2008年07月23日
で、私はどうなのよ
昨日の続きです。クラゲがどうのと偉そうなことを言っている私ですが、自分はなぜSLを続けているのでしょうか?住民に成り立ての頃は色々なクリエーター達の優れた作品に圧倒されていただけの観光客のような存在でした。今年に入ってスキンや様々なアイテムを製作しお店で売るようになって、ようやく自分の居場所を見つけたような気がします。自分の作ったものがそこそこ売れるということは、わずかですがSLの世界で必要とされているということの証しですから、ただ遊んでいるだけよりは充実感がありますね。
もちろん稼いでいるお金は月に1500円ほどとわずかなもので、RLの時間を使っていることを考えれば全く採算はとれていません。だからRLは忘れて、SLであんまり損をしないでお家賃を稼ぐぐらいのものですね。それで徐々に技術が向上していけばいいのかなって思ってます。
でも、何をやるかが見つからなかったり、同じようにものづくりしても、技術やセンスや場所に恵まれなかったりすると商品はほとんど売れません。それを何ヶ月も続けていると、だんだん嫌になってくるでしょう。自分ではそれなりに自信のあったものが全く売れないと、全体的に否定されたような気分になるかもしれません。一つ売れるとコロッと気分が変わりますけどね。
先日の集会で何かに夢中になっても6ヶ月くらいで飽きるという仮説が出されていましたが、これは当たっていると思います。夢中になってうまくいくと、今の私のように次々と商品になりそうなものを物色していかないといけません。でもそれは遊びではなく「労働」ですね。だからやがては飽きてしまう。かといって商品はコンスタントに改廃していかないとお客の方が飽きてしまって売れなくなります。あそこに行けば何か新しいものがあるというのがRLでもSLでもお店の魅力のかなりの部分を占めています。だからRLのメジャーなブランドでも時々デザイナーを代えたり、どうかと思うような奇抜な商品ラインを出してきたりします。また、何かに夢中になってうまくいかないとやっぱり6ヶ月くらいで飽きてしまうでしょうね。
それから攻略すべき目標があるというのも、物事を続けていく理由になります。私の場合はスクリプトとかスカルプとか、音楽や映像、アニメといったように、技術的にまだ未熟な分野がいっぱいあるので、今後も時間を使う種には事欠きません。それを思うと現状で我ながらよくやっていると思いますね。こういう技術が一流のレベルにまで向上して、それらが融合すると、SLの中でもけっこう有名になってくるんじゃないかしら。いまは全くマイナーな存在ですからね。
RLが充実しているというのもSLを続けるには大切な要素です。RLも遣り甲斐あって、でも全く違う世界をSLで体験するというのがいいですね。SLではストレス解消のためだけに、ちょっとおしゃべりしに来るというのも長続きする秘訣かもしれません。この辺は性格によるので、私なんかは全てを軽いバランスで纏めるというのは下手で、何かを集中的にやって取り敢えずものにするというのが好きなので、何となくまったりというのは苦手です。
この間の集会で気がついたのはこの、何となくまったりというか、物事に入れ込まずに余裕だぜというスタンスの事業者が多いということですね。これはポーズとしては恰好がいいのですが、いざというとき大きな規模でリーダーシップが執れるかというと疑問です。自分自身の言動にコミットしてない人について行く人はいませんからね。
ものつくっていると、どうしても自分の世界に閉じこもりがちになります。一番難しいところで頭を悩ましている、この瞬間が面白いので邪魔が入ると嫌になったりします。だからそういうときはスカイボックスで、応答不可という設定にしておくのかしら?いずれにしてもだんだんお付き合いが悪くなってしまいます。遊んでしまってけっきょく何もできなかった日があると後悔したりして。まあ、ここまで余裕がないのはいけませんね。ストレス解消のために新たなストレスを求めてしまうタイプですね。時々はぼーっとしているのがいいのかも。
昨日の続きにも何にもなっていませんが、要するにSLのなかで自分のやり方で自分の居場所や目的を見つけるのが一つ。そんなものはいらないのであれば遊びに徹する、でもあるとき心変わりして何かやりたくなったらやってみる。こういう変わり身ができれば長続きすると思います。でも何もSLでやらなくても、RLではいっぱい面白いことや意味のあることがあるもんね。ゲームもあるし。
この問題は奥が深くて、ちょっと考えただけでは出口が見つかりそうもないですね。人もそれぞれだし。まあ、取り敢えず自分を見つめるということで今日のところはお仕舞いです。
2008年06月24日
この1年のこと

米国のブログでは5周年祭に当たってこの1年、あるいはこの5年を振り返ることが盛んに行われているみたいね。私も先ごろSL始めて満1年を迎え、今は一年と10日というところです。これを期にこの1年を振り返って見たいと思います。昔話をタラタラやっても仕方ないので、二つあるブログの両方を見てもらえば大体分かるということで、止めておきます。
まず、何が出来るようになったかです。
(1)スキンが作れるようになった。ちょっと無謀だったけど、なんとか出来ることがわかりました。また再開したいわ。
(2)ブログやったことなかったのに、今では2本も書いてます。われながらよく続いていますが、負担であることは事実。RLで手相見てもらったら、「あなたはあなたの知らない人から感謝されたり、尊敬されたりしいます。」だって。これしかないですね。別に早朝に公園のお掃除なんかしてないし、貧乏な人の家にお金投げ込んだりしてないので。でも、自分の知らない人に感謝されてるって、本当か嘘か分からないです。私にとっては自覚は少ないので。まあ、観音様にでもなった気分であまり気にしないことにしましょう。
(3)簡単なものが造れるようになった。特にこの春からいろんなものにチャレンジしてそれなりに出来るようになりました。商品として売り出して、結構売れてます。お蔭で手持ちのLD$があまり減らなくなりました。でもちょっと種切れ感というか疲弊感が。一番難しいのは構想段階ですね。技術的な壁に当たるのはむしろそのためにやっている側面が強いので平気なんです。そのうちどんなものが出来たか特集してみましょう。スクリプトやスカルプももっと勉強しないといけません。
(4)お友達が沢山できた。特に私に色んなことを教えたり、助けてくれたりした人が多かったですね。筆頭はTonton Meiliさんですが、その他にもTaiji Juranさんを始めとする108Dragonの人たち。KentagoさんやEnolagayさん、Kobumakiさん。みんな優しいですね。私はお転婆で我侭なので皆さんにご迷惑かけてると思います。まあ、時々英語訳したりしてお返しをしてます。
(5)海の色が変えられるようになった。昨日できるようになりました、ってこんなこと1年以上も知らなかったとは。まだまだ奥が深いです。
(6)なによりもこの世界で一年間生き延びたことですね。沢山の人がいなくなっていくなかで、友人やブログのお蔭で飽きたり、悲観したりしないでやってこれたのかも。
次に、何がまだできないのか。
(1)やっぱりスカルプやスクリプトの習得が不十分。自己流です。
