験的な会議を行った様子を綴っているんです。会議そのものは特にどうということはなかったけど、画面の会議室の窓の外から誰かが空中に浮かんで部屋の中を覗いているので、思わずRLの会議室の窓から外を眺めて確認してしまったなんて書いてあります。ご本人としては仮想世界のなかで仕事をすることの有効性に疑問を抱いていたが、今回やってみてRLとSLが融合してなかなかよかったと述べています。具体的に何がよかったのかうまく表現できてはいませんけどね。

そこで彼女はCalab Bookerという人の仮想会議における理論というのを引用しています。それには二つの法則があって、一つは通常のTVコンファレンスとSL内会議を比較して空間認識に差があるという主張です。通常のTV会議だと発言している人に焦点が当たって、カメラは自動的にその人にズームインするので、他の人は身を引く形で椅子にどっかりと座って、自分とその人だけが話をしている感覚になります。しかしSL等の3D会議では会議室の空間が仮想ではあっても認識され、自分の隣にも別の人(アバター)がいるんだという感覚のなかで、つまり通常のRLと同じ感覚で会議に参加しているという意識が得られるというわけです。

もう一つはこういう理屈です。学習者のタイプとして視覚的にものごとを習得していく人、聴覚的に習得する人、それから運動知覚として習得する人の3タイプがあります。仮想世界ではこの3つが上手い具合に混ざり合うことができるんだそうです。例えば視覚タイプの人は会議室の中を見回して発現している人をつきとめたり、読まれているテキストを眺めたりします。聴覚タイプの人は椅子に深く腰掛けて、ひたすらおしゃべりをする。時々テキストを見ます。で、運動知覚タイプの人はこれはもう完璧にハッピーということだそうです。

完璧にハッピーってなんでしょうね?うまく説明できているとは思いませんが。学習者のタイプというのではなくて、学習の方法として主にどの知覚に依存するかが場面により変る、対象によって最もうまい方法があると解釈するのが正しいのではないでしょうか?例えば画像や図でものの概念や構造を表すと分かりやすいということはあるし、経験者の肉声を録音したものを聞いて実感を高めるという方法もあるでしょう。一輪車に乗るとかダンスといった技能はやはり実際にRLで体を動かして筋肉の動きを脳に覚えさせるという方法でしか上達はしないでしょう。このことと仮想世界の中の会議の有効性との間にはあまり強い関連はないように思いますね。

このように理屈でもない理屈でもって、彼女はRLの会議に勝るものがあるとしたら、3D仮想空間内の会議しかないと言っています。でも結局SL等の仮想世界の中の会議のメリットというのはそれが3D仮想空間内であるということからくるメリットしかなくて、そのメリットもそんなに大きなものとはいえないような気がします。

会議というのはやはり相手の表情や動作、つまりいわゆる顔色を見ながら、時には大きな声を出したり、欠伸したり、あらぬ方を眺めたりしながら自分の考えを伝えていくものですね。この面ではSLのアバターはまだまだだし、仮にそれらがRLと比較しても技術的に完璧に表現できたとして、問題はそれがRLの人間の本心を表しているのかどうかは分かりませんね。RLではよほど上手に自分をコントロールしていても、ちょっとした眼の動きやジェスチャー、声の調子で嘘がバレてしまいます。

RLだって誰でも何かを装ったり、心にもないことを口にしたりしているんですが、それでもなにがしかの本音や真実は発信されていて、私たちはそれを頼りにぼんやりとした信頼感を得て、お話を進めていくわけですね。でもアバターにこれをやらせると、まったくの嘘つきやお調子者が断然有利になりそうな感じです。信頼感がなければ踏み込んだ意見の交換にはならないし、相手や自分の言ったことにコミットするという意識も希薄になってしまうでしょう。

遊びの局面では許されることでも、ビジネスでは許されないことっていっぱいあるので、既にRLでそこそこの信頼感がある相手であれば仮想会議というのは可能でしょうが、そうでない場合は実りの少ないものにしかならないのかも。まあ、リンデンとしてSLをRLのビジネスに使って欲しいという切実な気持ちは十分伝わってきますね。
  

Posted by Sophiee Winkler at 13:14Comments(0)ビジネス

2009年02月12日

幹部インタビュー(4)



