2010年08月18日
SL創世記(15)

「2010年
今年は今までのところリンデンラボとしてはその本来の性格に似合わず、随分とおとなしくしている。ああ、ビデオチュートリアルとかユーザーに対するヒント集とかそういうのはあった。しかしほとんどの場合はトップダウンで行なわれたつまらない企画だった。ユーザーや市場とはほとんど対話もなしに進められたことだ。リンデンラボ自身は既にこの時点で面白い年になったと述べている。
リンデンラボは2010年を『愉快な年』と位置づけている。
2010年にはリンデンラボは今までに犯してきた経済成長の計測方法に関する誤りを、知らないふりをして後ろに置いてきたつもりだったが、ついにはそれに追いつかれてしまった。ユーザー間取引に焦点を当てすぎたことによって、SLの経済の減速と縮小に気付くことができなかったのだ。売上が何百万USドルも失われることになるまで分からなかったとは。
そう、我々はそれを彼等の概念的な誤りということにしている。しかし別の見方をすれば、リンデンはSLの経済の本当の計測方法を知ってはいたが、2009年から2010年に掛けて実際にそうであるよりも物事を良く見せようと思って、単に嘘をついていただけだとも考えることができる。それは気分よく受け入れることのできない指摘だ。
経済成長の低下は実際には他の誰にとっても明らかな現象だった。明らかな不正直がまかり通っている多くの場合には、単なる近視眼、頑迷さ、誤りということで説明が出来る。我々はリンデンの場合もこれが当てはまると考えている。
その結果としてリンデンラボはQ1とQ2にスタッフの30%以上を放り出すことになった。シンガポール事務所は閉鎖され、UK事務所はUKの労働法との絡みが解決しだい閉鎖が決まっている。中国、韓国、日本におけるプレゼンスもカットされた。この措置には8月くらいまで掛かるだろう。
アムステルダム事務所はEU域内のマーケティングを担当する新しい事務所だが、年初に開いたばかりなので、間違いなく存続させられるだろう。そしてこれがUS以外の国で維持される唯一の事務所となったのだ。
これらすべての措置が構造改革のために行なわれたと説明された。そしてウェブ・ブラウザーの中で動くビューワーの開発を目指していた努力も、潜在的ユーザーがダウンロードできるようになることもなく頓挫した。リンデンが儲けている各種プロジェクトのトラックレコードを前提にすると、それは2012年のQ1には準備ができているはずだが、そうでないと異様に遅れているということになる。
新たな2件の訴訟が起こされた。これでユーザーからリンデンラボに対する係属中の訴訟は全部で4件になった。新しいものは、Evans 対リンデンラボとFahy対リンデンラボである。
WSE(World Stock Exchange)は2008年の初めにアップグレードのために1ヶ月ほど閉鎖され、そのままになっていた。誰もがびっくりすることだが、それが今年になって復活したのだ。しかし、既存の上場企業はすべて永久的に取引停止であるとアナウンスされた。
リンデンラボはViewer2(通称Secondlife 2)をローンチした。今年の3月の末にオリエンテーションを受けることができたが、それは失敗だったと言うしかない。
いや、Viewer2に取り立てて悪いところがあったのではない。(新しいビデオのオリエンテーションはViewer2が有用だと皆に分かるには、あまりに重たくビデオに集中しすぎていたが。)しかしポイントはユーザーの使用頻度が一気に落ち込んだということだろう。
これらのことに関連があるのかどうかは分からないが、SLの検索システムにおける失敗が恐らく落ち込みの要因になっている。それと新しいサービス規約にも責任はあるだろう。
リンデンがしばらく考えを巡らして、『見つける』から『探索する』にメニューの表現を変えたのは非常に適切だった。なぜならばこの名称変更によって、我々は何かを見つけるよりも、さらにいっぱい探し回らないといけないということが分かるからだ。」
この特集記事も随分長くなりましたね。次回はいよいよ『SLの未来』についてです。
Posted by Sophiee Winkler at 12:53│Comments(0)
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