(2)音関係、音楽関係が全く弱いです。ラジオも流せないし。未だに大岡山の路地裏の潰れそうな電気屋さんで買った、300円のイヤホン使ってます。だってヘッドセットとか付けてると家族から嫌味言われそうで。でも補聴器つけてるお婆さんみたい。
(3)スキンも今一歩。まとまった時間がとれなくて、いいものに着手できません。
(4)アニメできません。やり始めると時間とられそうで怖いです。でももう手掛けないと、商品に幅が出てこないのです。
(5)付き合い悪いです。もの作ってると、ダンスとかパーティーとかなかなか参加できません。
(6)新人に冷たいかも。教えてあげてもいなくなってしまうと、がっかりするので、だんだんそうなって来たみたい。偽装新人も増えてきたし。知ってるくせに質問するのね、話のネタに。そういうのは嫌いです。
(7)実は外人嫌い。話せるけど、中身ない会話は嫌いなので、だんだんつっけんどんになってしまいます。外人と話すことが日本人と話すことより楽しいということもなく、苦痛ということもないけど。変な議論吹っかけてくる人が多いような感じ。でも私もこの部類かも。基本的なSLやっている人は人種に関係なく「あるタイプ」なので、突っ込みいれると惨めなほどに意気消沈してしまいます。トゲのある女なんです。それで自己嫌悪感じたりするので。SNSのあるべき姿からは程遠い私。
まあ、でもちょっとずつ社会性は身についてきたような気がします。我慢したり、協調したりすることもあるし、進歩してると思いたいです。すっごく時間遣ってるもんね。
タグ :回顧
2008年06月18日
新しい世界(その5)

「それから僕はCentralGridに戻った。そこをHomeに設定していたが、トラブルでログインできなかった。何かがウェイティング中だというメッセージが表示され、その解決法というのが結構ややこしいものだった。それで目的地をCentralGridのSandboxに変更したら、今度はうまくいった。OpenLifeのときと同じように自分のアバターの見掛けを調整した。しかし、ベースとなるソフトウェアがOpenLifeと同じだから、結果は惨めなものだった。君がSLで出会ったとしても同じDanton Sidewaysだと認識できはしまい。
CentralGridにTPしてMoonbeam simに着いた。そこで僕は別のアバターが空中に引っ掛かっているのを見つけて驚いた。そのとき僕はクラッシュした。もう一度ログインしたらRuthの姿になっていたので持ち物を覗いてBody partsと衣服を一つずつ装着しなければならなかった。身繕いがすんでから僕はさっきのアバターを探し、Happi Homewoodを見つけた。彼は多層階のショッピングセンター作っているところだった。彼はCentralGrdが仮想通貨を採用した場合に備えて準備はできていると言った。僕は彼をすぐに見つけられるように彼に友人になるリクエストを送って、彼はそれを受け入れた。これが僕のCentralGridにおける最近の行動だ。
大事なことを忘れていたが、もう一つOpenSimのGridに旅をしていたんだ。ウェブでOSGrid とOSGrid Forumへのリンクを見つけた。これはかなり大きな活発なコミュニティーだ。例によってSLViewerのためのショートカットをつくり、Danton SidewaysとしてログインしWright Plazaに降り立った。お定まりの概観の調整と衣服の装着を済ませて、僕はSimの探検を始めた。
僕はかなり複雑でカラフルなつくりで、植物が一杯あるSLで典型的に見られる景色を見つけて嬉しかった。一つのSIMに数人のアバターがうろついていた。僕はPaulie Femtoに近づいていってしばらくチャットをした。彼は僕によければ彼のCameo BeachのSIMにあるSandboxを使っていいと言ってくれた。彼のSIMは彼の自宅のコンピュータによって動いており、それがOSGrid に接続しているのだ。彼はSIMを毎曜日24時間開きっぱなしにするようにしていると言った。彼はまたOSGridのための接続自由なIRCチャネルについて語った。これに僕は大きく惹き付けられた。この何年かそのことを耳にしていたが、IRCチャネルを実際に使う機会はなかった。これは僕にとって大きなチャンスかもしれない。」
IRCチャネルって良く知らないけど簡単に言うとインターネットを利用した簡単なチャットシステムだとか。と、いうことでDanton SidewaysのOpenGridの探検も唐突に終わってしまいました。まあ、生まれたばかりのOpenGridには相応しい終わり方かもしれないですね。
途中で挿入された何だか生々しいOpenGrid創世の経緯に比べて、Grid自身はまだまだ未熟児のような頼りない状態です。でもアメリカ人にとっては西部開拓時代を彷彿とさせて魅力があるんでしょう。私はこんな不毛の大地には住みたくないけど、ゼロから物事を組み立てて、作っていくということに喜びを感じる人にはうってつけかもしれません。
訳していて画像がないのが寂しかったけど、昔お友達のトントンが自分で島を買った直後に招待してもらったときのことを思い出してました。そこは海と山しかなくて土地はむき出しで、出来ることといったら歩いたり飛んだりすることくらいでしたね。
OpenGridがこんな具合だと今のところSLの脅威にはなりえないけど、1カ月$295の管理費を掛けずに自宅にサーバーを置いて楽しめるというのがポイントですね。SLと同じように自由にモノづくりができるようになれば、SL内で広大なSIMを持つことの意味は薄れてくるかもしれません。一家に一つ広大な仮想空間が低コストで設置されているというのが新しい時代のスタンダードになるかもしれない。これからどういう方向にいくのか分からないけれど、この開拓のうねりを止めることはできそうにありませんね。
私がSL内の自宅の庭で七輪に金網を載せて秋刀魚を焼いたり、レトロなベンチを作って喜んでいる間にも、世の中はどんどん発展していってるんだなって実感しました。
2008年06月17日
新しい世界へ(その4)
昨日までのお話を簡単にまとめると、すでにGwynethという女性ブロガーが05年にSLのオープンソース化を提案していた。リンデンラボは乗り気ではなかったが、リバースエンジニアリングによってコードの解明を進めるグループが出てきた。一方リンデンラボから派生したlibsecodlifeプロジェクトは愚かにも自分達の開発したCopyBotがSLのオブジェクトやアバターを複製する違法マシンに作り変えられるのを助けてしまった。SLの住民の1年に及ぶ抗議活動の結果、リンデンラボはそれが違法であると宣言したが、対策はとられなかった。Libsecodlife libraryによりオープンソース化に向けた技術は徐々に一般に広がりはじめた。
リンデンラボは加速化する類似の仮想世界の出現にタガを嵌めるため、Viewerのソースコードのオープン化を決めたが、これによりサーバーのコードの解読が進み、最初にGwynethが提唱したリンデンラボに料金を支払ってユーザーが自らのサーバーでSLを走らせ、メイングリッドに接続するという動きは現実的かつ不可避のものとなった、ということでした。
