2009年09月25日
Gridのイシュー
今日はこのブログを始めて以来、折に触れて扱ってきたOpenGridあるいはOpenSimをめぐる様々なイシュー(論点)をおさらいしてみることにします。もちろん私は専門家ではないので、とんでもない思い違いがあるでしょうし、知らないこともいっぱいあるでしょう。解釈の仕方が根本的に間違っているということもあるでしょう。だから、おかしいなと思った人は書き込みしてくださいね。
OpenSimは以前お伝えしたように既に大きなグループに属するものだけでも2万を越える数に達しています。またIBMを始めとする大小の企業はファイアウォールの内側に独自のGridを構築し社内用に使用するとともに、壁の外ではウェブブラウザーからアクセスできるOpenSimを構築してRLのビジネスに利用することを始めています。
この事態はリンデンラボからいうとGridの独占が出来なかったということで、満足のいくものではないでしょう。リンデンは始めからオープンソースでいくことを宣言していたという見方もあり、実際にViewerはサード・パーティ向けにコントロールされた範囲でオープン化されましたが、事態はリンデンの予想以上のスピードで進展し、どちらかというとそれらの一般の動きに追随する形で、なんとか面子を失わない程度のところにいるといった方がいいでしょう。
リンデンラボの問題は何時でも考えの中心にSLがドデンと鎮座していて、そこからの発想、それになんとか紐つけることを考えていることです。これが彼等の発想を束縛し、戦略的自由度を低くしているのです。一旦SLとは別のユニバーサルなグリッドを作ってみるということに踏み切れないわけですね。
そんなことをしてしまうと、SLから上がる利益が大幅に減ってしまうのではないかという心配があるのだと思います。利益の源泉は土地を売ることとその土地の管理費、つまりはサーバースペースのレンタル料なので、他のグリッドを無秩序に拡大させて、SL内の土地の所有者(?)が減ってしまっては困るからです。
このリンデンラボのSLへの固執を支えているのがSLの技術的優位性やサービスレベルの高さです。アバターをユーザーの思いのままにデザインし着飾ること、プリムやスクリプトを自由に組み合わせて様々な楽しいアイテムを作りだすことに掛けては、新興のGridは到底適いません。ウェブ経由のOpenSimでは今のところ3次元アニメで代用できてしまうようなレベルの動きや見掛けのアバターしか提供できていないのです。また、Gridのメンテナンスは24時間のサービスであり、リンデンラボ程度の大きさがないとスタッフを常駐(といっても自宅にいればいいんだけど)させることはできません。
一方で独自Gridの開発と言うこと自体、Reverse Engineeringに基づいてなされたということですが、この辺りがかなり如何わしくて、本当にリンデンラボの知的財産権が侵害されていないのか疑問があります。またリンデンラボ自体その部分で争っていないので、この技術体系のオリジンが本当はどこにあるのかは公には明らかにされてはいないのではないでしょうか?
また、新興GridではSLから様々なアイテムやスクリプトを違法に持ち出しては、それで貧しさを補っているという面があります。何だかフン族がローマ帝国から文明の成果を略奪しているみたいですね。これも由々しき問題です。
以上を簡単に眺めると次のようになります。
(1) リンデンラボはSLのGridを開発したが、何故か排他的な知財保護策を採らなかった。
(2) リンデンラボはViewerとServerのオープン化をコントロールしつつ進展させようとしたが失敗して、多くの新興Gridが増殖した。
(3) これはSLにおける余りにも高額の管理料が、Price Umbrellaとなって、他の者の類似品開発をプッシュした結果である。
(4) IBMを始めとする大企業はSL内での活動にメリットを見出せず、自らの企業内、あるいはブラウザベースのRLビジネスへの利用の方向へと方針転換した。
(5) 一方で、新興GridはSL並みのサービスレベルを確保できず、住民やクリエーターのなかには知的財産権侵害を行なって、SLの個々のユーザーから創作物を盗むことでSimの建設やビジネスの加速化を目論む動きも生まれた。つまりSL内の財産権侵害はGrid間に拡大された。
(6) 新興Gridとの差別化のためにリンデンラボはプラットフォームのさらなる高度技術化を考えているが、PC等ネットワーク面での大幅な技術革新がない限り、これは新ユーザーのエントリーを抑制する結果となるであろう。
その結果として比較的エントリーのやさしい低スペックGridの開発がSLへの導入プログラムとセットになってリンデンラボにより計画されることになるというのが私の予想です。
OpenSimは今はみんな面白がってやっている段階ですが、結局アバターが集まって来なければ、唯の空虚なスペースに過ぎません。SLを上回る過疎化に耐えられる人だけが遊ぶ空間ということになるでしょう。教育や会議といった機能が限定されるサービスには対応できるので、その分野での大きな発展は見込めるでしょうが、それも大幅なサービスレベルの向上(アバターのキャパシティ、メンテナンス、通信技術等)が求められます。
さて、そんなことはない、お前は根本的に間違っている、おまえは何も知らないと言う方はご意見をどうぞ。但し、例によってイロジカルなもの、馬鹿まる出しのもの、私より分かっていないもの、お下品なもの、Add Value のないものはトイレに流してしまいますので、悪しからず。
Posted by Sophiee Winkler at 12:25│Comments(0)
│ビジネス
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