2009年06月11日
クリエータの実態

SLではビジネスと遊びが混在していて、それが魅力にもなっています。リンデンラボや大手の不動産仲介業(土地を貸したり、店舗を貸したりするビジネス)、大手のショップや工房などは飽くまでビジネスのためにSLに関わっています。
また、ビジネス的観点からは全く採算がとれないにも拘らず、クラブやモール、イベント会場を運営している住民も多数います。そのなかには純粋に3D仮想空間での人との出会いを目的とするものから、SLの可能性を試す、いわば先行投資の意味で施設を維持している人も多いでしょう。
この他にも多くの企業がSLに参入していますが、新しい動きにとりあえず乗ってみようというくらいで、積極的にRLとSLを繋ぐビジネスモデルを構築するという意識は弱く、皮相的な取り組みに終わっているところがほとんどです。
さて、そのなかで余りにも当然のことなので忘れてしまいそうになる問題があります。それは個々のユーザーの奉仕に近い自発的な活動です。別に世のため人のためになっていない場合もあるけれど、広い意味でボランティアと呼んでいいのかもしれない。もっともデジアカの先生を始めとして、無償で住民にものを教えている人達は本来の意味でのボランティア(篤志奉仕家)ですね。
こういう簡単にいうとタダ働きをしている人達は具体的にはSLでどんなことをやっているのか、何を思っているのかを考えて見ましょう。
例えばSLの中の音楽アーティストをRLも含めて売り出すために大掛かりなイベントを幾つも行なうというような場合、企画や会場の設営や、音楽やマシニマの制作などで膨大な人手と時間が掛かります。SLのメリットの一つは同じことをRLでやったらコスト的にとても見合わないことがほとんどタダでできることだと言われていますが、これは正しい反面、嘘も含んでいます。RLであろうがSLであろうが人手は掛かかるのに、SLでは様々な役割を果たすスタッフにお金を払うことはないでしょう。そのうちのたった一人だけにRL並みの賃金を払うだけで、プロジェクトは成り立たなくなってしまうからです。つまり全部ボランティア。
この種のボランティアは最初は純然たる面白さ、SL自体の面白さやみんなと連帯してイベントを成功させることの面白さから始めた人が多いでしょう。でもそんな活動が定期的になり、たとえブレークしてそこからスターが生まれたとしても、常に奉仕を求められていく裏方に当たる人達の意識は徐々に変容してくるのではないでしょうか?RLの貴重な時間を使っているのは、認められたいとか今すぐではなくても何かのビジネスに繋げたいという、いい意味での「下心」があるはずですね。でもそれがいつまでも満たされないとしたら、私だったら嫌になって止めてしまうでしょうね。
例えビジネスだってSLの中ではそれを維持・運営するという場合には比較的安い見返りで働いてくれる人が必要になってきます。例えばMagSLという不動産関連ビジネスの会社がありますが、そこで私たち住民をサポートしてくれているスタッフはそれでお金をもらっていないというわけではないけど、実際にRLの他の仕事と比較して儲かっているかというとそうではないでしょう。
まあRLの本来の仕事をしながら、バイト的に好きなことをやってそこそこのお小遣いをもらっている、見返りにタダで土地を使えるとかいうのはあるでしょうね。でも「仕事」になってしまえばそんなに新鮮な喜びは感じられなくなるでしょう。実際にそれで一家を養うというのはちょっと苦しいので、結婚したり子供ができたりしてそのうち止めてRLに専念するということになるのでしょうね。
また、いつの時代にも芸術家にはパトロンが必要です。歴史的にはそれが領主様であったり、教会や富裕な商人であったりしたのですが、SLでも大土地所有者がその役割をになってきました。クリエーターは自由に使える土地やプリムを必要としていますが、作ったものを売らないのであれば自分で土地を維持できないので、どこかにパトロンを見つけてそこに所属する形が一般的でした。この構造によってSLでも多くの素晴らしいSimが造営されイベントが開催されて、他の住民を惹き付け楽しませてくれているのです。
しかし、この仕組みが本当に個々のクリエーターの欲求に合致しているかどうかは別の話です。時間のないなかで追われるように間に合わせのものを作っているばかりでは、大きな進歩はないし、自分の作りたいものが作れているわけでもありません。だからOpenspaceのように比較的割安に土地を手に入れられたり、あるいはクリエーター同士でFull Simを協同所有するということで、パトロンに対する義務感から解放されて自らの思う世界に没入するという人も増えてきていることでしょう。
もちろんクリエーターといっても様々です。RLで既に相当な基盤を確立している人から、RLではリスクが高すぎるのでSLから始めたという人もいるでしょうし、私のようにRLのクリエーションは外部に発表できるものでないので、全く違うものをSLで作っているという人もいるでしょう。また、クリエーターにもSLのなかでのライフサイクルのようなものがあるのかもしれません。やたらもの作って人にあげる時期とか。
この問題はまだ全容がわからないし、どこがポイントなのかも正直よくわかりません。だからここまで読んで何が言いたいのか分からないという人も多いと思います。でもこんな風に得体のしれないものを、ああでもないこうでもないと考えて、何か一つの仮説のようなものに仕立てるのが私の趣味だし、まあRLでもそれでご飯を食べているのです。
もう少し深く考えてまた書くことにします。(MagSLについての記載は飽くまで例として名前を引き合いに出したもので、私の思い込みにすぎないので間違っていたらご指摘下さい。いやいや本当はもっと儲かっているぞとかね。^^)
Posted by Sophiee Winkler at 14:27│Comments(0)
│ビジネス
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