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Sophiee Winkler
Sophiee Winkler
2007年6月生まれ。MagSLの原宿に住んでて、HARAJUKU PLACE というお店をやってます。景観商品とか小物が中心です。最近はスキンとシェイプに凝っています。
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2008年10月31日

土地について(2)

土地について(2)

SLの土地の第二の大きな特質はそれが無尽蔵に供給できるものであることでしょう。現在のところSLの土地の総面積はRLの地中海にあるマルタ島よりちょっと大きいくらいですが、理屈上は地中海はおろか全地球の陸地面積を超えて増殖していくことも可能です。サーバーを追加すればいいんですからね。

もちろんそんなに多くの需要は今のところ見込めないし、電力やネットワーク、サーバーブレードや筐体に使う資材といった制約条件は存在します。でも、それらは相対的なものであって、技術が発達すればもっと少ない資源やエネルギーでSLの土地をサポートすることが可能になるでしょう。

従ってSLの土地は一見RLの空気や水並に膨大に存在し得るものなので、値段がついて取引が為されているのもおかしいような気がします。でもご存知のように土地の供給は今のところ唯一絶対の存在、リンデンラボに握られているので、私たちは一方的に掲げられた条件を丸呑みにすることでしか土地の利用を始められないのです。リンデンラボに対抗する存在として他のOpenGridがありますが、それらはまだ弱小で付帯サービスもプアなため競争者の地位を得るには至っていません。

物の価値というのはいろんな考え方があるみたいですね。土地の場合はそれを利用して得られる利益が目安になるでしょう。店舗を開いて商売をすることで得られる利益とか、人に貸して賃貸料を得るとかですね。もちろんそのようなインカム・ゲインの他にそれを転売して値上がり益、キャピタル・ゲインを得るということもあります。

SLの土地もこのRLの土地と同じようにある経済価値があると見做されて売買されているわけです。実際にSLのなかで一定空間を好きに使おうと思えばその底になっている土地を買うか、借りるかすることが必要になります。でも何度もお話しているように、SLの土地は自由市場で売買されているのではないので、RLの土地と同じように考えてそれを前提に行動すると、かなりの確率で足を掬われることになるのです。

さすがに今は少なくなったのでしょうが、昨年辺りまで特に外国では、SLの土地を利殖の対象と考えていた人が少なくありませんでした。何に使うのか自分ではアイデアを持っていないけれど、SLに参加する人がどんどん増えているのであれば、土地の需要も増加していき、節度を持った供給が維持されている限り、土地の値段は上がっていくので、土地を転売したり賃貸したりして利益が得られるはずだと考えた人がかなりいたようです。それでお小遣いを超えるようなお金を手にした人も沢山いたでしょう。

でもこれは「領主様」に余裕があって、「節度を持って」土地の需給や取引価格をコントロールしている場合にのみ可能な現象であって、今のように余裕がなくなり節度を失ってしまえば、土地を利殖の対象とする目論見はやはり仮想のものであったと思い知らされるわけです。これらの投資家のうち本質的には短期の勝負でしかないと割り切っていた人は難を免れ、老後の資金になんて長期の計画を立てていた人は大きな損を背負い込んでしまったでしょう。また土地を利用してちゃんとしたビジネスを運営していた人も、土地の取引価格が下がってしまったので、撤退する場合の敷居が高くなってしまいました。(Exit Barrier)

でも遡って考えてみれば、「領主様」はそもそも「高利貸し」に膨大な借金をして領国を運営していたようなものなので、実は余裕などなかったのです。そうして昔は領民のことを幾分かは考えていたけれど、今はその座を追われ、名誉職に留まりながら趣味に没頭しているというのが実情ではないでしょうか。代わって登場した「お代官様」はもうRLもSLも区別なんかしていなくて、要するに決められた期限までに決められた額のキャッシュを搾り出すことに奔命しているわけです。私たちにとってはSLはSNS仮想空間であっても、運営している彼等にとっては紛れも無いRLのビジネスなので、資本の論理がすべてを覆い尽くしてしまいそうになっているのは、止むを得ないことともいえます。

本来無尽蔵であるはずの仮想空間では、そこで生み出されるコンテンツやビジネスモデルに価値を持たせてRLの経済と繋げることで成長を図っていくのが本筋だと思うのです。仮想空間それ自体を売買の対象として利益を追求していくという今の「不動産業モデル」は、初期の段階では仕方ないし有効でもありました。でもそろそろ疲弊してきたのではないでしょうか?

いったい私たちは豊かな土地が欲しかったのか、豊かなクリエーションやコミュニケーションやインスピレーションが欲しかったのか、あるいは結局は豊かな「お金」だけが目的だったのか、それによってSLとの関わり方は随分異なったものになってくるのでしょうが、私たちの多くはそのあたりが頭のなかでグルグルに絡み合って仕舞っているような気がします。

抽象的なことばかり書いているので、次回は今回の管理料の改定でどれくらいの収入増になるのかなんて、考えてみようかしら?

タグ :土地

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Posted by Sophiee Winkler at 13:21│Comments(0)ビジネス
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