2011年04月28日
熱くて冷たい戦い

Sony がPlayStation 向けのNetwork Game(PSN) でハッカーの侵入に合い、ユーザーの情報を盗まれてしまった問題が拡大しています。7000万アカウントに上るとか。本当にそんなすごい数なのでしょうか?
それで早速米国ではSony Computer Entertainment Americaに対してユーザー情報の流出を防がなかった廉で、集団訴訟が起こされました。
で、問題はリンデンラボもこれには結構焦っているということで、改めてセキュリティの再確認、向上を検討しているのです。「他山の石」というわけですが、こういうことになると機敏なんですね。
焦点はカード情報をどれ位守れるかということと、ガードが甘ければユーザーはカード会社から損失を補填されたとしても、こんどはカード会社とリンデンラボの間の訴訟になるのです。
さて、ハッカーの猛威は留まるところを知りませんが、私はそろそろ国際的なサイバーテロの摘発と処罰のキャンペーンが秘密裏に国家間で実行に移されるのではないかと思っています。放っておくと面白半分に核兵器や防衛機密にアクセスして甚大な被害が生じるかもしれないからです。
まあ、おおっぴらに宣言してやるものでもないので、見えないところで新たな「冷戦」が進行中なのかもしれません。
2011年04月25日
突然の増殖

Tateru NinoによればSLの新規登録アカウント数が4月中旬以降急激に伸びているのだそうです。普通一日当たり1万1千から1万2千のアカウントが作られているのですが、最近はこれが1万7千程度にまで増加したのです。
リンデンラボは例によって理由を明らかにしていませんし、Ninoも推測以外の根拠はないと言っています。ただ、Concurrencyは上がっていないので、サインアップしたけれどSLを楽しんでいる訳ではないというのが分かります。
とくに新しいユーザーを惹きつけるものが加わったわけではないので、何か新しい市場やアクセスの方法が開発されたということではないでしょうか?Nino は現在リンデンラボに更なるデータを求めているそうで、もし新しいことが分かれば記事になるでしょう。
以前リンデンラボが一挙に80万ほどのアカウントを消したという出来事がありました。これはSLに関心がなくてもアカウント名をどんどん登録して、それを欲しい人に売るという商売を目論む動きが背後にあったと言われています。このときは登録だけして一度もログインの実績がないアカウントをまとめて抹消したもので、どこからも文句が出ていないので、おそらくアカウント転売のねらいというのは実際にあったのだと思います。
私の乏しい想像力ではやはり今回も同様にアカウント転売を目論んだ人たちがいるのではないかと思います。例えば中国なんかで、SLをあまり知らない人達の間で「SLのアカウントを転売すれば儲かる」という噂が広まったりしたのではないかと思ったりします。
あり得ないけど面白い想像としては、リンデンラボがユーザーを増やそうとして発展途上国でSLでアカウントを作らないと起動しない安いPCを大量に配ったなんていうのはどうでしょうか?安いPCなのでログインはうまくいかないのです。
あるいは私たちの気がつかないうちにブラウザベースでSLができることになり、みんなそれで一杯アカウントを作ったのだけれど、やっぱりうまく働かなくてログインできなかったなんていうのはどうでしょうか?