Industry Standardっていう情報ビジネスの専門誌があって、そのインタビューにリンデンラボのRosedale と Kingdon(CEO)が応えています。日付を写すのを忘れたのですが、月初のことでしょう。ネットで面白い記事を見つけてまとめてコピーして電車の中や待ち時間が出来たとき読んでます。

この中で二人ともがSLは新しいユーザーにとっては慣れるのに時間が掛かり、インターフェースはまだまだ相当な技術的改良が必要だと認めています。Kingdonは数々の良い面の他に好ましくない側面が存在していると語りました。これは経営というよりも倫理とか公正などの面でしょうね。常時活動しているユーザー数、活動時間総計、Gridの稼動時間の面で申し分のない数字が上がっているとも。

03年頃と比べるとアプリケーションの面でも、使用目的やデモグラフィの面でも多様性が大幅に増加したとRosedaleは述べています。二人はビデオ会議サービスの競合相手としてSLは遠隔地のユーザー同士が快適にコミュニケーションを交わすという面では特段に優れていると主張しています。(私はどうしてそのように言えるのかは理解出来ませんが…

仮想世界での競合先という点ではKingdonは競争状態にあることは認めましたが、その名前を明らかにすることは差し控えるとのことでした。

去年GoogleがSLに似た3D-SNSの仮想世界Livelyを立ち上げ、そしてそれを閉鎖したことについては、Kingdonは「Googleの試みが業界において無価値だとは言わないが、彼らがこれに関して今後やらなければいけない大変な仕事にコミットしたことになると思う。自分達としてはこういう不況のおりに他人のやることに口出しをすることはしないで、自分のことに専念したい。」と語っています。

企業向けについては、RosedaleはGridの稼働時間を上げること、ホスティングサービスやファイアウォールの内側まで含めた新しい商品、「ネブラスカ」と呼ばれるものを、企業のセキュリティを高めるサービスとして開発したいと述べています。

また個人のユーザーのお話に戻って、Rosedaleは現在SLを始めた人の15%しか継続して使っておらず(そんなに多かった?)、この数字を3倍に引き上げたいとの意向です。特に、オリエンテーションの時間を30分くらいに縮めることが目標です。Gridにアクセスするときのビューワーの初期画面も「ピクセルやボタンが多すぎる」と少々八つ当たり気味ですね。こういうものは慣れですから、しょっちゅう変えられる方がユーザーとしては不快だし非効率になります。

Rosedale はSLへの登録手続きが7ページもあって面倒だって気に入らないみたいだけど、私は全く問題を感じませんでしたよ。別アカだって6つくらいあるし。この程度で面倒な人は中に入っても面倒なことが一杯あると感じてしまうでしょう。RLだって生きているだけでけっこう面倒なのにね。

以上は個々のインタビューのエッセンスなので今ひとつ臨場感に欠けていて面白くありません。かといってオリジナルは33ページもあるので、とても訳せないですね。収穫はLivelyというものの存在を私が認識したということでしょうか。名前はチラホラ聞いていたんだけど。自由度や緻密さの点ではSLから見ると「冗談」みたいなものらしくて、とりあえず誰でもいきなり3Dの世界に飛び込めるということでしょうか。でも中高生なんかこういうのでいいんですね。もっとも、彼らにとっては携帯でメールをやり取りしているので十分だと思いますけど。

よく見ると去年の7月にサービスを開始したのに、去年一杯で閉鎖されてしまったんですね。私がもの作りに燃えていた時期だったので、見向きもしなかったのは仕方ないのかも。ご縁がなかったんですね、きっと。Livelyについては下記に記事があります。

http://japan.cnet.com/blog/techlayer/2008/07/10/entry_27012121/

http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20376838,00.htm

http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20383990,00.htm  

Posted by Sophiee Winkler at 13:16Comments(2)ビジネス

2009年02月11日

スキンの製作再開



しばらく中断していたスキンづくりを再開して、何とか満足のいくところまで来ました。きつ過ぎるハイライトを手描きで弱めて、唇の形もテンプレートから少し変えたり。まあまた気に入らないところがでてくるんでしょうが。小鼻のあたりとか、法令線とかね。シャドーとか?



