2009年07月26日
囚人生活

存在はしていても私達アバターが普通では行けない場所というものがSLには一杯あります。オープン前のZindraのようなプロジェクトの建設現場、管理契約を解除して返却されたSIM,他人の立ち入りを拒む多くのプライベートな島々。その中にはこんな行ってみたくないところもあるのです。
今も存在するのか、もう伝説なのかは定かではありませんが、"Cornfield Prisoner"と呼ばれる人が居る場所があります。日本語では「玉蜀黍(とうもろこし)畑の囚人」ということになりますが、つまり、そのまま玉蜀黍畑なんです。アバターの背丈の3倍ほどもあるトウモロコシがどこまでも続いています。
でもここに来られるのは選ばれた人たちだけ。リンデンラボによってBanされる前の"Suspension"の段階に置かれている人です。しかし、Banされる人がすべて"Suspension(保留、暫定措置)"になるわけではないし、そうなったからといってその人々がすべてここに送られてくるということではないのです。
名誉ある「玉蜀黍(とうもろこし)畑の囚人」になれるのは、きわめて限られた、いわば「札付き」の不良住民です。つまり、単にBanしただけでは飽き足らない、懲らしめてやらないといけないほどの悪(ワル)ということですね。そのような人はある日突然ここにログインした自分に気付きます。何度やってもここ以外のところにはログインできないのです。
満月の掛かる空を背景にして玉蜀黍の畝が並んでいるだけの場所。その他にはトラクターと白黒テレビがあるだけです。誰もいないし、誰もログインしてきません。トラクターに乗ると前進するのですが、それが気が狂いそうになるくらいゆっくりとしか進まないのです。白黒テレビではたった一つの番組、「法廷の少年」が放映されていて、終身刑から逃れようと悪あがきを繰り返している不良の惨めな姿を延々と流し続けています。
何も作ることはできないし、飛ぶことも、TPすることも、IMすることもできません。トラクターに乗るか、TVをON/OFFするか、歩くことしかできないのです。SSと動画は撮れます。
これは紛れも無く"Suspension"という名の終身流刑なんですね。PCを取り替えるか、SL以外の別のグリッドにいくしかありません。ここに流されたNimrod Yaffleは次のように語っています。
「俺はずっと笑いっぱなしだった、もうそれしかすることがないから。お蔭で俺はどんなときにも笑えるんだって分かった。リンデンの奴が誰か来るかなと思っていたら、誰も来ないんだ。何か動いたように思って、そっちに行ってみるが、誰もいないんだよ。でも俺は笑っていた。何の意味も無くずっと笑っていたんだ。」
それは多分ショックで頭がおかしくなっていたからでしょう。ネットの向こうにも恐ろしい世界があるのですね。でも、思索したりリラックスするのにはいいような気もする。
(ssは彼の”Clickable Culture”からもらいました。)
Posted by Sophiee Winkler at 12:47│Comments(0)
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