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Sophiee Winkler
Sophiee Winkler
2007年6月生まれ。MagSLの原宿に住んでて、HARAJUKU PLACE というお店をやってます。景観商品とか小物が中心です。最近はスキンとシェイプに凝っています。
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2009年08月04日

ビルダーボット(8)

ビルダーボット(8)

Copy BotはSLの誕生直後に出現しています。それはコピーボットがSLのバックアップ用に作られたプログラムが不用意にオープンソースのまま放置されていたことに起因しています。ハッカーによりコピーボットとして作りかえられたものはSLの中でばら撒かれてしまったのでした。2006年11月のことでした。

被害が拡大していったにも拘らず、リンデンラボは当初事態を静観していました。それは自分達に関係するグループの落ち度を認めたくなかったからなのか、あるいはコピーであれ、それをRezすることにより土地が売れ、偽物の売買でも経済の発展と見做すことができると考えたのかもしれません。また、テクスチャーのみの窃盗であれば、それはコピーボットでなくても、通常のスクリーン・キャプチャーによっても可能であるということもあるでしょう。ひょっとすると本心ではSLの中のクリエーションなどオリジナリティーや価値は低い保護に値しないものだと思っていたのかもしれません。

しかし、住民の猛烈な抗議活動により、ついにリンデンラボもCopy Botを使用する行為をTOS(サービス規約)違反と宣言せざるを得ませんでした。ただ、それはコピーライトの侵害行為がなされた場合に、証明がなされれば罰則を適用するということで、侵害行為そのものは減ることはなかったのです。

更にリンデンラボがコピーボットの実態についてほとんど何も開示しなかったために、人々は噂に怯え、本当かどうかも怪しい「Copy防止装置」を買い求めたり、SLを止めてしまったりしたのでした。様々な流言が飛び交い、やがてスクリプトも、アバターもコピーできるCopy Bot2.0の誕生の噂によって人々はパニックに陥りました。幸い日本のSimはコピー常習犯から注目されることは少なく、被害は限定的でしたが、これは私達が気がついていないだけかもしれません。

リンデンラボの本音はおそらくIn-worldの侵害行為はRLで問題にされる段階になってから対処すればいいというものでしょう。つまり現段階では「ごっこ遊びの内輪もめ」としかRKでは認識されないだろうと高を括っているのです。それよりもRLの大企業のロゴを誰かが無断でSL内に掲げる方がよほど現実的な脅威で、そちらの方に目を光らせている筈です。現にRLの企業から商標侵害で訴えられたこともあるのです。

さて、コピーボットは益々進化し、ほとんどすべての要素を短時間に盗むことが出来るようになりました。また今まさにSimをまるごとコピーできるBuilderBotがリリースされようとしています。それに対しリンデンラボも含めて、現時点で私達のできる対抗措置はほとんどないに等しいでしょう。さらに最も問題なのは、このデジタルな無体財産権とその侵害に対し、どのように考え、今後どのようにそれを守り、運用していくかについて、まとまった主張、ポリシーというものを誰も述べていないし、どこにも掲げられていないことでしょう。

リンデンラボがこの問題の解決に対して積極的に取り組んでいないように見える理由は上に掲げたように様々なものがありますが、実は最大のものはこの問題がSLというよりもRL上の大問題であるということです。一言で言うと、この何十年かの間にRLで蔓延して解決の目処が立っていない、RLの創作物に対するコピーライトの侵害問題が仮想世界にも及んでいるに過ぎません。したがって今のところ解決の方向は示されていないのです。いや、剽窃の対象が電子的な情報として匿名性の高いネットワークの中で処理してしまえる仮想世界においてはその防止は更に困難なのかもしれません。

理屈では私達ユーザーの倫理性を高めることでそれらの違法行為が行われないようにするという選択肢もあるでしょう。しかしRLの現状はそのような試みはまったく意味をなさない観念的な自己満足に過ぎないことを証明しています。従って他のRLでの犯罪の抑止策と同様に、物理的、技術的に窃盗が行われないような仕組みを作るか、あるいは非常に重い罰則を掲げて犯罪行為を割に合わないものにすることが現実的です。

また、一部のヨーロッパ諸国では大麻を合法化したり無料で配ったりして、犯罪行為にともなう経済的利益をなくしてしまうことで、犯罪組織の資金源を絶つという対処の方法もありますが、これは個々の権利を犠牲にして社会の安全を保とうとする苦肉の策で、とても賛成しかねるものです。

リンデンラボが本気で解決を図るのであれば、様々な技術的対策が考えられます。商品・作品に電子的な透かしを入れるというのはまず考えられることです。プリムの製作やテクスチャーの適用にかかわるソースコードを違うものに作り変えてしまうということもできるでしょう。また、専用のビューワーをつくりアイデンティティーを証明・登録されたアカウントに限って商品の販売・購入を認めるという方式もあるでしょう。

人間が作ったガードは人間によって破られるといわれていますが、破ることに手間や時間や費用が掛かるのであれば、かなり有効な対策といえるでしょう。もし、リンデンラボが今まで通りの中途半端な対応を続けているのであれば、ハイエンドのクリエーターやユーザーは自分達だけの閉鎖的なGridを作ってそこでものづくりと消費を楽しむという道を選択するかもしれません。

マルチバース(複数のバリエーションに富んだメタバースが共存する世界)の時代が訪れつつあります。リンデンラボは土地を売ってレベニューを最大化することを考えているだけでなく、自分達が何を提供しようとしているのかをしっかりと定義し直す必要があるでしょう。そうすれば今何をなすべきかは自ずから明らかになってくるはずです。

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Posted by Sophiee Winkler at 16:03│Comments(0)ビジネス
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