2010年05月07日
分かったようで分からない
2010のQ1末に住民が保有しているL$は約70億(約US$2千5百万)と言うことで、これは緩やかですがコンスタントに伸びています。でもこれを4半期ではなくて年率で見ると結構大幅な伸びで、08年のQ1の49億から比べて年率で約2割近く増えている計算です。
もっともこの中にはUS$を使ってL$を買って、さあやるぞ!ってSLを始めたのはいいけれど、直ぐに飽きてしまって放ったらかしにしてある分も含まれています。これはプリペイドカードを買って、使う前に失くしてしまったのに似ていますね。活動を休止する前に他の人にL$あげればいいのですが、そういうことはあまり聞いたことがありません。
また、この数字はこれだけ相当のL$が住民によってUS$への換金に回されるポテンシャルがあるということを示しています。でも、リンデンラボはL$をUS$と同様の通貨としては認めておらず、あくまで「SLのなかで遊ぶ権利」と位置づけています。つまり、あからさまに言うとリンデンラボは住民からUS$への再変換請求に応じる義務はないわけです。
ところが実際にはリンデンラボは私たちにL$を売ったり、私たちからL$を買ったりしていますね。いいえ、実はそうではないのです。建前としてはL$は飽くまで仮想空間に紐つけられた「市場」で売買されています。しかし裏でリンデンのスタッフが、あるいはLindexのプログラムがUS$への変換を一時的に仲介する機能を果たしていることは間違いないでしょう。つまり、Lindexという交換システムあるいは為替市場機能を維持することで、飽くまで不特定の匿名の売り手と買い手の市場における取引という建前を崩さずに済んでいるのです。
だから、ある日突然リンデンラボがSLの運営を放棄すると決めた場合、この日本円にして23億円に相当する仮想世界の価値は住民から奪われたのと同じになってしまいます。
リンデンラボはそんなに馬鹿なことはしないかもしれませんが、もし将来SLの人気が凋落して新たなユーザーが参入してこなくなった場合には難しいことになるでしょう。また、リンデンラボがSLなりリンデンラボそのものを他の会社や投資家に売ってしまった場合はやはり不安定な状況になるでしょう。
SLを買おうとする投資家はLindexを維持する限りこのL$70億に相当するUS$がSLから流出してしまうリスクを意識せざるを得ません。そうするとこの金額はSLのユーザーに対する負債としてSLの売り渡し代金から差し引くように要求するでしょう。でも、もしリンデンラボがその条件を呑んだとして、売り渡し後に新しい経営者がLindexの一方向、つまりL$→US$の交換を停止すれば、投資家はその分を儲けたのと同じになります。
今の段階ではL$70億に過ぎなくても、この金額はSLがそこそこ順調に回っている間は増えていくので、結果としてSLの「埋蔵金」としての魅力は高まっていくことになります。実際には多分リンデンに対する土地の管理料の支払いをL$でできることにする形で収束させることは可能だと思います。
まあ、こういうことを考えてみたりするんですが、実際のところはどうなんでしょう?何分インサイダーでないので根本的な勘違いがあるかもしれません。教えて戴けると有難いです。
Posted by Sophiee Winkler at 13:30│Comments(0)
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