なぜlibsecodlifeプロジェクトが野放しにされたのか、またなぜリンデンラボは自分達の新しい発明を特許化することで防衛しようとしなかったのか、私の疑問は十分に解明されたとはいえません。まだ隠された事情がそこにはありそうですが、いつかは明るみに出されることでしょう。
このような背景をが存在するなか新しい仮想世界のグリッドが07年中旬からオープンし始め、このブログのオリジナルの筆者であるDanton Sidewaysは自らのSL開始後わずか半年でこの新しい世界の探検を始めたのでした。きょうは彼の回想の続きです。
「既に述べたように僕のOpenLifeの経験は全くがっかりするものだった。Ruthというアバターになって地球に似た不毛の大地の上を飛び回るしかなく、持ち物はなく、検索機能も使えないというものだった。それでもう少しましなことはないかと、CentralGridを試してみることにした。
CentralGridのウェブサイトでは僕はCentralGrid Forum を見つけ、どうやってログインするかを知った。指図に従って僕はSLViewer へのショートカットを作ったが、このやり方はOpenLifeのときと全く同じだった。ログインすると全く前と同じRuthの姿になっていて、持ち物は何もなかった。違っていたのは何もない土地の上に数ブロックにわたり街路がつくってあり、近代的な見かけの同じビルが立ち並んでいた。OpenLifeの時は足が地面に2,3インチ沈みこんでいたが、ここではそういうことはなかった。ただ検索機能はやはり無効であった。後で分かったことだが、こういったオープンソースのグリッドはOpenSimのソフトウェアの最新版を取り上げて調整したものだった。だからそれらは既にOpenSimのために開発された機能しか提供できないのだった。
OpenLifeでもCentralGridでもメインの活動というのはSIMをまるごと売るということのように思えた。幾つかのオープンソースグリッドではユーザーが自分のサーバーを接続することができたが、この二つのグリッドではユーザーはサーバーを彼等から借りなければならなかった。正式に土地の一区画を借りるという方法は存在しなかった。(もちろん個人的にSIMのオーナーとそういう契約を結ぶことはどんな場合でも可能だが。)幾つかのグリッドでは中だけで通用する通貨をつくる予定があるということだったが、このCentralGridでは準備中ということだった。だからこのSIMを買う人々はいろんなソフトウェアがまだ開発中で、中の経済というものが存在せず、従って投資に対するリターンというものがないということを知っていた。だからもちろんSLのSIMに比べれば値段は安いものだった。
何日か経ってもう一度試してみようと思ってOpenLifeのWebsiteに戻ってチャットルームにログオンした。OpenLifeの素晴らしい特徴の一つはこのチャットルームで、IRCチャネルの使い方を知らなくても誰にでも簡単にジョインできる。ほとんど何時でも誰かがいて、その人に質問することができる。
僕はSakai OpenLifeその人がOnlineであるのを発見した。彼はOpenLifeの創設者だ。そこでなぜ外見を調整できないのか質問してみた。彼はそれはWikiで説明してあると答えた。そこで僕はWikiに戻って実際に外見の調節に関するページを見つけた。まずインベントリーに入って、Body Partsをクリックして、Create Newを右クリックする。そうして新しいオブジェクトを調整するために装着する。そこで僕は4つのBody Partsを作って調整してみた。Body PartsとはBody,Skin,Hair,Eyeのことだ。それから衣服(シャツ、ズボン、靴)も。
それからSLと同じようなDanton Sidewaysの外観を作ろうとしたが、目的には程遠い出来映えだった。例えば髭を生やせなかった。アゴは髭が生えていてフワッとした感じにしてあるのだが、適当な色のテクスチャーがなくて、結局髭を剃った形のアゴに戻した。
陰気なwelcome island に立ってログインしたまま、僕はチャットルームに行くためにウィンドウを切り替えた。そして、もっと生き生きしたSIMにいけないものかと質問を発した。誰かがElectronというSIMを試してみたらと応えてくれた。Electronはなかなか素敵に作ってあった。ステージやビデオクリップが流れるスクリーンがあった。
次の訪問ではQuarts Simに行って見た。そこにはFreebieの店があった。それは数階建ての建物だったが、今のところまったくのがらんどうだった。Renegade Simにも行ったが、そこで僕は素敵な寺院の中でJohn Noonanに出会った。彼は僕にペイパルを使って外のお金で一区画の土地を借りないかと提案した。僕は興味はあるが、相談するために一度帰らないといけないと答えた。」
誰に相談するんでしょうね?彼の探検旅行は次回で終ります。
2008年06月16日
新しい世界へ(その3)
昨日の続きです。
「しかし、07年の1月にリンデンラボがリリースしたのはSLViwerのソースコードだけで、それをクライアントと呼んだ。それはSLに接続するためにユーザーが自分のコンピュータにインストールするソフトウェアだった。リンデンラボのサーバーでSLを走らせるソフトウェアが残っていた。それはSIMとユーザーの資産のすべてを貯めたり、呼び出したりし、また仮想世界をリアルタイムで実行するものだ。
仮想世界のオープンソースサーバーを作るために様々な試みがなされてきたが、多くはサーバーとクライアントの両方のコードを書くという膨大な仕事を前にもがき苦しんでいた。しかし、いまやリンデンラボがViewerのコードをリリースしたので、それはやらなくてもよくなったし、libsecondlife library を使って他のカスタムメイドのクライアントをつくることもできるようになった。
それで同じ月のうちに、Durren GuardはOpenSIMプロジェクトを創設した。SLに接続できる仮想世界のオープンソースサーバーの開発に集中できたというわけだ。WikipediaのOpenSIMの記事でも説明したが、OpenSIMはlibsecondlifeを使ってクライアントとサーバーのコミュニケーションをハンドルするのだ。
2007年4月リンデンラボはSLのサーバーのソースコードを、少なくともその一部を、リリースする予定であることをアナウンスした。しかし、リンデンラボがソースコードのどの部分をリリースしようかなどと考えているうちに、オープンSIMをベースにしたオープンソースグリッドが運用を始めた。DeepGridが07年6月に、OSGridが7月に始まった。DeepGridの参加者の一人がそのオープンの日にこんなことを述べていた。
『Mortvillという名前のSIMがあって、数人の熱狂したプログラマー達が小さな島の上を飛び回っていた。地面に飛び込んだり、すべてのチャットは2回表示され、すべてのものはファントムで、木は一本も生えてなくて、IMでSIMがおかしくなったが、それでも素晴らしかった。1週間以内に12のSIMがDeepGridに生まれた。』
