2008年06月15日
新しい世界へ(その2)
「話は2005年に遡る。Gwyneth LlewelynはSLの拡張というテーマのブログの中で、どのようにしてSLを分散化されたサーバーシステムに押し広げられるかという初期のビジョンを提示した。彼女は誰でも自分のSIMを自分の資産であるサーバーを使えって運営できるようなシステムをリンデンラボが構築しうるということを示唆した。
それはソフトウェアをオープンソースにするということを意味しているが。ただ、リンデンラボに対しては利用者はメイングリッドに接続するためにコード化された許可証の料金を払うという仕組みだった。Gwynethはそれぞれがユーザーを抱えている多くのSIMの運営者とともにシステムを検討して次のように述べた。
『あなたのユーザーがあなたのSIMにログインするとき、リンデンラボによって準備された鍵によってUUID(汎用一意識別子)が生成される。その鍵を使わないのであれば、SIMは孤立したものとして登録され、そこで楽しむことになる。メイングリッドのどんなものにもアクセスできないし、あなたのコンテンツをそこに移動させることもできない。』
そこでGwynethはリンデンラボがオープンソースに向かい、それでもなお鍵の利用によって利益が上がる方法を提案したのだ。しかしリンデンラボはこの申し出に対しゆっくりとしか対応しなかった。一方でその頃、リンデンラボのプログラマーでない素性の分らないグループがSLのプロトコルをリバースエンジニアリングすることに着手していた。
2006年5月12日John HurlimanがGNA(Global Network Access Inc.?)に無料の開発プラッフォームを登録した。それはlibsecondlife と呼ばれる新しいオープンソースのプロジェクトだ。登録記録によればlibsecondlifeとは『ソフトウェアにSLの世界にアクセスすることを許すオープンソースライブラリー』ということだった。Hurlimanはこのように説明している。『我々は完全なプロトコルの記述を持っている。』そして、こう付け加えた。
『我々のゴールはどんな複雑なSLクライアントを書く場合でも使える多重スレッド(仮想的に同時実行される実行系列を持つこと)の、目的志向のライブラリーをつくることである。現在のところソースコードは設計、計画段階である。』
libsecondlifeはSLに接続できるような設計の自由なクライアントを作るための一つのBSDオープンソースライブラリーと評価されてきた。(BSDとは無保証、著作権表示の保持などを決めるオープンソースのライセンスの類型)libsecondlife プロジェクトの技術的な記述はSL Wikiにある。Libsecondlifeの開発はまだ進行中で、libsecondlife Wikiにみられるように、ほとんどの記事はBaba Yamamotoによるものだ。
しかし、libsecondlifeはすぐに派生的にCopyBot プログラムを作ってしまうという重大なスキャンダルを生み出してしまった。CopyBot はそもそもはlibsecondlifeチームによってデバッギングツールとして作られたものだ。実際にはチームが考えていたのは自分が作ったコンテンツを自分のハードドライブにバックアップするのに使う、あるいは自分のつくった知的財産を他の環境に移設するのに使おうとしていたのだった。
しかし、それはオープンソースだったので、CopyBotはすぐさまゴロツキのハッカーによって書き換えられてしまった。それは許可なしにオブジェクトやアバターの外見を複製するツールとしてリコンパイルされたのだ。
怒り狂ったSLの住民たちは2006年の11月13日にCopyBot問題を話し合うためにリンデンラボと会談した。そしてReuters and Hamlet Auにより記事にされたように一連の組織された抗議活動がバーチャルに行われた。この抗議により、リンデンラボは2007年の11月14日にようやくCopyBotの使用はTOSの違反であると宣言した。
CopyBotスキャンダルから2ヶ月も経たない07年の1月8日には、Phoenix LindenはSLの公式ブログでSLViewerのソースコードがリリースされるだろうとアナウンスした。だから、libsecondlifeとCopybotはリンデンラボがオープンソースに進んでいくための触媒として作用したとも言える。リンデンラボはその方向が不可避であると見て、開発活動に対しコントロールを及ぼそうと考えたのだった。」
お話は続きますが、長すぎるので今日はここまで。次回はオープンソースのお話に続いてDantonさんの新しい世界の探検旅行の続きです。
Posted by Sophiee Winkler at 11:58│Comments(0)
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