今回は顔だけだったので、ボディは背中とか、脚とかまだ改善余地はあります。でも今回は筋に入った感じはありますね。もの作りって、こんな風に最後はパタッとできてしまうんです。それまで散々苦労したのがウソみたいに。



もっと違う顔立ちのも作ってみたいですね。  

Posted by Sophiee Winkler at 10:01Comments(0)スキン&シェイプ

2009年02月10日

もの作りあれこれ



最近作った割ったらシロップが出てくるチョコレートですが、他の人に見せたらシロップの色が薄いということで、改良することに。お友達のクロクロさんからは下に色の付いた銀紙を敷くことを提案してもらいました。私は最初意味が分からなくてポカ~ンとしてましたが、銀紙のテクスもらったのでやってみようと思います。彼女はチョコ作りは得意ですからね。

それとは別に、シロップが出たあとの処理ですが、最初は一定時間経過後消える(透明テクスチャーに置き換える)方法でしたが、ステート構造を使って、タッチしない限り何時までも垂れた状態にしておく方式に変更して、これもオマケで同梱しました。どうして最初からそうしなかったのか自分でも不思議。

さて、別にシロップの消し方がテーマなのではなくて、きょうはものづくりの方法というか好き嫌いについてちょっと考えてみました。

まず、RLのものをとことん真似る、再現するという方向があります。戦艦大和とかエッフェル塔とか、完成形がかなり明確です。それから形は完全には実物どおりにはいかないけど、まあ大体こういう雰囲気でいいんじゃない?というものがありますね。私のレトロ商品はだいたいこの部類です。実際には同じものがあったわけではないけど、これに似たようなデザインのものはあったというものですね。

当たり前ですがこれらはどれ位本物に似ているかがポイントになります。でもこういうものは作っているときは楽しいし、見た人には「よく出来てるねー。」とか「懐かしいな~。」って言ってもらえるけど、短時間で飽きられてしまいます。実際のRLの本物だってよほどの芸術品で無い限り、いつまでも眺めているということはないでしょう。だから仕方がないけど、クリエーターとしてはちょっと寂しい。

そこで違うものをまたそっくりに作る人と、なんか工夫する人に分かれてきます。衣類やスキンなどは「いいものはいい」ということで、別のいいものを作るということですね。私の商品は雑貨なので、よほどそっくりでも芸術的ということはないので、すぐ飽きられてしまいます。だから工夫が必要になってきます。

例えば音が出るとか、一部分が動くとか、パーティクルが出るとかね。そうすると何らかのスクリプトが必要になります。多くの人はちょっとしたものづくりはできるけど、スクリプトは敬遠してしまうのではないでしょうか?私も初心者の時はスクリプトを駆使したものや動作を見せられると、「凄い!」と思う反面、自分の無力さを実感されられて、自分で同じことをやろうという気力が湧かなかったり、諦めてしまうこともありました。

「私ものつくれないので……」っていう人、作りたくないので作らないというのはちゃんとしたポリシーなのでいいんですが、作りたいのに駄目そうなので諦めているという状態の人は、そのままでは良くないですね。駄弁りの輪の中に入れないとか、もの作れないとかそういう疎外感が積み重なってSLを止めてしまうのではないかと思うんです。だから、諦めないで、別に当面スクリプトできなくてもいいからものは作って欲しいというのが私のお願いです。

でもやっぱりスクリプトを使っていろんなこと出来たらいいなという人のために、こんな風にすれば出来ますということで、私の例をご参考までにお伝えしたいと思います。まずAipiroさんのサイトに行きましょう。http://www.aipiro.com/  ですね。

ここでは初心者向けに分かりやすくスクリプトを解説し、沢山のサンプルを提供してくれています。私も初期には本当にお世話になったし、今でも何かにつけて参照しています。とってもありがたいサイトですね。

そこで簡単なもの、オブジェクトにタッチすると何かしゃべるとか、回転するとかそういうものをそのままスクリプトをコピーして自分で作ってみましょう。そして段々にパーティクルが出るようなものに進んでいきます。

スクリプトの中身を良くみて、色んなパラメーターを変えてみることで、自分なりのものをつくったり、構造や特徴を理解すれば、スクリプトはだんだんに自分のものになってきます。まあ、初級のうちはコピぺでいいんですけどね。

このような初心者向けサイトは他にも幾つかあります。Secondlife Planet http://gameworkshop.blog106.fc2.com/blog-category-10.html とか、Secondlife Japanとかですね。http://secondlife.chu.jp/