リンデンラボは追いつこうと必死だった。07年の9月13日に相互に運用可能な仮想世界のソフトウェアのプロトコルのデザインを公式に計画するプロセスをキックオフした。それはArchitecture Working Group の創設に繋がり、このグループはサードパーティーがSLに接続できるサーバーを運用できることを目的とした。別の表現をすれば、オープンソースグリッドの開発は不可避であり、リンデンラボはお金を取ってそれらのサードパーティーがSLグリッドに接続できるようにしたいと思ったのだ。これはGwynethが05年に提唱したこととほとんど同じことが起きたということだ。」
次回はいよいよ、Danton Sideways によるOpenSIM探検の続きです。
2008年06月15日
新しい世界へ(その2)
「話は2005年に遡る。Gwyneth LlewelynはSLの拡張というテーマのブログの中で、どのようにしてSLを分散化されたサーバーシステムに押し広げられるかという初期のビジョンを提示した。彼女は誰でも自分のSIMを自分の資産であるサーバーを使えって運営できるようなシステムをリンデンラボが構築しうるということを示唆した。
それはソフトウェアをオープンソースにするということを意味しているが。ただ、リンデンラボに対しては利用者はメイングリッドに接続するためにコード化された許可証の料金を払うという仕組みだった。Gwynethはそれぞれがユーザーを抱えている多くのSIMの運営者とともにシステムを検討して次のように述べた。
『あなたのユーザーがあなたのSIMにログインするとき、リンデンラボによって準備された鍵によってUUID(汎用一意識別子)が生成される。その鍵を使わないのであれば、SIMは孤立したものとして登録され、そこで楽しむことになる。メイングリッドのどんなものにもアクセスできないし、あなたのコンテンツをそこに移動させることもできない。』
そこでGwynethはリンデンラボがオープンソースに向かい、それでもなお鍵の利用によって利益が上がる方法を提案したのだ。しかしリンデンラボはこの申し出に対しゆっくりとしか対応しなかった。一方でその頃、リンデンラボのプログラマーでない素性の分らないグループがSLのプロトコルをリバースエンジニアリングすることに着手していた。
2006年5月12日John HurlimanがGNA(Global Network Access Inc.?)に無料の開発プラッフォームを登録した。それはlibsecondlife と呼ばれる新しいオープンソースのプロジェクトだ。登録記録によればlibsecondlifeとは『ソフトウェアにSLの世界にアクセスすることを許すオープンソースライブラリー』ということだった。Hurlimanはこのように説明している。『我々は完全なプロトコルの記述を持っている。』そして、こう付け加えた。
『我々のゴールはどんな複雑なSLクライアントを書く場合でも使える多重スレッド(仮想的に同時実行される実行系列を持つこと)の、目的志向のライブラリーをつくることである。現在のところソースコードは設計、計画段階である。』
libsecondlifeはSLに接続できるような設計の自由なクライアントを作るための一つのBSDオープンソースライブラリーと評価されてきた。(BSDとは無保証、著作権表示の保持などを決めるオープンソースのライセンスの類型)libsecondlife プロジェクトの技術的な記述はSL Wikiにある。Libsecondlifeの開発はまだ進行中で、libsecondlife Wikiにみられるように、ほとんどの記事はBaba Yamamotoによるものだ。
しかし、libsecondlifeはすぐに派生的にCopyBot プログラムを作ってしまうという重大なスキャンダルを生み出してしまった。CopyBot はそもそもはlibsecondlifeチームによってデバッギングツールとして作られたものだ。実際にはチームが考えていたのは自分が作ったコンテンツを自分のハードドライブにバックアップするのに使う、あるいは自分のつくった知的財産を他の環境に移設するのに使おうとしていたのだった。
しかし、それはオープンソースだったので、CopyBotはすぐさまゴロツキのハッカーによって書き換えられてしまった。それは許可なしにオブジェクトやアバターの外見を複製するツールとしてリコンパイルされたのだ。
怒り狂ったSLの住民たちは2006年の11月13日にCopyBot問題を話し合うためにリンデンラボと会談した。そしてReuters and Hamlet Auにより記事にされたように一連の組織された抗議活動がバーチャルに行われた。この抗議により、リンデンラボは2007年の11月14日にようやくCopyBotの使用はTOSの違反であると宣言した。
CopyBotスキャンダルから2ヶ月も経たない07年の1月8日には、Phoenix LindenはSLの公式ブログでSLViewerのソースコードがリリースされるだろうとアナウンスした。だから、libsecondlifeとCopybotはリンデンラボがオープンソースに進んでいくための触媒として作用したとも言える。リンデンラボはその方向が不可避であると見て、開発活動に対しコントロールを及ぼそうと考えたのだった。」
お話は続きますが、長すぎるので今日はここまで。次回はオープンソースのお話に続いてDantonさんの新しい世界の探検旅行の続きです。
タグ :コピーボット
2008年06月14日
新しい世界へ
今日は先日見つけた面白い記事をご紹介しましょう。前々から聞いていたOpen Source Gridにつてです。これはリンデンラボがServerのソースコードを明らかにして、将来は自分のサーバーの中に別のSLを作れるようになるって昔は言ってたのに、何時まで経ったも事態は進展しないままに、非公認でSLに類似した世界がどんどん増殖していっているという話題です。
ある人がSLを体験したあとに、この新しい世界に踏み込んで見たというお話です。それではDanton Sidewaysさんのお話を伺いましょう。
「SLで6ヶ月ほど過ごしたあと、勇気を出してOpen Source Gridのひとつを試してみた。様々なSLのブログでOpenSimという言葉を見て、僕はGoogleで検索してOpenSimのWebsiteを見つけた。最初のページがGrid Listに繋がっていて、びっくりするような数の公開されたGridがアルファベット順に載っていた。
最も古いものはDeepGridという名前で07年の6月に運用が開始されていた。その次がOpen Source Grid(OSG)という名前で7月、10月にはOpenLifeが始まっていた。
僕はOpenLifeからやってみることにした。OpenLifeのWebsiteに接続して、始め方が載っているOpenLife Wikiを見つけるのにちょっと手間取った。
WikiによればRealXtendというViewerかSL Viewerが使えるということだったが、RealXentdの方はうまくいかなかったので、SL ViewerからOpenLifeへのショートカットの作り方のインストラクションに従った。僕はDanton Sidewaysという名前のアバターのアカウントを作って、Viewerを始動させた。
