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Sophiee Winkler
Sophiee Winkler
2007年6月生まれ。MagSLの原宿に住んでて、HARAJUKU PLACE というお店をやってます。景観商品とか小物が中心です。最近はスキンとシェイプに凝っています。
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2009年05月20日

エコの裏側

エコの裏側

Massivelyに面白い記事がありました。最近話題のCarbon Footprintについてです。直訳すると「炭素の足跡」ですが、使われている意味としては、「商品のライフサイクル全体にわたり排出された温室効果ガスをCO2排出量に換算して表示したもの」ということになります。企業なんかが自分達の生産活動のエコ度合を表現するのに使っているのですね。確かにこういうものの見方は大事です。

で、記事の方は掻い摘んでいうと、「四半期ごとに流布している噂があって、それはSLのアバター一人当たりのカーボンフットプリントはブラジルの国民の平均値に等しい」というものです。

数値としてはどれくらいのものか明らかにされていないけど、ブラジルの国民の平均値というのは、全ブラジルのエネルギー消費量を人口で割った数字ではないでしょう。平均的な国民が生活に使っているエネルギーのことなんでしょうね。だからそこには産業や公共の場所で使われているエネルギーは入っていないし、ましてや次から次へと森林を燃やし、破壊していることによるマイナスのエコ活動の影響なんて計算されていないはずです。

わたしは去年リンデンラボの全サーバーが消費しているエネルギーを計算してみたことがあります。具体的には当時SIMは11,900あって、このサーバーの消費電力を賄うためには175W×11,900=2.08メガワットが必要です。風力発電機の大きなのがちょうど2メガワットの発電量ですから、リンデンラボはカリフォルニアに自前の風力発電所を1基つくればよかったのでした。

でもこの数字にはメインランド分は入っていないし、また実際にはサーバーの運転には仕事のための消費電力とほぼ同じだけの電力が「冷却」のために必要になります。サーバの置いてある部屋を冷やすのかな? だから島の増えた今では多分大型の風力発電機数台は必要でしょう。

更に私たちがそれぞれのPCを動かしているエネルギーもあるので、この何倍かの電力を使っているのでしょう。まあどこで区切るかによって計算なんて幾らでも変わってくるし、ブラジル人じゃなくて、バングラデシュの人ならアバターの方が多く消費していることになってしまうでしょう。

リンデンラボはこの指摘に対応して(ではなくて多分コスト削減のため)、テレマークという外部の事業者にワシントンDC郊外にデーターセンターを運用させることに決めて、もう運転は開始されたようです。また、サーバーのクラスを5から6にすればもっとエネルギーの節約になって、リンデンラボは利益を出すことができますね。テレマークについてはこちらで。

http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/foreign/2008/06/06/13111.html

今のところ、この手のエコ論議は正しいものと怪しげなものの玉石混交の状態で、マスコミなんかも何も考えずに、いい加減な学者や研究者の発表した数字を鵜呑みにして垂れ流しています。たとえば自動車の排気ガスによる大気汚染や地球温暖化については誰でも言及するけど、毎日何千フライトも飛んでいるジェット機による汚染や温暖化について言及しているマスコミなんてありません。地上と高空ではその効果だってかなり違うので、研究が追いついていないということもあるでしょうが、ジャーナリストが自分の頭で考えてないということも大きいでしょうね。

「意識の高い」家庭の主婦は資源を大事にすることがエコに繋がると思ってペットボトル集めたり、牛乳の紙パック洗ってまとめて回収してもらって喜んでいますが、実際にはついこの間まではその恩恵を受けていたのは中国の業者だったり、また紙パックを洗うことで紙の再生業者は助かりますが、下水処理には余計にエネルギーが掛かってしまい、汚染にもつながるのです。トータルで社会が受けるメリットとデメリットを比較してやっているわけではないということですね。

これって「エコ」を商売にして儲けようとしている人に庶民が乗せられているという図式ではないでしょうか?「私はそれでもいい。」とか「何もやらないよりはましだ。」という人達は自分の頭で考えることを放棄したまことに都合のよい人達です。売り出し中のハイブリッドカーだって、第三者がちゃんと検証したデーターを見てから購入するという人は少ないでしょう。だから売れているからといって「エコ意識が高い」とか「エコに熱心なメーカーの姿勢が支持されている」とかいうのは早計ですね。流行っていると言われれば意味なく買ってしまうのが現代の日本の消費者です。本当の情報というのは手に入れるのにお金も時間も掛かるので、それを使えるのは一部の人達だけです。私たちはその残りカスに味付けされたものをタダでもらって、ああでもないこうでもないと言い合っているんです。


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Posted by Sophiee Winkler at 13:12│Comments(0)ビジネス
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