2010年06月24日
ユーザーの信頼

先頃明るみに出たEmerald Viewerやその開発者であるFractured Crystalとリンデンラボの関係を踏まえてのことだと思いますが、Tateru NinoがMassivelyで苦言を呈しています。
SLを別にして彼女は2000年以降多くの仮想世界を渡り歩いてきたが、その内容は様々だったと。100人以上のスタッフを抱えるところがあれば、たった一人でGrid運営をしていたところ、ゲーム主体のところとそうでないところ、商業ベースのものと、個人の趣味のレベルのもの等でした。でもそれらには共通項が一つだけあって、それは「みんな悉く死滅してしまった。」ということなんだそうです。
そうしてその理由も共通していて、それらの仮想世界のオペレーションのやり方がユーザーの信頼を得られなかったからだとしています。個々の担当別の取り扱いが恣意的であったり、ばらついていたりすると、ユーザーは大きな不満を感じます。技術的に稚拙なところ、人が疎らなところ、その他の欠点はそれなりに理解していても、ユーザーは不当な取り扱い、アンフェアな取り扱いには我慢ができないと述べています。
リンデンラボの場合は担当者レベルだけの話でなくて上層部まで含めて疑念を抱かれてしまったわけです。
SLもその意味では他の消滅してしまった仮想世界と大差はないかもしれません。夫婦で1台のPCを使ってそれぞれのアバターを動かしていて、夫が自分の別アカにたったL$10000を移転しただけでリンデンラボからBanされてしまい、ついでに妻のアバターも使えなくなったというお話がネットに載っていました。
漸く得られたリンデンラボの担当者の説明は「リンデンラボはユーザーが複数所有するアカウント間のL$の移転は認めていない。」というものでした。でもこの程度は誰でもやっているし、L$10,000でマネーロンダリングする人もいないでしょう。
同じような目に遭った人は沢山いたらしく、YouTubeでこれらPC Banに遭った人達がどうやってそれを復活させるのかについての広告が流されています。まあ、IPアドレスを変造するのでしょうね。でもそれが有償のサービスとして提供を申し出られているというのもどうかなと思います。
ユーザーの中にはIT技術のバックグラウンドがあって、面白半分に他社のコンテンツを盗んだり、その他のルール違反を行なうひとが後を絶ちません。SLってしょせんそんなもので、エキセントリックなほどいいじゃないかと言う人もいます。それらの人は仮想世界の可能性を追求しようとか、ちゃんとしたビジネスを起こそうとかいう意図はないのです。
SLが他の死滅してしまった仮想世界と同様に恣意的でアンフェアな運用を続けるのであれば、やはりその後に来る本格的なGridサービスにとって代わられてしまうでしょう。そんなものは息が詰まってかなわないというアウトサイダーたちは、自由と犯罪のフロンティアを求めて彷徨っていくしかありません。確かに仮想世界は実際の宇宙と同じくらい際限がないかもしれないので、どこまでも漂っていけそうですね。
Posted by Sophiee Winkler at 14:20│Comments(0)
│ビジネス
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