2011年04月24日
受難の開発
久しぶりにSLの技術面のお話を4/21 の Dwell on It から載せておきましょう。
何年か前にリンデンラボはSLの新しいコミュニケーションシステムとしてXMPP(Extensible Messaging and Presence Protocol) というものを研究していました。それはJabber 社が開発したオープンソースのソフトです。それはプロトタイプを作るところまではいったのですが、SLの特殊なアーキテクチャーには合わず、安定したパフォーマンスを上げることができなかったので、最終的には放棄されました。
でもリンデンラボのFrank Ambrose は昨年の10月に再度これに挑戦すると宣言したのでした。前回はXMPP はチャットやIMの代替技術として開発されていましたが、グループチャットのような大規模なものはうまく取り扱えませんでした。今回もまたおなじことを考えているようで、結局は同じ結果に終わることは十分予想されていました。
今回は何か新しい環境が生まれたり、障害が取り除かれたりしたので始めたのかもしれませんが、今のところ本件は開発のテーブルからは取り払われた状態です。
XMPP についてはこちらを。
http://e-words.jp/w/XMPP.html
SSは最近作ったシェイプです。このポーズは二の腕が太くなってしまうのでちょっと変。腕を細くすると足も細くなるのでなかなかうまくいきません。
2011年04月23日
ストップ・ザ・帝国

SLとは関係はないのですが、世界情勢に対するアメリカ人の感覚が分かる一文があったので訳してみます。Copper Robot の Mitch Wagner の文章です。
「非常に多くのアメリカの問題は我々が『帝国』であることから発している。
国防費は連邦予算の三番目に大きな支出項目だ。それは6,890億ドルにのぼり、支出全体の2割を占めている。これより多いのは の8,930億ドルとそれをわずかに下回るSocial Security の7,010億ドルになる。国防費が半分以下になったと想像してみよう。それは共和党が今年の予算から削ろうと思っている610億ドルの5倍もあるのだ。
もし連邦政府が明日の朝目を覚ましたときに、我々はアフガニスタン、イラク、リビアから兵力を引揚げるぞと言ったらどうなるか?彼等は2週間で帰国するだろう。実際我々は世界の色々な国々から兵を引揚げつつある。我々は強力な防衛力を維持することにコミットしている。もし我々の国土や市民や財産を攻撃する者があれば、迅速で恐るべき反撃が待ち構えているだろう。しかし、我々が何者かを攻撃する唯一の条件は我々が先に攻撃されるということだ。
世界中から兵を引くというのはコストの高い判断になるだろう。台湾は中国に下るだろうし、イスラエルも敵の手に渡る。それは大変な犠牲だ。
中東は混沌の中に放り込まれることになる。でもそこは既に混沌の中にあるのではないか?冷酷な専制的支配者がイラクやリビアやその他の国々を掌握するだろう。でもそれは現状から何か悪くなるということなのか?もし地方で権力を握った指揮官がこれらの支配者と内戦を戦うことになると、市民たちは板挟みになって、アメリカ人もしばしばそれに加わったりする。
我々は中東の石油へのアクセスを失うようなことはないだろう。彼等はそれを売らなければならない。彼等は石油をそのまま食べることはできないからだ。
それで何かいいことはあるのか?
軍事に携わっている1400万人の人々のほとんどは退職して民間の仕事につくだろう。道路や橋を作ったり修理したりして、国のインフラを維持していくのだ。(軍務で培われた)知性や規律や倫理が民間を刺激するだろう。今のところ民間の活動は創造性が不足しており、トップの優秀な人材はお互いに攻撃しあい、何かをつくるよりは攻撃で倒れることに時間を使ってしまっている。我々の軍隊は人員のサイズでは中国に次ぐが、人口千人当たり7.9人と中国の3.4人を大きく上回っている。
結局軍隊はアメリカの福祉プログラムの一環であって、人口の相当の部分に賃金を払い、福利を提供している。これは第二次大戦以来のことだ。国家的な社会保障のプログラムを持つことができれば、ものを破壊することより建設することに目的を変更して、人々に参加してもらうことができるだろう。
そしてもちろん戦争には肉体的な、感情面でのコストも発生する。アフガニスタンとイラクでの軍の死傷者は41,000人に上る。そしてその各々には家族があり友人がある。家族もまた痛みを感じているのだ。
これはたんなる公式の犠牲者数にすぎない。戦いの恐怖のために両眼の視力を失ってしまった伍長のMichael Jernigan はこう言っている。『戦場からある種の傷を、肉体的なものでも精神的なものでも、負うことなしに帰って来られることなどない。』
ビザンチン帝国の例を考えてみよう。彼等は小さいけれども勇猛な軍隊を持っていて、どんな敵にも決定的な勝ちをおさめることのできる能力があった。しかしこの軍隊はほとんど使われることはなかった。帝国は敵を分断して互いに戦わせることを心掛けた。おかげでビザンチン帝国は1,100年も続いた。今のアメリカのやり方では250年ももたないだろう。
アメリカはその剣を鋤の刃に打ち直す必要がある。(武器の代わりに)工場やラップトップ・コンピュータを作ってもいいのだ。我々は努力のすべてを傾けて商業や科学や芸術で世界をリードすることに専念すべきだ。ものを吹き飛ばすことでリーダーになろうとするのは止めた方がいい。」
まあ、このように考える人が米国で多くなれば世の中はもっと平和になるのですが。でもラップトップなんて何十年も前からアメリカで作ってないのじゃないでしょうか?メキシコとか中国なのでは?確かに米国は世界で最も多くの爆弾を無実の武装していない人々の頭上に落とし、また落とし続けている国家であることは間違いないでしょう。
2011年04月14日
考えるだけ無駄?

