2009年03月10日
企業のSL利用
私たちはSLのRLへの関連づけの必要性について日頃から抽象的に語っていますが、2月24日のMetaverse JournalにはSNSのRLでの具体的な使用についての記事が載ってました。
Enterprise 2.0 Executive Forum2009という会議のなかで、David Backleyという人がオーストラリアのWestpac銀行がSLを使って遠隔地にいる新入社員の初期の研修を行ったことを報告しています。
この試験的な試みについて彼は「上手くいったし、いい考えだと思う。」と評価しましたが、このプロジェクトがスポンサーの降板、モメンタムを維持していくのに必要な鍵となる人物の不在によって継続されないことも明かしました。(スポンサーが降板したというのは、多分SLを稼動させることの出来る高仕様PCの提供をメーカーや卸業が打ち切ったということでしょう。ここが一番コストが大きいですからね。)
彼が学んだのは、今回の試みはコンセプト的にはちょっと早すぎて、実施やメンテナンスのコストがもっと下がってこないと、全体としての費用削減の効果を論じることは難しいだろうということです。
Westpacには何千人もの従業員がいることを考えると、コスト削減策としての仮想ミーティングの評価はかなり下向きのものといえます。Westpacがプラットフォームに選んだのはSLでした。代替的なプラットフォームの成長や運用コストの削減も期待できますが、依然として道はまだ遠いといったところです。
以上とは別にBackleyはWestpac銀行のネットバンキングサービスについて興味深い統計を披露してくれました。現在Westpacのオンラインバンキングサービスには常時6,000人がアクセスしていて、1日あたり70万セッション(アクセス単位)以上の活動があります。そしてこれはWestpacの支店やコールセンターで行われている取引の数を上回っています。10年前にこのサービスを始めたときは、全オーストラリアで2,3千人くらいがこのサービスを利用するくらいだと思われていました。
このことは仮想世界のビジネスでの利用についても援用できるのではないでしょうか?現在のところそれはニッチな動きでしかありませんが、インターネットバンキングのようにやがては企業を驚かせるような大きなうねりを大衆が起こすかもしれないのです。
もう一つの類似性はプラットフォームです。オリジナルのネットバンキングのオプションというのはStandaloneなサービスの要素が強いものでしたが、いまではウェブベースのものに進化しています。これは採用数の爆発的増加に応じて変化したものです。明確な教訓のように思えますね。