自分がデフォルトのRuthという名前の女性アバターになって、不毛の島に立っているのに気が付いた。外見を調整しようとしたが何も起こらなかった。インベントリーを見ると全く空っぽだった。そこで僕は幾つかのSIMを飛んでみた。それは地球に似せた何もない土地がどこまでも広がっているような景色だった。誰かを探そうと検索してみたが、なんの反応も見出せなかった。僕の最初の反応は『これは冗談なのか?』というものだった。
最初のOpenSimの体験はここで終わりにした。できたことといったら、Ruthという名前のアバターになって、何もない不毛の土地の上を飛び回って、そこにいないアバターを探そうとしただけだった。二度目のときはもうちょっとましだった。しかし、僕の話を進める前に後ろを振り返ってオープンソースというSLの代替案の起源を探ることにしよう。」
ここまではそんなにびっくりするような話ではないけれど、明日はいままで私たちに隠されていた秘密が明らかにされます。Open Source Gridはどのようにして誕生したのか、そしてそれには思いもよらないきっかけがあり暗黒面の力が働いていたのでした。とっても面白いのでお楽しみに。私も気合いれて訳します。
タグ :オープンソース
2008年06月03日
嫌なうわさ
久しぶりにMMORPGの専門ブログのMassivelyを見てみたら、変なことが書いてありました。掻い摘んで言うと、毎年SLのAnniversaryは有志が勝手にお祝いしてきたけど、今年はどうやらリンデンラボが主導権を握ってやるみたいなんだって。このこと自体は別になんでもないけど、何故そうすることにしたのかっていうことで、憶測が憶測を呼ぶんですね。Tateru Ninoを始め、サンフランシスコに住んでるアメリカ人のブロガーは直接リンデンラボの職員やマネジャーにRLで会って話をすることができるので、いかにも本当らしい噂が漏れてくるんです。
今回の憶測は前に私も取り上げたシカゴの下院議員の「SLは子供を性的に危険にさらしている」という主張が背景にあるんだとか。つまり、このやらしい政治家が今SLの揚げ足を取ろうと必死になっているところに、有志がハチャメチャの騒ぎをやらかしたりして、そこにあのオヤジが性的な匂いを嗅ぎ取ったりすると、それでもって更に政治上の問題にしようとするに違いないという不安があるというわけ。
そこでそういうことをやらかす恐れのあるグループを排除するために、リンデンラボの自由になる土地で5周年記念の会をやることを考えているらしいのね。最近はSLを意図的に貶めるようなメディアも出てきて、これとシカゴの下院議員が結果としてはつるんでいる恰好で、リンデンラボは防衛姿勢を取らざるを得ないんだとか。スパイ探しももう始まっているんでしょうね。
で、この反SL勢力が勝利して、リンデンラボのサービスに様々な規制が加えられるかもしれない。例えば、アメリカの法律の効力の及ばない地域にはサービスさせない。つまりアメリカ以外のPCはアクセスできなくなり、アメリカでもユーザーが成人の認証をしなければならなくなる。
可能性は確かに少ないけど、そのような事態が出現したときにはSLにとっては致命的なことになってしまうので、リンデンラボは真剣に憂慮しているんですって。本当にそうなら私たちはある日突然に消滅してしまうわけね。まるで地球が何倍もの大きさの隕石に衝突されたみたいにね。
通常そのような恐れのあるときにはRLでは自分たちの利益を代弁する政治家を雇います。つまり、緊張が存在する場所では武装することが当然になり、否が応でも政治に巻き込まれていくことになるんです。次善の策としては、今のうちにデータセンターを海外に移して、最悪そこで再起することも考えるというのがあります。私はそれを勧めますけど、お金掛かるからやらないでしょう。
私って生まれてからまだ一年経ってないけど、はかない命だったわね。みなさんもお元気で。
2008年05月26日
セキュリティ
きのうは家にいると突然侵入者が入ってきました。恰好は水着姿の女性でしたが、何も言わずいろんなところを見て周り、あっという間に出て行ったんです。名前を控えることができませんでした。
MagSLでは土地にバリアを張って侵入者を防ぐことは禁じられています。でも私の借りている場所は比較的人通りが多く、外国人がよく侵入してきます。それで遂にドアに鍵を掛けることにしたんです。
Manaちゃんにも手伝ってもらって玄関とバルコニーのドアのスクリプトを改造して、グループ以外の人には操作できないようにしました。これでも完璧というわけではないけれど、取りあえず礼儀知らずの初心者は防げますね。常習者に対してはもっと他の対策が必要です。
もっと他のことしたかったし、書きたかったけど昨晩はこれで時間を使ってしまいました。また、明日。
2008年05月12日
もの作りこの頃

最近「蚊遣り豚」作りました。陶器の蚊取り線香立てといった方が分かり易いかも。かなりリアルに出来たので満足なんですが、私も昔と随分変ったなっていう思いがしました。去年の夏ごろSL始めたんですが、その頃は単なるRLの再現は下らないと思っていました。例えばピサの斜塔をRLそっくりに製作したとして、それが何の意味があるのっていうことね。本物にかなうわけないんだし。
戦艦大和、それがどうした、なんて言ってたんだけど。作る側に回ってみると、色々クリアすべき課題があってそれなりに面白いし、達成感があるわけ。だからRLの何かに思い入れが強い人がいて、それを自分の手で表現するとか、他の人と感動を共有できるとかいうのは意味があるわねって、思い直したんです。
SLっていう名前自体RLの存在が前提になっているし、RLにないものを作ったり、やったりするのは簡単ではありません。仮にそういうことをしても違和感があったり、周囲に受け入れられないことが断然多いでしょう。だからそういう全くの新しい存在や行動を生み出していくというのは純粋な芸術活動みたいなもので、誰にでもできるというものではないのね。かといって誰にできるのか、何ができるのかは最初から分かっているわけでもないので、才能のある人も無い人もチャレンジしてみるしかないんです。
この間RLのJR溝の口の駅前で演歌を唄っている少年がいたけど、どんなに上手でも真似なんですね。でも私の現在つくっているものも全部RLの真似です。だから、どこが違うのかって考えるとだんだん分からなくなっちゃう。
とことん真似をしたものはそのこと自体は凄いと思うけど、その作品やパフォーマンスはすぐに飽きられてしまいます。RLからコンセプトを借用してきて、自分なりに作ったものは結構工夫の余地もあって、面白いものになります。「蚊遣り豚」はどうもRLを意識しすぎて面白みが少ないものになったのかも。ま、夏の風物としてのスモールアイテムで、浴衣や団扇や縁台、花火なんかとセットで使ってもらえるといいんです。

http://slurl.com/secondlife/JOB/182/128/48
4月に借りたAzitoっていうSIMの中層階が昭和レトロで統一されているので、その街並みに合うものを作ろうとすると、みんなRLの真似になってしまいます。でもその偽物の持つ味が不思議な懐かしさや哀愁を感じさせるんですね。そういうものを作っているのは過去にどっぷり浸かってしまっているという一方で、自分が持っていなかった様々なSLの技術の獲得や応用にチャレンジしているという面もあります。不思議な感覚。私たちには挑戦と癒やし、高揚感と安心感の両方が必要なんですね。
タグ :ものづくり
2008年05月09日
子供達を守れ?