ユーザーの書き込みを見る前に、Tateru Nino が結構ていねいに分析している記事がありました。数字的根拠はないのですけど。
まず、Concurrency が下がるロジカルな要素を数え上げています。第一はBots の影響ですが、これはBots の数が減ったとか、使う人が少なくなったということでしょうか?経済が停滞してきて、Quad Coreの複数台のPCで多くのBotsを動かす効果が減ってきているのであれば、それは止めてしまうかもしれません。
個人が別アカを使う場合に一つをログアウトして別のアバター(アカウント)でログインする場合にはこれによってConcurrencyが上がるということはありませんね。同時に複数の別アカを起動するのであればConcurrencyを上げることはできるので、Concurrencyが下がっているのはこのように同時に複数起動することをあまりやらなくなったのかもしれません。まあ、そもそも私たちの腕は2本しかないので、仮に複数アカウントを起動しても同時に操作するのは難しいので、Bots目的以外にそういうことをやっている人は少ないでしょう。
次にConcurrencyが下がるのは、私たちユーザーが集中してログインせずに、バラバラの時間帯にログインする場合ですが、理屈では考えられても、ユーザーの行動パターンはそんなにはかわるわけはないので、これは関係ないと思います。
ありそうなのは一人ひとりのSL滞在時間が減った場合です。結果として全体でみればユーザーが重なり合うことが減るのでConcurrencyが下がることになります。毎日11,000アカウントも作られていても、初心者が使い方が分からずに、あるいは導入を助けてくれる人もいないので、SLの良さを知るまでに止めてしまうということもあり得ます。発展途上国の人がアカウントを作っても、PCの性能が低いとログインできません。昔の私みたいにね。その場合は新規登録に比してConcurrencyが低くなるでしょう。
ユーザーのログインが毎日でなくて、1週当たりのログイン機会が減っているということも考えられます。RLが不況でそんなにSLに時間を使っていられないとか、もっと他のこと、たとえばFacebook や Twitter に時間を使っているのかもしれませんね。実際リンデンラボのスタッフもSLにログインするよりFacebookで活躍している人が少なくないのです。最近私がよく読んでいるブログのCopper Robot のMitch Wagner だって、SLから遠ざかってTwitter にご執心です。人はVirtual なつながりよりもリアルなつながりを求めるということなのかも。
この他にGrid やServer のクラッシュ、Viewerの不調などでユーザーの意向に拘わらずConcurrency が下がってしまうこともあり得るわけですが、これも今の状態では現実的ではないでしょう。
結局いろいろ悩んでも、リンデンラボ自身ユーザーを個別に把握するという努力を怠ってきたので、本当のところは分からないのです。彼らの持っている数字というのはほとんどすべて全体的な傾向を表すものでしかなく、マーケティング的には意義の低いものです。顧客を個別に掴むというのが現代の趨勢ですが、それを怠っていたツケが回ってきたということでしょう。
まあ、単純に人気がなくなってきた、あるいはBotsを大量にログインさせる手法が下火になってきた、ログインしても滞在時間が減ったというようなところが真相に近いのではないでしょうか?そして何よりも、SLはDemanding 、つまりユーザーに多くを求めるサービスだということでしょう。
2011年04月13日
コンカレンシーの低落

コンカレンシーというのはSLではその瞬間に同時にログインしているアカウントの数を言います。つまり瞬間瞬間の利用者数のことですね。昨年の夏から今年の2月に掛けてユーザーのログインの長期低落傾向に歯止めが掛っているように見えていました。実際新しいCEOのRod Humbleもそう言っていましたから。
でも2月以降は再び低下しつつあります。具体的な数値でいうと、昨年の5月には52,000から57,000の間を上下していたのですが、これが夏ごろには49,000から55,000のレベルにまで低下して、その後は横ばいを続けていました。この上下の幅というのは、土日や休暇シーズンにはログインが落ち込み、週の半ばにかけてログインが上昇するという傾向があるからです。で、この4月には48,000から53,000程度になっています。