それから、もっと複雑なことをしたくなったら、やっぱり教科書は欲しいです。「リンデンスクリプト入門」と「セカンドライフプログラミング入門」が有名です。私はこれらの教科書は発売と同時に買って、パラパラっと見て、「何これ!ちっとも分らないじゃないの~~。」って半年ほど放って置いた後に、Aipiroサイトに出会って、また教科書に戻ってきたという流れです。

2冊の使い方は微妙に違うので、両方あればいいですね。いずれにしてもコピペばかりしていては、(それも大事なお勉強ですが)進歩が遅いので、最初の部分の文法的な約束事、「イベント」とか「ステート」の意味と使い方を繰り返し読んで良く理解すれば上達は速いでしょう。

時には複雑なスクリプトをSLの中でL$を出して買うというのもいいかもしれません。フルパーミッションのものでスクリプトを覗けるようになっているものを、じっくり見るというのも参考になるでしょう。お金使うの嫌と言う人のためにはリンデンラボの公式サイトがありますね。LSL Portalでしたっけ?

http://wiki.secondlife.com/wiki/LSL_Portal

日本語バージョンもあったような?

そして、ともかくどんどん試行錯誤して、自分の用途にあった命令を見つけたり、工夫したりして使えるようになっていくんです。私は初、中、上と分けると、多分初級の終わりか、中級の下といったところですね。でも、ブログ見ても分ってもらえると思いますが、いろんなことが出来ています。ものづくりしてそれを売っている人のなかではスクリプトを多く使っている方ですね。半年も頑張れば、誰でもスクリプトを駆使したものづくりができるようになります。みんな頑張ってね~~!
  

Posted by Sophiee Winkler at 13:20Comments(2)ものづくり

2009年02月09日

SLの第3機能



先週の続きで「仮想世界○○マップ」を読んでてそれに触発されて思ったことを書いてみます。

常時ログイン人数が少ないとか、日本人のユーザーが減っているのではないかというのは、ユーザー自身のイシューというよりも、SLに関連してRLのお金儲けをしようという事業者の立場からは困った話なのでそこに関心が集中するんですね。

ユーザーにとっては、それは街は賑やかな方がいいけど、音楽会に呼ばれていったら密度が高すぎて入れなかったとか、変なことばかりする人が増えたというのでは嫌ですね。

例えば定額給付金の代わりに一家に一台SLが出来るマシンが無償で支給されたとしても、それで人が増えたりするとRLと同じ状況になって、かなり面倒な感じになるのではと思います。芸能人や、政治家や、大小の企業が広告宣伝をするようになるでしょうし、色んなところに火を付けて騒いでいた人達が移ってきて3D-2ちゃんねる状態になってしまうでしょう。SLのなかで犯罪の計画を進める人達だって出てきますね。だから、個人的には人はあんまり増えなくてもいいかなって……。

N総研は「マルチバース」という言葉の代わりに「3Dネット」という言葉を流行らせたいようですが、一般に分かりやすくてアイデアとしてはなかなかです。音の響きとしては野暮ったいけど。その結果今のネットが全部3Dになってしまえばそれは大成功と呼ばれるのでしょうが、そうなったら私は多分小規模な比較的閉じられたGrid Serviceを見つけてそこで気の合う人達と今までとあまり変らない生活を続けていくのかなって思います。

私も随分保守化したものですね。こういう日本人的Grid完結型の発想や行動が日本人SL社会の発展の足を引っ張っているんでしょう。せっかく英語しゃべれるのに世界に出て行かない私。う~ん、何か面倒くさいというか、英語でコミュニケーションできたら楽しいというところを通り越してしまっているのですね。お仕事で使っていれば楽しいという感覚にはなりません。英語であろうが、フランス語であろうが、言葉は手段なので中身のない会話しても面白くはありません。こういう言い方って可愛気ないんでしょうね。

情報通信技術の発展で世の中は便利になり、それに関連するビジネスも花開いてお金儲けする人も沢山出てくるんですが、一方でそれについていけない人達も一杯出てきます。携帯電話で操られてATMで大金を偽口座に振り込んでしまう人達なんか、高度情報化社会に住んでいながら、実際には訳がわからずに何となく行動しているということが分かってきました。「ところであんた、うちのネコの名前って何だったか覚えてる?」とか、「息子はシアトルに留学しておりまして、昨晩国際電話で話をしましたが何か?」って一言いうだけでプロテクトできるのにね。

