2009年09月02日
反省しなさい

Hypergrid BusinessにDennis Shiao記者が「仮想世界のイベント完了報告」と題した記事を載せています。Debriefという言葉を使っていますが、これは特殊なミッションを帯びた者がその首尾を帰還後報告するっていう感じです。ちょっと大仰な言い回し。SLの中でも数多くのイベントが日常的に挙行されていますから、それを主催したり運営したりする人には参考になるかも。
第二次大戦前後にアメリカの哲学者でGeorge Santayanaという人がいたそうですが、その言葉として、「過去を覚えていない者は、その過去を繰り返すように運命付けられている。」というのがあります。これは仮想世界の様々なイベントにも当て嵌まることで、過去といってもかなり最近のことですが、それすら覚えていないという人が多いが、イベントをやったら、それからちゃんと教訓を学んで次のものがもっとよくなるようにしなさいとDennisは言いたいのですね。
「仮想世界のイベントはマラソンのフィニィッシュラインを通りすぎるのに似ている。一生懸命働き、訓練も一杯やって、今や休息とリラックスの時が訪れている。しかし、往々にして我々のチームは、今終わったばかりのイベントを振り返る時間もあまりないままに次のプロジェクトに向けて進んでいかなければならないことになっている。イベント・ショーの主催者として、あなた自身が反省会を開いて、レースを振り返りながら半マイルほどクールダウンのための駆け足をするのだ。」
で、何を考えるのかというと、
(1) ゴールが達成されたかどうか
感覚的なものだけでなくて、ちゃんと数字で掴みなさいということですね。例えば来場者の人数とか、イベントにともなう商品の売上とか、参加者の満足度とか、そういうものを予め決めておいて、その計測方法も定めておく、数値目標も決めておいて、それがどれくらい達成されたかで判断するということです。
(2) 何がうまく行ったのか
成功したとして、それがうまく行った要素がある筈ですね。音楽イベントなら音楽そのものが好評だったとか、事前の告知を今まで以上に広範囲にして、その中に効果的なチャネルが見つかったとか、リハーサルをちゃんとやってスタッフの動きに齟齬がなかったとか、スクリプトで動かないものがないようにしていたとかですね。
(3) 何がうまく行かなかったのか
これが最も大切で、次のプロジェクトに取り組む際には必ず克服しなければならない点ですね。パフォーマンスは高いけどルーズな出演者が多くて時間通りにログインしてこなかったとか。運営方針でスタッフが割れてしまったとか、Grieferの排除係を決めて置かなかったとかです。一般的によくある阻害要因としては、
① リードタイム(この場合準備期間)が短すぎた
② スタッフ間のコミュニケーションが錯綜していた
③ 様々な人的エラー
④ 目的と出し物の不一致
⑤ 技術的問題を未解決のままにした
等だそうです。
まあご尤もなんですが、これって別にSLに限らずRLでも同じことがいえるでしょうね。SL独自のポイントなんていうのをもっと掘り下げて欲しかったです。SLとRLの大きな違いはやはり参加者の人数がSLでは今のところどうがんばっても300人くらいで、これは4つのSimの境界に会場を持ってきてなんとか達成できますね。
人数がこの程度なのでイベントそのものでお金を稼ぐというのは無理があります。そうすると出演者もスタッフもボランティアですから、命令一下一糸乱れずというわけにはいかないでしょう。スタッフの動機付けもお金の要素が欠けると長続きしないのではと思います。世の中お金の遣り取りがあれば、嫌な人とでもおつきあいするのが普通ですね。SLはそれがないところが、ある意味純粋だけど、結合力が弱いことは否めないでしょう。
逆にRLでは明確なアウトプットを求められるので、チケット売り切らないといけないし、会場もばっちり押さえないといけないし、スポンサーも大所を確保しないといけないし、警察に届出しないといけないし、メディアへの露出が勝負だったりします。うんと大変そうですね。タダはタダなりに、有料は有料なりに悩みは尽きないというわけでした。