新たにサインアップ(アカウントの登録をすること)する人は一日当たり10,000から11,000です。今まで登録されたアカウントの総数は22,800,000に上ります。
Tateru Nino は次のように語っています。
「SLは技術が問題なのではない。もちろんそれは技術に結びついているものだが、SLは人々が実際に使わないのであれば存在はしない。だからログインのコンカレンシーの低落はSLの将来にとっては憂慮すべきことだし、それが長期的に続いているのは尚更問題だ。
このことは回りまわってSLの経済に関係していくるし、長期的にはリンデンラボの収益性そして彼らがサービスを続けていけるかどうかに関わってくる。ユーザーにとっての経験の豊かさにも関係してくるものだ。あっぱれなことにAlphavill Herald 誌(ブログ)もこの点を突いていて、既に記事を書いている。」
それでそっちを見ると、
「コンカレンシーは過去1年に12%も減少した。残念だが回復の兆候は見られない。明らかにSLはニッチの世界に入り込んでいる。(中略)でも何故毎日11,000アカウントが登録されるのに、ログイン・コンカレンシーは下がり続けているのか?」
Herald はそれをビューワー2.0や高い土地賃貸料(管理費)や昨年のリンデンのスタッフの30%レイオフや低レベルのガバナンスに求めようとしています。そして
「リンデンラボは土地代を下げる余地はないのか?なにより問題なのはユーザーとの間に敵対的な関係を作ってしまったことにあるのだろう。」と述べています。
このHerald の記事に対しては多くのユーザーの書き込みがなされています。時間があればそれも見てみましょう。
2011年04月11日
強化型オッパイ
Tateru Nino のブログDwell on it の一昨日の記事です。
「この特別な機能は何カ月か前に溺死したと宣言しておくことができたものだ。私の知っていることを示しておこう、いいかな?
強化されたアバター物理(Enhanced Avatar Physics)というのは基本的に、ええっと、アバターの揺れる部分をゆさゆさ揺らす、つまりコントロールしたり調整したりする装着可能な物理オブジェクトのことだ。
今までは何かを揺さぶろうと思ったら、あなたはサードパーティのビューワーが必要だった。そしてそれはたいていの場合アバターのオッパイに限られていた。幾つかの試みは物理の部分を実際にうまくハンドルできなかった。時々乳首がブチュッと床や後ろに落ちてしまうこともあった。またアバターに装着したりはめ込んだりするものもうまくは動かなかった。
それはローカルに処理されたので、あなた自身のアバターに適用されるのに加えて、それが適当であるかどうかとは関係なしに、視野に入ってくる他のどのアバターにも適用されるものだった。
装着可能な新しい強化されたアバター物理はお腹やお尻や胸に動きを与えるもので、あなたおよび同等の機能を持つビューワーの使用者だけに認識されるものだ。しかしこの新機能はアバターが装着していたり、はめ込んだりしているものと連動して動くというわけにはいかないように思える。
サードパーティのビューワーは今のところこの新機能(EAP)をサポートしていない。私はこれを体験するのは面白いことだろうと思うし、同時にサードパーティでもオッパイが揺れるのをサポートできるようにすればいいと思う。それは悪夢のようなことになるかもしれないが、間違いなく関心を惹くものになるだろう。
ゆらゆらするアバターの胸というのは実際人気のあるアイデアで、単に性的な意味合いで人気なのだとは思わない。むしろアバターがより自然に見えることを私たちは好ましいと思うということではないか?更に本当らしくみえるということなのだから。」
分かりにくい表現に溢れていますね。「アバターが装着したり、はめ込んだりしているもの」というのは男性アバターの側のものだと考えれば分かりやすくなるかも。
2011年04月09日
ツイターの強迫

やはりCopper Robot の記事です。おとといくらいかな?