だから、ITがどんどん発展していくなかで、ユーザーとしてその先端に参画して価値を生み出していける層と、インフラから変えられてしまい、しょうがないので見よう見まねでその場その場で対処しているっていう層に分かれてくるのではないでしょうか?もちろん本人に自分がどの辺にいるのかという自覚はないでしょう。

昨日も書いたけど、私はやがて到来する更に高度な情報化社会のなかのあらゆる活動の部面で、イマジネーションやクリエイティブパワーに依拠して、社会に価値を提供しその対価を得ていくクラスが出てくるのではないかと思っています。それは新しい「階級」なのかもしれない。そのための苗床であり孵卵器であるのがSLなのかなって思っています。SLは最初からそれを意図して作られたのではないけれど、結果としてそのようなインキュベーションの機能とスクリーニング、フィルタリングの機能を果たすことになるのではないでしょうか?

もちろん、SLの楽しみ方は様々です。みんながこんなこと考えながら活動していたら息が詰まってしまいます。遊園地にだって、ただ絶叫マシンに乗って一体感を高めたい人達もいれば、どうやって遊具の稼働率を上げて単位時間の売上を上げようかって考えている経営的立場の人もいるし、人間が危険を求めることと避けることの間にある変曲点を研究したい人もいるでしょう。そのように多様な目的を持った人々を受け入れられることが国家や都市や仮想世界のプラットフォームの魅力になるんですね。

そのように思えば、ちょっと飽きたり詰まらないことがあっても、気分転換しながら自分の技術や経験を蓄積していくという副産物を念頭において、何とか続けていくことはできるのではないでしょうか?第一が友達と楽しく遊ぶこと、第二がお金儲け、そしてこれがSLの第三の機能だったことに気付いたのでした。
  

Posted by Sophiee Winkler at 13:21Comments(0)ビジネス

2009年02月06日

コスト削減ですか?



Massivelyによれば、リンデンラボはWindows2000へのサポートを打ち切りつつあります。これはSLのユーザーの1%ほどに影響を与えると考えられています。

そういうことになると、ビューワーの開発や品質管理に関して2000への考慮を行わないので、使えたり使えなかったりということに。

2000もそうだけど、VistaがこけたことでMicrosoftの収益はかなり落ち込みましたね。Replaceを当てにしていたのに、XPの方が売れてしまうということになっています。SLの専用機だってXPが主流ですね。3Dゲームもそうかな?

Vistaの方はサポート対象なんでしょうが、これってやっぱりコスト削減が目的なんでしょうか?あるいはこれによって余ったエンジニアリング力を他の技術的優位増強のためのプロジェクトに当てるということかもしれませんね。程なくやってくるマルチバースの時代に引き続き中心的役割を果たすためには必要なことなのでしょう。  

Posted by Sophiee Winkler at 13:21Comments(0)ビジネス

2009年02月05日

SLの低迷って何?



N総研が最近出した「仮想世界○○マップ」という本があります。これは仮想世界の未来を描きなおすことでこの分野におけるIT関連情報ビジネスの主導権を握ろうという目論見ですね。「セカンドライフの低迷から真の発展が始まった」なんて書いてあります。

簡単にいうとSLはもう駄目だが、仮想世界はまだまだ行けるんだという趣旨で、マルチバースの大きな可能性に着目するなかで、ちゃっかりと自分たちの3D-IESというマルチメディアを利用した教育システムにも言及しています。でもこれ自体は2000年からあるものらしいのですが、公開されているものではないので一般には知られていないのです。

まあ、マルチバースの時代が来るのは必然なんですが、それを強調するためにSLは駄目だ、もうおしまいだと論じていますね。ところがそんな素晴らしいマルチバースって何なのって素人に説明するために、結局SLではこうやっているっていうSLの基礎からのお話に1章を割いて解説をしています。つまりSLがお母さんなのに、臍の緒のとれていない赤ちゃんを褒めるために母親の悪口を言うという滑稽な図式ですね。親子だから同じ血が流れているのにね。