5月6日付けのChicagoTribune紙のニュースですが、イリノイ州の第10区代表の下院議員でMark Kirkという人がいます。この政治家がややこしいことを言い出しています。
「SLでは子供達が性的に付け込まれ、あるいは利用される恐れがあるので、そのことを消費者に対し警告すべきだ。」っていうレターを連邦取引委員会に提出したそうです。彼のウェブサイトはこちら。
http://www.house.gov/apps/list/hearing/il10_kirk/Second_Life_could_sexually_exploit_children.html

イリノイ州の第10区ってシカゴの北で、ミシガン湖沿いにある風光明媚な土地柄で、私も住んでたことあります。大企業の元会長なんて人がゴロゴロいて、ジョギングなんかしてるので、車運転したりするのは危険です。事故のときの賠償金がね。ゴルフ場とか一杯ある緑の多いところですね。多分アメリカでも住民所得が最も高い地域の一つでしょう。
この政治家が言ってるのは、何でも10歳の子供がセカンドライフに大人だと言って登録することができたので、危険だということなんです。はいはい、10歳の子供は嘘をつけば危険なことは何でも出来ちゃいますよ。別にSLでなくても、新聞や雑誌の読者としても、ネットで有害サイトにも幾らでもアクセスできちゃいます。要するに政治家特有の注目を浴びるためのプロパガンダの一つですね。彼の得意分野は教育とか青少年の健全育成のようです。ちょうど孫のいる引退した高所得者層にアッピールするのが目的ね。
こんな思惑は別にしても、現在SLでは子供への悪影響を防ぐために、どうやって年齢を認証させるのかが問題になっています。結論から言うとそんなシステム作っても幾らでも騙すことはできるし、入らないからといって社会の色んな害毒から守られることにはなりませんね。子供でなくても夜中にウロウロしていたり、紛争地域に観光に行ったりしたらトラブルに巻き込まれるのは当たり前だわ。
これとは別にリンデンラボのPhillip Rosedale会長は4月1日に下院の通信インターネット小委員会に呼ばれてオンライン仮想世界について頭の固いおじさんやおばさんにお話をしてあげたそうです。RLもますますSLに対する関心を高めてきているようですね。ポジティブにもネガティブにも。
2008年05月02日
何が面白い?

最近はスクリプトを弄って自分の思うような効果を出せるようになってきた私です。もちろん、ゼロから作れとなると出来ませんね。やっているのは既存のシャワーとか、色の変更とか、回転といった基本的なサンプルをブログや教科書から貰ってきては、パラメーターを変えたり、命令文を追加・削減して実地に動かしながら作っていくという方法です。
だから問題なく動いていても、プロのスクリプターからみればとっても変なスクリプトになっているはずです。なくてもいい命令が入っているけど、それは実行されない形になっているとか、すごく遠回りしてるとか。やっているうちにだんだんと意味は分かってきましたが、自己流であることには変りないです。
スクリプトを売っているところもあってそれも参考になりますね。オブジェクトみたいにフリーで配っているものもあります。そのなかには時々間違っていて動かないものもあります。まあ、間違いが分かるというのも技術のうちですから、手直しして動くようになるとちょっと自信ついたりして。
このあいだ外国人の人が突然店頭に現れて、「SLなんかやってて何が面白い?」って言ってましたが、その人の発言と彼の「新人」というスタンスの整合性は別にして、最近は面白さが分かってきたように思います。
SLには色んな楽しさがあって、それを個々の人が自分なりに追求できるのはいいですね。私の場合は最初にこんなものあったらいいなとか、こういう風にすれば新しいものができるんじゃないかっていう着想が出発点です。で、それが出来て動いているところをイメージするわけね。
例えばレトロの郵便ポストを作ろうと思ったとして、形だけまねるのは比較的簡単です。でも、それが他の人から見ても面白いものになるとか、RLでは出来ない動きや効果を見せてくれるというためには具体的なイメージが必要ですね。私の場合はどこかをクリックすると沢山の手紙のパーティクルが現れて青空に消えていくとか、ポストの下のフタを空けるとお札がどっさり出てくるとか。そんなことを考えます。
で、面白いのはここからです。イメージ通りのものを作るためにはオブジェクト、テクスチャー、スクリプトの面でいろんなハードルが待ち構えています。それはプロから見れば意味のないことであっても、私から見れば大きなチャレンジなんです。試行錯誤してそこをブレイクしていくところが面白いんですね。そしてそれを他の人も認めて、感動してくれれば喜びはさらに大きなものになります。
この二日ほどはお客さんのリクエストで「エアコンの室外機」に挑戦していて80%は出来ましたが、私としてはブレークスルーの連続でした。ただの四角い箱にエアコンの写真貼るだけだと馬鹿みたいです。だから自分でスペックを決めて無理やり挑戦する形に持っていったんです。詳しいお話はもう一つのブログを見てね。
http://sexybrondegirls20070910.slmame.com/
また、出来た作品を売るということは、客観的にどれ位の意味があったかを検証することにもなります。店頭やブログでどうやってプロモーションするのかを考えるのも楽しいです。
だからSLの面白さって色々あるけど、わたし的には今はRLと同じように、出来ないことにチャレンジしてそれを成功させること、昨日まではとても無理だったことが今日は平気でできてるようになることですね。
だから、みんなも人の作ったものに感心してるだけじゃなくて、自分でどんどん挑戦して欲しいです。「やれば出来る!」のがSLです。Your World,Your Imagination.なんです。
2008年03月19日
SLの予言(その14)
さて、最後の予言です。
「みんなが自分のMetaplaceを持つようになり、それに熱狂する。Raph Koster がバッチリのタイミングでバッチリの場所にぴったりのゲームを携えて現れるだろう。しかし、彼にとっても我々にとっても、それを金に換えるのは至難の業だ。考えていたよりも長い時間がかかるだろう。」