「強迫観念というとやや言葉が強すぎるかもしれないが、今僕はその虜になっている。1週間に数回もTwitter の『私のフォローを止めた人』の情報をチェックしてしまう。
一日当たり半ダースから1ダースの人が僕のフォローを止めている。そのほとんどは知らない人で、多くはスパムを投げてくる人物か、糞ったれのメディアコンサルタントだ。
僕をフォローしなくなった人の中に明らかに実在の人物である名前を見つけると、僕は多分彼等は僕の絶え間のない爆撃のようなTwitter の書き込みに疲れてしまったのだと想像する。誰が彼等を責められようか。
2か月に一度くらいはその中に知っている人物で、僕自身もフォローしている人の名前を見つける。そういうことに出くわすと少し哀しくなる。でもそれはほんの少しの間だけだ。そして気がつくのだが、実は彼等は僕があまり知らないビジネス上の知り合いで、もうコンタクトしなくなっているし、あまり関心のない人だと気がつく。それでこっちもフォローを止めてやることにする。
一度か二度、このサイトが僕に僕のTwitterを止めようとしている人々に対し注意を怠らないように警告を発したことがあった。ま、ほんの一、ニ度のことだが。そして僕はもう長いことこのサイトを毎日チェックしている。
僕はこの毎日のチェックを楽しんでいるのだが、なぜそれをやっているのかは分からない。ただ続けていて、止められないのだ。」
問題の「私のフォローを止めた人」のサイトはこちらです。あなたが有名人で、ときどき読むに堪えない馬鹿げた書き込みをしてしまう才能の持ち主なら、こちらのサイトでも有名になれるということですね。
http://who.unfollowed.me/
2011年04月07日
傷つきやすい人

私たちが普通に持っているアメリカ人の印象というのは、快活で社交的で調子が良くて、積極的で金儲けが好きで、自分たちが一番と信じている自信家というものです。でも実際にアメリカで暮らしてみると、そうでない人々も一杯いるということが分かります。まるで日本人のように引っ込み思案で、気弱で、礼儀正しく、思いやりがあり、傷つきやすいという人も多いのです。女性は年配になると心情的に日本人に似てきますね。若いうちは欲張りで浅はかで生意気でどうしようもないです。
きょうはCopper Robotの4日の記事からで、ここにはとても日本人的なアメリカ人がいるのです。
「(出張を終えて家への帰途について)ロスのユニオン駅で列車に乗ろうと歩いていたら、20歳くらいの若い女性が話しかけてきた。彼女は金髪で、健康そうだったが、何日も風呂に入っていないような感じだった。『ちょっと失礼しますが、・・・』と彼女は話し始めた。
僕は彼女を無視してすぐ横を通り抜けた。何故なら彼女の物腰や見かけから物乞いに違いないと思ったからだ。そして僕は物乞いは無視する習慣になっている。僕は彼女がなんで物乞いしているのかを考えもせずに、働けるのに物乞いをすることを選んだ若者だと思った。
僕は列車に乗って、自分の振舞いを振り返りあんな風にはしたくなかったと思った。あの女性と関わらないために取った行動に後悔はなかったが、往来で声を掛けてきた人を無視するのは止めようと思った。僕はお金を与えることはしないまでも、少なくとも話しかけてきた人に気づき相手を認めることはできるのだ。
それで僕はその決心をツイッターに載せた。『僕は往来で話しかけてきた人が物乞いだと思ったら無視することにしている。でもそれは止めにした。それは愚かな行為だから。』
僕は列車に乗るのを楽しみにしていた。3時間近くも一人でラップトップを操りインターネットを楽しめるからだ。3日間の出張の結果をまとめて、記録や宿題や名刺の整理もできる。
でも鞄を開けると,MacBook Pro の電源アダプタが無いのに気づいた。うえっ、くそっ!と僕は思った。これが因果応報というものか。物乞いに邪険にして、アダプタを忘れるとは。
そして僕はさらに困った事態に思い至った。僕は事務所に戻るのは翌日の遅くで、汽車は夜の11時にしか着かない。いつものように3日間ろくに寝ないでトレードショーを走り回っていた。でもこれで、オフィスですぐさま仕事を始める代わりに、店に行って電源アダプターを買わねばならないことになった。
でもそれから思い出したのは、僕が無くしたアダプターは旅行用に使っていたもので、家にはもう1台あったのだ。だから慌てて買わなくてもしばらくは困らないことに気付いた。
そして僕はどちらにしてももう列車のなかで仕事するには疲れ過ぎていた。ちょっとものを読んで、Podcast を聴いた。
翌朝起きて突然思いついた。僕の問題、つまり4つ星ホテルにアダプタを忘れて来たことと、あの女性、この際ちゃんと立ち向かうが、ひょっとすると正真正銘のホームレスだったかもしれない女性の問題とを結び付けて考えるのは本当に間違っているということだ。
そして何故彼女が金をせびってきたと推測したのか?何故僕は彼女が働けるのに、その代わりに物乞いをしているのだと分かったのか?仮にやはりそうだとしても、彼女はそのときに他のことを話そうとしたのかもしれない。
そしていったい僕の仕事の何が彼女を無視する言い訳となるのか?あるいは僕の側の不都合な事件が、彼女の問題と結びついてしまうのか?