マルチバースというのはSLを3D-SNSの総合デパートだとしたら、その部分々々を対象として専門店をつくるようなものです。デパートの品揃えは総花的だけど、専門店はブランドに特化した商品・サービスでお客を魅了しようというわけです。RLと同じように色んなサービスを提供する総合デパートやスーパー、専門店、零細小売がそれぞれの顧客を得て棲み分けている状態の世界をマルチバースというのですね。でもここに大きな勘違いが潜んでいるように思います。

確かにSLのサービスや技術という点を見ると、個々にはRLの既存のサービスレベルに対抗できないようなもの、3Dの画像処理とかセッティングの簡便性その他が多くあります。しかし、それらに満足できないで他の専門店サービスに移動してしまう人というのは、主としてビジネス目的でしょう。

一般の個人でSLに不満を感じている人の中にはその本人自身の資質や能力が不足している場合もあるので、専門店に行ったからといってそのメリットを100%享受できるかどうかはかなり怪しいのです。着ていく先もないのにブランド物のドレスを買い込んで電車通勤で使っているOLなんて図にならないでしょうか?

マルチバース化のハードルとしては、一つの世界で獲得した資産やアバター等をそのまま他の世界に移転できるかということがありますね。このお金はデパートでは使えるけど、横にある専門店では使えないなんていうことでは、マルチバースが名前倒れになってしまいます。これが技術的に100%間違いなくできることが不可欠となってきます。RLでも私たちは沢山の種類のクレジットカードやマイレッジポイントやお得スタンプを束にしてお財布に押し込んでいますよね。お金はいいとしても、大きなオブジェクトなんか移転して使うのは大変でしょう。

まあ、この本は全体としては納得のいく部分もあり、私の知らないことも一杯書いてあるので読んで損したというわけではないですが、納得できない分析もあります。特にSLのユーザーアンケートが掲載されていますが、これが07年の9月時点ということで、あまりに古いですね。SLが低迷しているといわれるまで待っていて、やおら昔の資料を持ち出して理屈を後付けしたといわれても仕方ないでしょう。どうして今のユーザーに最新のアンケートとらないのでしょうね?07年に資料を手にしているなら、その時点でSLはやがて低迷するって予測を公にすればよかったのにね。

私も実はSLって駄目ねって思っていた時期があったけど、最近は「低迷」って誰の立場で言っているのか?低迷して何が悪いのかって思うようになっています。先日のこのブログにコメントを寄せてくれた人も言っていましたが、SLは懐が深くて、それなりに時間を掛けて、粘り強くプレイしてみて初めてわかることというのが一杯あります。それに気付かずにSLを去っていく人の中には、ゲーム等の押し着せの受身の楽しみで飼いならされてしまった人達や、根気やイマジネーションの乏しい人達が沢山いて、それらの人はマルチバースの世界になっても同じような行動パターンを踏むことは十分予想されますね。

書いている人達はみんな優秀なんでしょうが、実際にSLを十分にはやっていないという気がします。3D‐SNSで更に飛躍するITの世界、でもそれに必要なのは事業者の提供するプラットフォームだけではなく、イマジネーション豊かな、クリエイティブなユーザーです。SLはそのような人達を新しいクラス(階級)としてフィルタリングしている最中なんですね。フィルターの目が細かいので、こぼれてしまう粒子を拾うというところにビジネスチャンスを見つける。それはそれで市場的には大きいので十分成り立つでしょう。またビジネスユーザーであれば、数は少なくても大きなお金が動きますね。業界の人はみんなそれを狙っているのですね。

でも、お仕着せサービスで生産者や業者のいうままに踊ってくれる、いつまでもお馬鹿なユーザー・消費者というのを前提としてビジネスを考えるのはもう古いですね。もちろんこの本でも「ユーザーと一緒に作る」という文句が随所に見られるのですが、ユーザーの役割が色々我儘をいうだけでなくて、自分で勝手に解決策を見つけてしまうというように変化していくことをサービスを提供する側が受け入れられるのかがポイントでしょう。お蔭で十分な刺激を貰ったように思います。結局広告しちゃったのかしら?ただ、1,800円はちょっと高かったかも。
  

Posted by Sophiee Winkler at 13:19Comments(0)ビジネス

2009年02月04日

幹部インタビュー(その3)



先日取り上げたリンデンラボの商事担当VPに対するネット雑誌Industry Standardのインタビューですが、別のところにその続きが載ってました。でもそれは引用の引用みたいなもので出所がよくわかりませんが、ベタ訳でなければいいのかしら?

