ソラマメブログ
QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 10人
プロフィール
Sophiee Winkler
Sophiee Winkler
2007年6月生まれ。MagSLの原宿に住んでて、HARAJUKU PLACE というお店をやってます。景観商品とか小物が中心です。最近はスキンとシェイプに凝っています。
オーナーへメッセージ

  
Posted by at

2009年02月13日

仮想会議の実験



リンデンラボに3ヶ月ほど前に入社したマーケティング担当のAmanda Lindenが公式ブログに社内での仮想会議の体験を投稿していました。RLのIsabelという名前の会議室に皆で入ってPCを立ち上げ、SL内の仮想リンデンラボの建物にアクセスしてアバターとして仮想会議室Isabelに入ります。つまりRLの会議室の中でSLの同じ名前と外観・内装の会議室に入った様子を眺めているわけですね。

つまりそこで実験的な会議を行った様子を綴っているんです。会議そのものは特にどうということはなかったけど、画面の会議室の窓の外から誰かが空中に浮かんで部屋の中を覗いているので、思わずRLの会議室の窓から外を眺めて確認してしまったなんて書いてあります。ご本人としては仮想世界のなかで仕事をすることの有効性に疑問を抱いていたが、今回やってみてRLとSLが融合してなかなかよかったと述べています。具体的に何がよかったのかうまく表現できてはいませんけどね。

そこで彼女はCalab Bookerという人の仮想会議における理論というのを引用しています。それには二つの法則があって、一つは通常のTVコンファレンスとSL内会議を比較して空間認識に差があるという主張です。通常のTV会議だと発言している人に焦点が当たって、カメラは自動的にその人にズームインするので、他の人は身を引く形で椅子にどっかりと座って、自分とその人だけが話をしている感覚になります。しかしSL等の3D会議では会議室の空間が仮想ではあっても認識され、自分の隣にも別の人(アバター)がいるんだという感覚のなかで、つまり通常のRLと同じ感覚で会議に参加しているという意識が得られるというわけです。

もう一つはこういう理屈です。学習者のタイプとして視覚的にものごとを習得していく人、聴覚的に習得する人、それから運動知覚として習得する人の3タイプがあります。仮想世界ではこの3つが上手い具合に混ざり合うことができるんだそうです。例えば視覚タイプの人は会議室の中を見回して発現している人をつきとめたり、読まれているテキストを眺めたりします。聴覚タイプの人は椅子に深く腰掛けて、ひたすらおしゃべりをする。時々テキストを見ます。で、運動知覚タイプの人はこれはもう完璧にハッピーということだそうです。

完璧にハッピーってなんでしょうね?うまく説明できているとは思いませんが。学習者のタイプというのではなくて、学習の方法として主にどの知覚に依存するかが場面により変る、対象によって最もうまい方法があると解釈するのが正しいのではないでしょうか?例えば画像や図でものの概念や構造を表すと分かりやすいということはあるし、経験者の肉声を録音したものを聞いて実感を高めるという方法もあるでしょう。一輪車に乗るとかダンスといった技能はやはり実際にRLで体を動かして筋肉の動きを脳に覚えさせるという方法でしか上達はしないでしょう。このことと仮想世界の中の会議の有効性との間にはあまり強い関連はないように思いますね。

このように理屈でもない理屈でもって、彼女はRLの会議に勝るものがあるとしたら、3D仮想空間内の会議しかないと言っています。でも結局SL等の仮想世界の中の会議のメリットというのはそれが3D仮想空間内であるということからくるメリットしかなくて、そのメリットもそんなに大きなものとはいえないような気がします。

会議というのはやはり相手の表情や動作、つまりいわゆる顔色を見ながら、時には大きな声を出したり、欠伸したり、あらぬ方を眺めたりしながら自分の考えを伝えていくものですね。この面ではSLのアバターはまだまだだし、仮にそれらがRLと比較しても技術的に完璧に表現できたとして、問題はそれがRLの人間の本心を表しているのかどうかは分かりませんね。RLではよほど上手に自分をコントロールしていても、ちょっとした眼の動きやジェスチャー、声の調子で嘘がバレてしまいます。

RLだって誰でも何かを装ったり、心にもないことを口にしたりしているんですが、それでもなにがしかの本音や真実は発信されていて、私たちはそれを頼りにぼんやりとした信頼感を得て、お話を進めていくわけですね。でもアバターにこれをやらせると、まったくの嘘つきやお調子者が断然有利になりそうな感じです。信頼感がなければ踏み込んだ意見の交換にはならないし、相手や自分の言ったことにコミットするという意識も希薄になってしまうでしょう。

遊びの局面では許されることでも、ビジネスでは許されないことっていっぱいあるので、既にRLでそこそこの信頼感がある相手であれば仮想会議というのは可能でしょうが、そうでない場合は実りの少ないものにしかならないのかも。まあ、リンデンとしてSLをRLのビジネスに使って欲しいという切実な気持ちは十分伝わってきますね。
  

Posted by Sophiee Winkler at 13:14Comments(0)ビジネス