なんかノストラダムスの大予言みたいにわかりにくいですね。Raph Koster はGame Godと呼ばれるアメリカのゲーム・クリエーターです。Ultima OnlineのLead Designer であり、Star Wars Garaxies のCriateve Director です。Metaplaceとは彼が作ったゲーム製作者のためのテスト用仮想空間です。日本語でもどうやったら面白いゲームが作れるかという本を出していますね。Metaplaceが拡大していって、今の形のようなSLはなくなるという人もいます。
これでProkofy Neva の08年の予言はおしまいです。中には予言とは言えない様なもの、思い込みみたいなものもありましたが、シリコンバレーのクリエーター達の生態の一部を垣間見ることもできました。予言というものはもともと客観的な根拠は必要ありません。でも、いろんな人の意見や世の中の動きから想像を膨らませた結果ですから、何割かは実現するかもしれませんね。
タグ :予言
2008年03月18日
SLの予言(その13)
実は16番目の予言を抜かしていたのに気づきました。投稿したんだけど、勘違いで投稿時間が来るまでの間に削除してしまったんです。ちゃんと訳してたのに、またやり直しだわ。さて、Nevaの予言はこんなものでした。
「SLで企業が文芸や科学のスポンサーになってくれることは、コピーライトの剽窃に関して心配するストレスを取り除いてくれる。というのも結果として様々なイベントや経験というものが、オブジェクトやテクスチャーよりも重要になるからだ。」
Nevaの主張の前段と後段は論理的には繋がっていません。企業がスポンサーになることで、その活動に関するオブジェクトやテクスチャーを盗もうという試みは抑えられますね。個人からものを盗むのは反撃をこうむる恐れは低いけど、企業相手となると訴えられる可能性は高まります。そういう意味で企業にバックアップしてもらうと、クリエーターは安心だということは言えますね。
でも、イベントやその運営方法などを真似することを防ぐことは難しいでしょう。RLではビジネスモデルの登録やテクノロジーの特許化ということがなされていますが、これは行き過ぎると新しいクリエーションの芽を摘んでしまうこともあります。SLではそこまでいくことはないでしょう。世の中の発展の一部には「真似すること」が含まれていると思います。
タグ :予言
2008年03月17日
SLの予言(その12)
Prokofy Neva による08年SLの19番目の予言ですが、これは本当は14番目のものだったんだけど、訳しにくいので後回しにしてたんです。
「従来よりもさらにメインストリームのブログ領域が、それはArrington and Rileyみたいに技術の高さを鼻に掛けたり皮肉っぽいものでなく、仮想世界への関与を強めてくるだろう。とくに現実の世界での会合や販売活動に集約されたものになる。それはDaily Kosの集会の一部がヴァーチャルになっているというようなものではなく、もっと幅広いものだ。」
「ITオタクはインターネットを駆使して切り開いてきた自らの苦難の道について語るのが好きだ。でも彼等は“Web Blog”でもってWebpageを作るのに疲れてしまって、そのころやってた馬鹿ばかしいコーディングについて愚痴ってたりしたずっと後に、他の人々がGeoCity のWebpage に興奮して、それを素人の作り物で飾り立てるのに何時間も掛けて、相変わらずAOLを使ったまま今日まで来ているということを忘れている。」
ソフィーの解説:
Daily Kos: リベラルな政治思想に立脚する全米最大の政治ブログ。創始者のMarkos から名付けられました。アメリカ人は政治が大好きで、平日の平均アクセスは52万程度です。
私はIT技術については素人なので後段はほとんど意味が分かりません。分かる人なんかコメントしてください。
タグ :予言
2008年03月15日
SLの予言(その11)
Nevaの18番目の予言は次のようなものです。
「用心しよう!SLや他の仮想世界の住人が倫理を犯してしまう危険性が出て来ている。無報酬またはわずかな見返りで、作家協会のスト破りを持ちかけられることがあるんだ。内容についてはお粗末なものだが、そのコンテンツはTV番組そっくりの見かけで仮想世界によろめきながら入ってくる。あるいはCSI:NY(ニューヨーク科学捜査班というヒットした番組)のオマケ編というような恰好の場合もある。
CNNが無料のスポットニュースや特集ブログという形でこのやり方を主導している。映画との抱き合わせという手口にも気をつけなきゃいけない。そっちの方がTV番組との組み合わせよりも強力だからな。」
TVや映画の世界では作家や作品の権利が様々な契約や慣習で保護されていて勝手にどんどん放映することはできません。でも、仮想世界の中では規制が緩いので、掟て破りが横行しそうな雲行きで、それに私達が巻き込まれそうだと警鐘を鳴らしているんですね。
2008年03月14日
SLの予言(その10)
17番目のProkofy Nevaの予言はかなり難解です。
「お得意の世界のように見えるのに広告業界はSLで大失敗ばかりしている。『街を赤く染めよう』と言ってコカ・コーラがそこらじゅうにロゴや製品をおきまくるような、そんな古臭い手法をいまだにとっている。でももう彼等も自分たちの従来のコンテンツに頼るだけではいられないということを、苦しみを感じつつ認めなければいけないと分かっている。」
「つまり、自動車のポンティアックがSLでやっているような、お馴染みの巨乳のおねえさん(SLではさらにオッパイが大きくなって、まるで風船みたいになってしまっているが)みたいに、昔TVや雑誌でヒットしていまや遺伝子にまでなっている資産すら使えないと覚悟はしている。」
「しかしこれは新しい芸術の芽吹きといっていいだろう。なぜなら、先が見える会社は芸術家やその他のコンテント・クリエーター、アレンジャー、シナリヲ作家、あるいはニッチなブロガーまで動員して、最適の組み合わせを作り上げるからだ。そして彼等に仮想空間の中で土地や、イベント用のスペースやお小遣いを与えて養っておく。そうすると先の見えない連中まで右往左往してそれを真似しはじめるという寸法なんだ。」
RLの広告と同じものをSLで流しているどこかの国の企業や広告代理店には耳の痛い指摘ですね。RLの再現からSL発の創造へと向かう時期に来ているということなら、それは私達にも当てはまりますね。
予言という意味では「広告業界は従来のコンテンツに頼らない新しい試みを始めるだろう。」ということかしら?
