2014年12月20日
この国の知性のかたち

何ヶ月も投稿してなかったですね。なんか他人のブログみたいです。まあ、書くことがなかったわけですが、SLに関するブログを書いている人はまだまだ沢山いて、それなりに花盛りなんだと思います。
ただ、私がそのお花畑に足を運ぶ気がなくなってしまったということでしょう。私も含めて過去にSLブログに熱中していた人が止めてしまった理由というのは、分析すれば随分深い視点も可能かと思うのですが、それはもっと大きな、SNSの将来みたいなテーマのなかで述べるべきですね。
特に書くこともないのですが、今日は例のスタップ細胞の小保方さんがギブアップさせられたというニュースがもたらされました。
彼女にたいしては毀誉褒貶が激しいのですが、どうやらみんなが気がついていない大きなポイントがあるみたいです。マスコミや、評論家や、理研の内外の科学者は様々な主張をのべています。様々に小保方さんや理研を批判したり、擁護したりしていますが、彼らの立場の隔たりにもかかわらず、共通しているポイントが一つあるのです。
それはみんな技術論に終始しているのです。羅列してみましょうか。
1.小保方さんは元を正せばAO入試で高度な科学研究などさせるのは無理だった。
2・小保方さんはちゃんとした科学論文の書き方を教えられていなかった。
3.論文製作の大家とマウス作りの第一人者が脇を固めていたのでみんな安心してしまっていた。
4・実際にスタッフ細胞を作ったのは小保方さんだけであった。
5.山中教授の向こうを張って研究成果を出して予算を獲得しようと焦った理研の勇み足だ。
他にもいろいろありますが、全部「こうすべきであったのに、そうしなかったからこんな結果になった」というものです。
今回の情けない事件の本質はそんなところにはありません。なぜ、こんなことになったのか、それは」ほとんど全ての関係者、部外者、マスコミが「科学とは何か」が分かっていないからです。
小保方さんの論文と理研の主張はこういうものでした。
「なにか分からないけど、細胞に刺激を与えたり、こすったりすると、万能細胞化する。」
これが正しいかどうか、どうすればそれを頻繁に再現できるかについて日本中が喧しく言い募っていたのです。 しかし、これは「科学」ではありませんね。
科学であれば必ず次のような問いかけがなされ、それに対する答えが、たとえ仮説だとしても用意されていなければなりません。
「どうして刺激すると細胞が万能化するのか? それはどのような細胞生物学の理論に拠っているのか、もし今回新たな理論を構築するのであれば、それは何か?」
日本中が本質論ではなく、技術論に終始していたのです。そしてこれは今も変わっていません。
「なんか分からないけど、コエンザイムQ10を飲むと若返った気がする。」 というオバサンと同じです。日本中が健康食品の製造者や消費者並みの知性しかないのです。まあ、ノーベル賞取るような人はこんなことはないのでしょうが。
このように考えるとこの手の情けなさはいっぱいあるような気がします。