2009年10月21日
被害者の救済
昨日は「受難の不動産業」なんていう題をつけてしまいましたが、実際に困っているのはホームレスになってしまった住民の方ですね。RLだと破産管財人等という第三者がいて、法律に則って手続きを進めていくのですが、SLには第三者もいなければ、法律もありません。
強いて言うならリンデンラボによる一方的な整理があるだけです。じゃぱらんどと同様のこのようなケースは、まず管理費を払っていないのでリンデンが没収してしまったL$があるとしても、それが住民に返還されることはないでしょう。また、逃げてしまった貸主がいったい誰なのかは、リンデンラボは明らかにしないので、単にSLのなかのアバター名や会社名が分かっているだけで、RLで訴えることもできません。
仮に分かったとしても、個々の住民にとっての損害金額は多寡が知れているので、RLで訴訟まですることはないでしょう。現にじゃぱらんどの経営主体のRLの名前は判明しています(Cube Japan)が、そこがお金を返したという話も聞かないし、訴えられたという話も聞きません。SLの中でも他の不動産業者達は黙して語りません。明らかな詐欺なのですけどね。何とかいうRLの音楽家はどうしてしまったのでしょうか?Cube Japan のサイトでは今でもSLが取り扱い業務の一つに掲げられています。この会社に対して日本のSL関係者は誰も何もクレームしていないのでしょうね。
http://www.cubejapan.com/
何か不法滞在者が犯罪の被害にあっても、加害者を訴えられないみたいな嫌な感じです。こっちの方は別に後ろ暗いところはないのですが。
クリエーターの権利がどうのこうのと綺麗ごとを言うだけでなくて、こういう実際の金銭的な被害をどうやって救済するのか、リンデンラボはあまり考えていないようです。リンデンそのものは当事者じゃないという見解なのでしょう。
でも、こういう部分を曖昧にしたまま、3D仮想世界のすばらしい未来を語ってもらっても、要するにユーザー使い捨てのビジネスモデルなんだなって思ってしまいます。「RLだって詐欺はあるし、悪い奴は一杯いる。」なんていうのは言い訳にもならない志の低いコメントですね。誰かが言いそうなので、予め書いておきます。
その気になれば不動産業を登録制にするとか、予めデポジットを積ませておくとか、払ったお家賃は一旦プールされてそこから毎日支払われていくとか、方法はあると思いますが、それよりも手っ取り早く土地を売って、管理費を取っていくということが優先されるのでしょう。
リンデンラボを始めとしてSLの活動をRLに紐つけてビジネスを大きくすることを考えている人は多いでしょうが、この辺りのIntegrity をしっかりとしないと、そのうちRLの厳しい洗礼を受けることになると思います。
さて、全然関係ないけど、私のものづくりの記録を次のブログ記事でご覧になることが出来ます。お急ぎでない方はどうぞ。
http://milkusagigroup.slmame.com/c61633.html
Posted by Sophiee Winkler at 13:06│Comments(2)
│ビジネス
この記事へのコメント
このあたりは
細かいところまで介入して保護規制をする大きな政府を望むのか、
ある程度市場自身の統制に任せる小さな政府を望むのか、
その人の指向にもよるところですね。
従来、リンデンラボは可能な限り規制をしないという方針でしたが
銀行にしてもギャンブルにしてもせざる得ない状況で
規制を導入したという雰囲気を私は感じます。
不動産についても個人的には不動産業業界が
自主的になんらかの仕組み作りをしたほうが健全だと思うのですが
このまま行くと、おっしゃるとおり全体での規制が
導入されるようになるかもしれませんね…。
細かいところまで介入して保護規制をする大きな政府を望むのか、
ある程度市場自身の統制に任せる小さな政府を望むのか、
その人の指向にもよるところですね。
従来、リンデンラボは可能な限り規制をしないという方針でしたが
銀行にしてもギャンブルにしてもせざる得ない状況で
規制を導入したという雰囲気を私は感じます。
不動産についても個人的には不動産業業界が
自主的になんらかの仕組み作りをしたほうが健全だと思うのですが
このまま行くと、おっしゃるとおり全体での規制が
導入されるようになるかもしれませんね…。
Posted by Nock at 2009年10月22日 23:39
コメントありがと~。この辺りのことがいい加減なので、RLにつなげるビジネスといっても信頼を得ることができないですね。おままごとで使う紙のお札がリンデンドルって思わないとやってられません。
Posted by Sophiee Winkelr at 2009年10月25日 11:05
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