2010年04月20日
色んな人がいる

Massively によれば4月8日にフィラデルフィアに住むCorey Fahyという人物がリンデンラボとその他25の主体を相手取って訴訟を起こしました。SLの一部に使われているアルゴリズムが彼の著作権を侵害しているという主張です。損害賠償の請求と訴訟費用の支払いも合わせて求めています。
結論から言うと、特許化された権利は法的に保護されるでしょうが、出版や販売を目的としていない製造物の「著作権」?は保護されないでしょう。それ自体で独立した経済的価値がないし、彼が私的な場に発表したり配布したりしただけでは「著作権」ですらありません。他のものとは異なる独立した価値や内容があることが認められているわけではありませんからね。
「自分の考えたトイレットペーパーの端っこのエレガントな折りたたみ方を真似している奴がいる。」と主張して、自宅を訪れた可能性のある人を訴えるのと余り変わらない訳です。
一応ペンシルヴェニア東地区裁判所は訴えを受理しましたが、ほどなく却下されるのではないでしょうか?思想や感情を創作的に表したものでないので、無理があると思いますね。本当にそんな凄いものなら特許申請して公の判断を受けておけばよかったのに。(お金だけ掛かって無理だと思いますけれど。)
日本でもそうですが米国は特に訴訟費用が高いので、街の発明家は自分で法的手続きに訴えることがあります。ときどき刑事裁判でも自分で自分を弁護する被告人がいますね。まあ、ほとんどの場合基礎的な誤解に基づく論理的・手続的欠陥のある主張になってしまい、悲惨な結果に終わります。
そんな裁判を傍聴していると、民事では原告の訴えを口頭で聞いた裁判官が「ああ~、」と言う感じで反応し、被告の弁護人はニヤニヤしています。刑事裁判でも被告人が弁護人を置かずに自ら弁護する場合があり、この場合検察官がニンマリすることになります。
最初の「ああ~」は「こんなもので一々訴えるなよ、おれの前任者は何やってたんだ。」ということで、ニヤニヤは「ごっつあんです!早く終わりそうでラッキー。」ということですね。でも裁判官もやがて「ラッキー・ホイホイモード」に入り、サッサと案件を片付けに掛かります。何事によらず助言してくれる人というのは必要ですね。
Posted by Sophiee Winkler at 12:39│Comments(0)
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