ちぇっ!彼女は物乞いですらなかったのかもしれない。ぼくはほとんどそうだと思ったのだが、でも僕は『ちょっと失礼しますが・・・』以外の彼女の話しは聞いていないのだ。しかし、僕は大体はそんな因果の法則は信じたりはしていない。若い女が僕に話しかけてきて、それを僕が邪険に扱って、それで僕がMacBook Pro の電源アダプタを忘れるなんて単なる偶然なんだ。
追伸:もし何百万分の一の確率で、あの駅の女性がこのブログを読んでいたら、僕はおよそ身長6フィートでほとんど頭が禿げていて、グレーのスーツを着て、ネクタイもグレーで黒のOvernight Bag とComputer Bag を引っ張って転がしていた男だが、ここに書き込みをするか、メールをして欲しい。」
人を無視してしまったという意識に彼自身とても傷ついていて、くよくよといつまでも後悔して、悩んでいますね。頭が混乱していて、アダプタをホテルに忘れた方が先なのに、彼の心の中では、人を無視したから罰が下ったのだと思い込んでいます。原爆を日本に落として、それは当然だと開き直っているアメリカ人とは違う人がここにはいるのです。ブログの話題ということを割り引いても面白いですね。「後悔していない。」とか「因果応報なんて信じない。」という強がりが、まあアメリカ人的と言えるかもしれません。それから、物乞いには冷たくしてもいいが、ホームレスには同情すべきだという感覚が彼にはあるようですね。え~彼とは米国人のマーケッターであり、SLユーザーであり、ブロガーであるMitch Wager です。SL界ではそこそこ有名。
2011年04月06日
グーグルのSNS

Copper Robot の先月の15日の記事です。
「今週末はグーグルがCircles という名の新しいソーシャルネットワークを立ち上げるというニュースでIT関連のメディアは持ちきりだった。でもそれはやがて『まあ、どうってことないだろ。』という見方に変わった。
僕はほっとした。何故って僕はグーグルのファンだし、それがサメに飛びついて行くのを見るのはちょっと悲しい思いをするだろうから。
グーグルは自前のソーシャルネットワークを立ち上げるべきではない。今やるなというのではなく、永遠にやるべきではない。Facebook や LinkedIn やTwitter は既にマーケットをがっちり押さえてしまっている。グーグルの新しいSNSは決してそれらに追いつくことはできないだろう。グーグルは絶え間なくムチ打たれ、決して成功しないだろう。
それはBing 検索システムとInternet Explorer を担いでいるMicrosoft みたいなものだ。
世の中が既に検索システムやブラウザというものを超えて動いているのに、Microsoft は過去のソーシャルネットワークに向けてうごめいている。
グーグルはもっと先のことを考えた方がいい。それはソーシャルサーチと可動性の戦略を追求し、グーグルの得意な分野、たとえばソーシャルメディアを使った検索や位置情報サービスといったものだ。」
2011年04月01日
支払いの問題

Dwell on it の記事によれば、SLユーザーがリンデンラボにお金を払う方法を新しくしたために混乱が起きているようです。リアルなお金の支払い方法としては次のものが認められています。
(1)クレジットカード:VISA、Mater, Diners, JCB
(2)銀行口座からのオンラインの支払い
(3)eWallets
(4)Debit Cards
(5)その他 (eCheck, プリペイドカード)
で、オンラインの支払いでPoli というシステムがあるのですが、これは多分主として豪州、ニュージーランド、南アなどの発祥のものだと思うのですが、このオンライン支払システムはPCのOSによって機能しない場合があるのです。
自分で払った積りでも実際には支払いがなされていないということになると、リンデンラボは機械的にアカウントを使えなくしたり、土地を取り上げてしまうのです。どちらも復活が可能でしょうが、私もクレジットカードの再発行の際に同じような問題が生じて、危うくSLから抹殺されるところでした。
また欧州のユーザーでは新しい支払い方法を使おうとすると一から個人情報を全部入力しないといけななかったりするということです。
つまり、便利にしようとして、かえってユーザーを苦しめ、SLに背を向けさせる結果になっているのでした。
まあ、私には直接の被害が及んでいないので、あまりピンと来ません。
でもAmexが使えないのにJCBが使えるなんて、結構メジャーなカードなんですね。