2009年08月10日
知的財産権の取扱(1)

リンデンラボのSL内の知的財産に関する新しい運用方針についてです。ブログを読んでみましたが、長さの割には中身は乏しいことがわかりました。従ってエッセンスのみ記しておきます。
(1)知的財産侵害の訴えに関するプロセス
SLの中で主に自己の知的財産権が侵害された場合には事後的にDMCA違反の訴えを起こすことになっていました。DMCAとは(Digital Millennium Copyright Act )1998年10月に成立し2000年10月に施行された、アメリカの著作権法です。1996年12月にWIPO(世界知的所有権機関)で締結された「著作権条約」「実演・レコード条約」に基づき制定されたもので、デジタル化された情報の著作権のあり方などを規定しているものです。詳しくはこちらをどうぞ。
http://e-words.jp/w/DMCA.html
しかし、SLではこの過程に大変な手間と時間が掛かっていたので、これを迅速化するというのが今回の方針の一つであるのです。今まではコンテントのオーナーとリンデンラボとの間でかなり長いやり取りがあって、リンデンラボがそれに基づいて調査をし、侵害が証明された場合には、その盗まれたモノをSLのグリッドから消し去り、またインベントリーからのRezを無効にすることになりました。また、侵害が常習的であり、程度がひどい場合にはその侵害者のアカウントを取り消すことにしていました。
今回の改正方針では訴えのフォーマットが定められるということですが、それ以外にプロセスがどのように改善されるのかは明らかではありません。現在、盗まれて売られたり、配布されたりしているモノ(スクリプトやテクスチャーを含む)をGrid 上から消し去るプログラムを開発中だということです。今までは盗まれたモノが独立して存在している場合は消すことが出来たのですが、子プリムとして他のものとリンクされている場合には検知できず消すことはできませんでした。また、スクリプトなどは文字をコピーして改めてコンパイルされてしまえば、まったく検知できなかったのです。こんどはテクスチャーにしてもスクリプトにしてもどの程度まで盗難品と認定できるのかが焦点ですね。
リンデンラボは、これは技術的に非常に難しいテーマなので、開発は今のところ順調だが更に時間を掛けてこの技術を完成させなければならない、しかし先端技術にありがちなことだが、すべての侵害行為を検知して潰していけるかどうかは、やってみないと分からないと述べています。今年の終りごろには立ち上げられそうだとか。
(2)コンテント・ライセンシングについて
知的財産権のもう一つの側面はパーミッションのシステムです。現在私達がSLの中でモノをつくるときには、それを次に手にする人がそのモノに対してどのような運用をすることができるのかをクリエーターとして規定することができます。具体的には修正、コピー、再販売または再配布ができるかどうかを定めることができるのです。通常は販売用のものはコピーができれば、再販はできないというように、あるいは逆にコピーはできないが人にはあげられるというようにしています。また使う人が色や大きさを変えたり、その他の要素を修正したい場合には修正可とします。修正可、コピー可、再販可であればフルパーミッションといわれ、すべての権利を譲渡したのに等しいと考えられています。
これも今後はさらに細かい運用が可能になるようです。たとえば無料配布は可だが、有償で配布できない、つまり売れないというような制限をかけられたりするというような点です。今のシステムにはこのような機能はないので、個々のクリエーターが商品にライセンスの範囲や意味を記載したカードをつけたりしています。
また、今後はSLの中での製作物がコピーされ、あるいはライセンスされる場合に、その使用がSLの外、RLや他のグリッドで行われることも想定しておかねばなりません。つまりビジネスの観点からなんとかSLとRLをつなげようとしている人は大勢いるのですが、どうもこの知的財産の権利侵害やライセンスの運用といった面が先行する形でRLとSLの関連付けがなされてしまいそうな見通しですね。
今考えられているコンセプトの一つに「粘着性ライセンス」というものがあって、特に商品がXstreet 等を経由して閉鎖的なグリッドの持ち主に売られて、ファイアウォールの向こう側まで確認しに行けない場合に、商品のライセンス情報をさらに上位のメタデータとして商品にくっつけて、SLのビューワーからその買主企業のサーバーにアクセスしてライセンスの遵守状況をモニターできることを考えているようです。これも今年の遅くに実用化される予定です。
と、ここまで書いてきて、なかなか単純に要約できないテーマなのだということが分かってきました。上記は経緯を知らない人でも理解できるようにかなりの補足を入れてあるので分量が多くなってしまいました。ここでちょっと一休み。次回はコピーツールの取り扱いについてです。
追って、先日素性の分からない人から「お前の書いていることは噂やデマだけで根拠がない。」というコメントを戴きました。確かに海外のブログやニュースのすべてが本当のことだけを述べているとは思いませんし、事実の確認がとれないまま書いていて、それを私が訳していることもあるでしょう。しかし、嘘が本当かは一つには常識で、また多くの場合は今までの関連テーマを正しく理解し、また複数のソースに当たることで自ずから分かるものです。そのような努力をせずに、具体的に反証がないまま批判する人は、単なるGriefer というべきでしょう。
面白いことに、そのような人は例外なく、纏まった自分の見解というものを述べることができません。それはその人のSLの実体験と知性やイマジネーションの欠如によるものだと考えています。従ってそのような人は、そもそもこのブログを読む必要はないし、また他の読者に対しても何もAdd Value 出来ないので、その書き込みをここに載せて閲覧可能にするということはしない積もりです。
このブログは基本的にはSLを始めとするマルチバースの可能性を信じ、限られた時間を割いて、その新しい世界を拓いていくために日々自分なりに努力をしている住民のためにあります。今までもこの方針で来ましたし、今後もそれは貫いていく積もりです。長い読者の方は一々述べなくてもよくお分かりになっていることだとは思います。