2008年08月21日
知らないところで

Tateru Nino って女性だったんですね。Prokofy Neva のブログでNino はShe と表現されていました。私はずっと男性だと思っていました。確かにアバターは女性ですね。ちょっと堅苦しい30代女性の見かけです。でもアバターやブロガーの性別を云々するってあまり意味ないです。
さて、彼女がSL以外のGrid の使い道についてブログで書いてました。まず現在私たちが使っているSLのGridからTPによって新たなGridに移動できることの狙いあるいは意味は何でしょうか? 私たちは単にSL以外の第三者が受益者となってアバターにとっての新たな活躍の場ができるって思いますね。でもそのときリンデンラボにはどんなメリットがあるのでしょうか?
結論から言うと少なくともリンデンラボが考えている第三者のGridというのは名もない個人が経営するものではなくて、飽くまでも大企業によって運営されるものなんです。では企業にとってSL 内のSimではなくて自分のGridを持つ意味はどこにあるのでしょうか?わざわざFirewallの外にそういうものを作る意味は何なのかですね。
以前IBMはSL に膨大な投資をしてビジネスの可能性を探っていた時期があり、それがあまり見出せないことから一転して社内Gridの構築に動き始めたのが07年の後半です。でも、これだと社内の人間がアバターになって会議しているだけで、付加価値は低いんです。外との情報交換が必要です。というわけで再度IBMはリンデンラボに接近して社内Gridでもない、SLGridでもない第三のOpenGridを選択したんですね。
このGridのメリットは既に私が指摘したプアなTPに関係しています。アバターがTPすると名前も見掛けも変り、お金もインベントリーも持ち込めないし、何もRezできないっていう状況ですね。もうこれはTPとは呼べない。でもこの欠点がメリットに転換されるんです。
安全で清潔で静かな世界、ビジネスの目的だけに捧げられた効率的なGrid、そんなものを企業は望んでいるんです。だからそこにはMatureなSimから卑猥なことばや動作で周りを呆れさせるようなアバターは入ってこれません。例のプアなTPシステムがフィルターの役割を果たすわけです。入って来た後で変身しようとしてもボタン一つで消滅させられちゃいます。
清浄な環境の中で教育やマーケティングや情報交換が行われる3Dの空間、淡々と作業の目的が達成され、成果が伝達されていく空間、それに必要な能力のあるアバターだけが存在を許される場所なんですね。そのような世界とアプリケーションこそが3DSNSの次世代の姿だとリンデンラボは考えているわけです。そしてそれはIBMにとっても紛れもない情報システムサービスの一つのオプションになるのです。
でもお仕事ということになると、ご飯食べないといけないので、必死で無理をしたり面白くもない作業を繰り返したり、無茶振りを我慢したりしないといけないですね。それって単にRL。ちっとも楽しくないような……。
私たちが蠢いているSLGridとは別のこんな世界が知らないうちに増殖していくんでしょうね。
Posted by Sophiee Winkler at 13:15│Comments(0)
│ビジネス
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