タグ :広告
2008年03月13日
SLの予言(その9)

14番目の予言は、
「年齢認証システムの進展が一段と速度を速めるだろう。そういうのが嫌いなヨーロッパやカナダまでもが対象になる。ま、請求書が誤って送られてくるよりはましだ。で、これによってみんながSLから逃げたすという想像は当たらないだろう。」です。
「しかし、風俗にシフトした内容コッテリなコミュニティーが立ち上げられる模様だ。この新しい仮想世界は自ら『世界初の3‐Dソーシャルネットワーク』と呼んでいる。(なぜならSLは自身をこう呼ぶことはしなかったから)さて、その新手のSNSはより安全で、安定した、高品位のアダルトコンテンツを約束している。セックスだけじゃなくて、より社交的でユーザーがデザインするサービスさえ考えられている。」
「これには注目すべきだ。とういのはこの新参者はSLの『社会ネットワーク』のコアの部分に挑戦してきているからだ。しかし……そんなものができても、人々はそれをSLに仕事に出かけていく前の「寝室コミュニティー」として使うということになりそうだけど。
四六時中風俗産業に入り浸りになる人は多くないという予想ですね。確かに飽きますからね。
15番目の予言は
「仮想世界はちっとも使いやすくはならない。しかし若い世代はさらに短時間でそれをものにするだろう。」というものです。世の中の進歩ってそういうものなんでしょうね。
2008年03月12日
SLの予言(その8)
12番目の予言です。
「大企業はもうSLを使わない。」
「彼らはSLから離れつつある。特にIBMのような大企業は自前の仮想空間をつくって、そのなかで機密情報を取り扱う会議をするようになるだろう。しかしSLに進出する外国企業や中規模の企業、生まれたての企業、それから非営利団体や図書館は数を増やしまた成功するだろう。
こういう新規参入の一団は結構な勢力になるので、SLオタクがガタガタのユーザーインターフェースにしがみ付いてるのを引っぺがして、まともな仕事をあてがって、メインビューのバーにパケットロスや秒当たりフレーム数を表示するなんてナンセンスなことを止めさせるのには役立つだろう。」
13番目の予言は、
「SLに関連して殺人または自殺が起きるところまでいくだろう。どこの大都市でも統計的には結構起きてるんだから、SLがらみで起きたって不思議はない。」
ソフィーの解説:
Prokofy Nevaは殺人と自殺を13番目に持ってきたかったんだと分りましたね。
IBMが自前の仮想空間をつくりつつあるというのは記事になってました。
http://blogs.zdnet.com/BTL/?p=7382
NevaはリンデンラボのITエンジニア達を「子供」と称しています。合目的性よりも面白さを優先してつくってしまうからというニュアンスです。オタクとも呼んでいます。ただのユーザーはオタクではないという解釈ですね。そんなに簡単にオタクになってもらっては困る、オタクの道は険しいってこと。
2008年03月11日
SLの予言(その7)
10番目の予言は、どこが予言なのか分かりにくいおしゃべりみたいなものです。
「MitchWagner がバッチリ指摘してるが、SLの中での消費は減っているが、それはギャンブルが禁止になったせいだけではなくて、土地バブルがはじけてオークションでの土地の取引価格が下がってきたことに関係している。一方でリンデンラボは初期の開拓者層の所有する島々の管理費を月額$195に、クラス5の島の管理費を$295に、メインランドを$195というように08年の第1四半期は従来の水準を維持することを約束した。」
「これは土地の値段が上がっても少しだろうという予測につながる。最近の新人は年齢的には高くなっていて、とくに年末に掛けての休暇シーズンにはもっと土地を買うと予想され、それに伴って消費活動も活発化すると考えられる。リンデンラボが土地を過剰に供給するというのはありそうもない。なぜなら、企業にはそんなには売れないだろうから。」
うーん・・・・・・、支離滅裂とういか、ロジックないですね。Nevaは土地と経済の関係をどう考えているのでしょうか?前半では土地の実勢価格が下がったので消費水準が落ちていると言ってます。確かに自分の買った土地がどんどん値上がりすれば、所有者は気が大きくなってお金を使ってしまう、またもっと土地を買うという行動に繋がることは考えられますね。でも、SLの世界では土地は一方的にリンデンラボによって供給されているわけで、中国の株式市場みたいなものよ。
だから、土地の供給をしぼれば土地の価格は上がるし、SLで土地持っていてもビジネスの成功には繋げ難いと思う人が増えれば土地の値段は下がり、住人が増えれば結果的に土地の値段は上がります。色んな要素が絡み合っているので断片的なな憶測を連ねてみても正しい結論には到達できないでしょう。それぞれの要因を数字で抑えていないので、論理的な議論にはなりませんね。Nevaは言及してないけど、リンデンラボは一方では放棄された土地の持ち主から土地を買い戻すとういようなこともやってます。これもオークションの土地価格に影響を与える要因ですね。
さて、突っ込みばかり入れていてもしょうがないので、気を取り直して11番目の予言ですね。
「中国だ!・・・・・・でも、どこの中国のどの中国人なんだろ?」
「興味深い並列状態というべきか、それとも競合というべきか。リンデンラボお気に入りの、かのAnshe Chung スタジオ、レンタルやらイベントやら中国語で中国人にコンテンツを提供するというお話。一方で、HiPhiHiっていう中国の新しい仮想世界があって、中国政府がバックアップしてるとか。」
「これはちょっと微妙な問題だが、良く見てるとこの二つの違いは明確に分かるはずだ。政府がウォッチしてスポンサーなっている世界、そこでは同意を表明しないものは排除されてしまう。それに比べて不同意にこそ成功のヒントがあると注目している民間企業との対比だ。ある中国人が片方の世界を去ることを余儀なくされても、もう一つの世界に行くことができるというのは、RLでもよくあることだったよな。」
ソフィーの解説:
HiPhiHiは中国が去年の6月ころにスウェーデンの会社から導入した3DSNS、リンデンラボも応札していたんだけど選ばれなかったわ。でも使った人の感想では何でもマネするお国柄の割には、これは全くマネにもなっていない低レベルのものだったとか。ネットの中でまで管理されたい人は是非移住することをお勧めします。
タグ :リンデンラボ