2010年10月05日
リンデンの手詰り(4)
Herald の記者も私もリンデンラボに対する実効性のあるアドバイスはできませんでしたね。Heraldの記事に書き込みをしているITオタク達も、あまりいいアイデアはないようです。リンデンに戦略がないといっても、私達にもないのです。ただ問題を単純化して見れば、ある程度のことは言えると思います。その代わり具体性はなくなるのですが。
例えば電話や自動車やインターネットのように、あるサービスやツールが社会に受け入れられてそれが定着し永く発展していくためには、どうしても必要な条件を満たす必要があります。
それは、それらのツールやサービスが提供する利便性や効用が、他のものでは置き換えられないくらいユーザーにとって魅力がなければならないということです。SLで言えば、それは何が何でもSLにログインして行わなければならず、その他のGridやSNSでは代替できないというものが必要なのです。
Rosedaleは「教育」がSLとRLを結びつける重要な要素であると考え、大きな期待をかけて来ました。しかし私のブログでは水を差すようで申し訳ないのですが、当時「教育は昔からあるサービスで、特に通信教育は多くのメディアが使われているので、わざわざSLの中でやらなければいけない要素は少ない。」とコメントしていました。その考えは今も変わっていません。
つまりRLで既にあるものを再現する一方で、今までにないものを生み出すことがなければSLは世の中に定着していかないのです。この今までにないものを生み出すことを、一般のユーザーやITオタクに期待しているだけでは駄目なのです。
コンテンツとして何かいいものが出来てくるはずだというのはいいのですが、ビジネスモデルとしていいものをひねり出してくるのはユーザーではなくて、経営側の方なのです。「SLはプラットフォームだ。」というのは間違いなくても、そのプラットフォームのさらに下部構造にあるモデルはリンデンの守備範囲なのです。
この点で私達にもリンデンラボにも混乱があり、今も混乱し続けています。リンデンはプラットフォームを用意し、ユーザーがコンテンツをつくる素晴らしい世界。それは本当です。でもそのことと、SLをビジネスとして成功させるための様々な企みを施すことは別のこととして経営者が追求していかなければならないのです。ごく当たり前のことですが、リンデンラボはこの点で迂闊というか、横着だったのではないでしょうか?
Posted by Sophiee Winkler at 13:02│Comments(0)
│ビジネス
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