2010年01月04日
模索は続く

明けましておめでとうございます。輝かしい年頭に当たって、明るい景気のいいお話をしたいのですが、RLの様々な事柄によって、私は今までのようにはSLに時間を割けないことが予想されます。私の側の問題に加えて、SLの側にももう一つ明るい展望が開けていないのですが、まあ、だからといって、SLがダメだということでもありません。私たちはどんな幸運でも不運でもそれが目の前にやってきて、私たちの鼻の頭をぺロッと舐めるまでは、全く気がつかないし、舐められても気がつかない場合も少なくないからです。
SLが始まってから数年が経って、今や昔言われているような金の鉱脈がどこにでも露出している世界なんかではなく、また私たちの想像性を刺激して未知の創造を可能にしてくれるプラットフォームでもないということが分かって来ました。実際に私たちがSLでやっていることはRLの真似事で、一部のIT専門家を除いては、やれることをやっているというに過ぎません。
もちろん素人達のごっこ遊びの世界に介在して、土地を貸したり、衣類やその他のアイテムを大量に供給することで、RLでの努力に見合った利益を上げている人も少なくありません。でもそれはとても昔聞かされた薔薇色のビジネスチャンスの爆発なんかではなく、齷齪とした内職作業の延長線上にあるものに過ぎません。
どうやってSLとRLを結びつけるのか?リンデンラボを始めほとんどすべての「業界人」はこのことに腐心してきたのですが、今のところ決定的な解は見つかっていないと思います。
そのなかで「教育」は常に有望な分野として掲げられています。企業による遠隔地の社員や代理店教育、大学の通信教育などです。ただ、これらは既存のメディアによる通信教育と比べて取り立てて優れた面があるわけではありません。むしろデメリットにも目を向けるべきでしょう。はっきり言ってSLの中での教育というのは効率が悪いと思います。単位時間内に伝えられる情報の量が少ないのです。特にコンカレントで双方向な場での情報伝達がTV会議や電話会議と比べてどう優れているのかが分かり難いですね。
むしろオン・デマンドの形式で、テキストやビデオがよく纏まった形で供給される方が教育の効率という面では上で、「アイデアの披露」や「Q&A」という補助的な形でSLが使える面が多いと思います。また、多くの人に一斉に伝えるという意味ではSLではなくて、通常のWebベースでの講義のようなものの方が効率が断然いいですね。
もっとも決定的なポイントは、今のところSLでは「教育サービス」はほとんどすべて無償、ボランティアの善意に依存していることで、これではRLとSLを結びつけたことにはならないでしょう。価値あるものには対価を払う、逆に対価を払ってでも手に入れたいコンテンツでなければビジネスにはならないし、長続きもしないのです。
Posted by Sophiee Winkler at 13:04│Comments(0)
│ビジネス
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