2009年01月12日
広告と教育
昔のSLの解説本を読み返してみました。そうするとそこにはSLで発展するビジネスとして「広告」と「教育」が載っていました。う~ん、今となってはそれはちょっと違うような、当たっているような……。
「広告」というのはアバターに対してSL内の商品やサービスを広告するというのではなくて、アバターの背後にいるユーザーに対してRLの商品やサービスを広告するという意味ですが、既存の広告メディアと比較して効果的だとは思えませんね。ユーザーはRLで生活している時間の方が多いでしょうから、SLの中でRLのものを広告するのは余計なのかも。3DというのはSLの大きな特徴だけど、通常のネット広告でも表示は可能です。
だから通販広告なんかで、商品を回転させたり分解したり動かしたりするのに3Dが使えると消費者としては有り難いけど、これが通常の人間を使った映像による販売なんかより優れているのか、あるいは3DだとしてもSLでないといけないのかというところが課題ですね。
広告というのは基本的なニーズがないと意味がないので、いきなり広告から考えるよりもどんなRLのニーズがSLを通じて満足させられたり、刺激されうるかということが最初に来るはずです。でもそこんところがみんな分らなくて悩んでいるような気がする。これはもっと深く考えてみないといけませんね。でもSLが現代のRLのビジネスや生活のなかでどのように役に立っていくのかという方向がまだ定まっていないので、試行錯誤を続けていく他はないような気がする。
少なくともRLの企業がSLで自らの商品サービスをシンプルに広告するというモデルは付加価値が少ないということに企業側も気が付いたようで、これも大企業のSLからの撤退の一因になっています。
「教育」というのはSLの中で今最も注目されている分野ではないでしょうか?25日から30日に掛けてリンデンラボ主催で「教育サポートフェア」が行われます。教育はRLでもSLでも大きなニーズがあることは間違いないでしょう。
ただ、これもどうしてもSLでないといけないのか、SLのなかで行うことにより理解が深まり、習得が速くなるという面がないと他のメディアには勝てないでしょう。みんなで学校の教室のようなところに座って講義を受けているという形式よりも、一対一で画像を使ってQ&Aできる、SNSのそういう機能を生かした使い方を工夫するのがいいでしょう。
広告も教育も情報を如何にして相手に伝えるか、その効率や正確さ、深さの面で目的や対象によってどういうメディアがいいのかがポイントです。その都度一番いいもの、あるいはその組み合わせを考えることが大事で、SLに限った方法が一番いいというのではないですね。だからSLの教育事業も前途多難です。例えばある教育機関がSNSを使って事業を行おうと思ったときに、SLよりももっと普及しているメディアを使うことをまず検討するでしょう。
SLやアバターと特性、SLのメリットということをもっと掘り下げていかないと、他のメディアとの差別化は難しいと思います。でもそれを考えてみるのはちょっと知的に面白いかなって思います。サポートフェアで何かヒントがあるかも。
画像はリニューアルした達磨ストーブと背景の景色です。ひざ掛けも欲しいな。
Posted by Sophiee Winkler at 11:38│Comments(2)
│ビジネス
この記事へのコメント
教育も、1対1〜4くらいでやるなら、ビデオチャットの方が良さそうですしねー。
微妙な表情の読めないアバター、身体特徴が、他の人にみえないという事が、逆にメリットとなるようなシチュエーションが見いだせると、もっと良いのでしょうね。極論ですけど、顔に障害があって、人前に出たく無い方とか・・・
ヴォイチャ使った英会話なんかだと、お店に買いに行くというロールプレイングは、教育やりやすいですね。
微妙な表情の読めないアバター、身体特徴が、他の人にみえないという事が、逆にメリットとなるようなシチュエーションが見いだせると、もっと良いのでしょうね。極論ですけど、顔に障害があって、人前に出たく無い方とか・・・
ヴォイチャ使った英会話なんかだと、お店に買いに行くというロールプレイングは、教育やりやすいですね。
Posted by Kurokuro3rd Giha at 2009年01月16日 10:58
コメントありがと~。リンデンラボは今教育を大きな柱として育てようとしています。でもまだまだ手探りの部分がありますね。SLのデメリットを消しながら、メリットを追求していけるようなアプリケーションが見つかるでしょうか?
Posted by Sophiee Winkler at 2009年01月16日 21:06
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