まず、Ginsu YoonはSLが高仕様のPCを必要とするためにエントリーしずらくなっていることに関しては、SLのコアな優位性を楽しむためにはさらにパワフルなマシンが必要であると述べています。もちろん導入として軽く動くことは大事だけど、そういう初期の経験は別のもので積んでもらえばいいという口ぶりです。

「ハイエンドにおける可能性を追求しそれを見せるということがなければ、世界がどの方向に進んでいくかを示すことはできない。」

Netbookなどのライトウェイトの端末、iPhoneなどのHandheldな端末が流行しつつありますが、それらに対してもYoonは「主流」とはなり得ないとしています。確かに画質の高い、高い仕様の3D世界を楽しむのは、Handheldでは無理な感じもしますが、ゴーグルなどでImmersiveな環境を確保したり、脳波をつかって操作するような技術が出てくれば事情は異なってくるでしょう。でもそれらは価格が高いので爆発的に伸びるということでもないでしょう。

YoonはSLのユーザーが突然ブラウザー経由のアクセス方式に心を奪われてしまうという考えにも賛成していません。

「ああ、そうだブラウザーという手があった。なんでもブラウザー経由でやればいいんだ、なんていう声は業界中に溢れている。しかし、3D仮想世界であるかのように見えて、実はそうではなかったということを我々はいっぱい経験している。」

まあ、YoonはSLの幹部なので、どうしても現状を肯定する側に回ってしまうのでしょう。これによると、顧客ベースを広げるためにメカの部分で妥協するということはしないということですね。様々な競合するサービス、SNSや他の新たなサービスに対して優位性を保っていくためには、SLが常に3D仮想世界の最先端をいくものであるとの評価を失うことがあってはならない、たとえエントリーの容易さを犠牲にしてもというのが本音なのではないでしょうか?
  

Posted by Sophiee Winkler at 13:21Comments(0)ビジネス

2009年02月03日

さようならロビン



風邪引きでせっかく家に居るのに、SLが原因不明のトラブルでログイン不能になっているので、仕方なくブログを読んでいたら、リンデンラボのRobin Harperが会社を辞めるというアナウンスがありました。

「およそ7年働いて私はリンデンラボにおける役割から2月15日に離れようと決心しました。しばらくは次に何を、いつから、どこでするのか、いろんなものを見て考えることにしています。

 セカンドライフの本当の初期からリンデンの世界にいて、それが今日あるような幅広い、創造的な、また活気に満ちたコミュニティに成長するのを見てきたことは、私のキャリアにおいても最も輝きに満ちたものでした。セカンドライフを作った人々は素晴らしい開拓者であり、私はこの驚くべき経験の創世記の一部であったことをとても誇らしく思っています。

 私はあと2週間ほどはRobin LindenとしてSLに留まっていますが、その後は私の本性であるTaliesin Protagonist(理想郷の主唱者)としてやっていく積もりです。In-worldやForumでまたお会いしましょう。」

 彼女はマーケティングとCommunity DevelopmentのVPでした。Maxisと呼ばれるゲームの会社から移ってきて、06年には「ゲームの世界における最も影響力のある100人の女性」に選ばれたこともあります。

 CEOであるMark Kingdonは幹部レベルの入れ替えを盛んに行っているようです。Tateru NinoはRobinとは親しくて、Rosedaleの後にCEOになるのはRobinかもしれないと言っていたときもあしました。また先日のマネジャークラスの解雇のときはその対象がRobinの配下に及んでいることを示唆していました。恐らくKingdonとRobinの間に路線的な対立があると聞かされていたのではないでしょうか?

また彼女の最後の言葉、Taliesin(タリアセン)とは英国のウェールズ語で「輝く額」を意味し、近代建築の巨人フランク・ロイド・ライトが帝国ホテルの設計と建設を中断して帰国した後、母より与えられた土地、米ウィスコンシン州Spring Greenに建設を始めた未完の「理想郷」に付けた名前でもあります。彼は理想を求めて絶え間なく設計、施工の変更を行いました。理想を求めてそれが容れられなかったことが辞職の原因だと読み取って欲しいというのが彼女のメッセージであると思います。
  

Posted by Sophiee Winkler at 13:37Comments(0)ビジネス