2008年11月28日
フリーに思う

最近気になっているのに、自分として考えが纏まっていないことについてお話してみます。ご迷惑かもしれないけれど。
それはフリーアイテムの問題です。昔からFreebieは新人向けのものとして、比較的少ないプリムでクオリティもそう高くないものがバルクで配布されていました。私もお世話になった一人です。慣れてくるに従い、それでは満足できなくなって、有料のアイテムを買って、そのためになんかSL内で仕事してお金稼がないと、と思うわけです。だからSLへの導入の補助として非常にいい役割を果たしてきたと思うんです。
ところが最近はクリエーターのスキルも上がってきて、十分に売り物として通用する、あるいは相当な高級品をフリーで配っているところが増えました。実際のL$が出て行くわけではないのでキャンプなんかよりいいという考えでしょう。自分の作品を広く知ってもらうという意味もありますね。特に衣料関係が多いような気がします。
個々のクリエーターと消費者(もらう側)の関係としては別に何の問題もないのですが、世の中にフリーアイテムが増えてきた結果、現在では別にお金を使わなくても生活していける状況になっているわけです。そうしてモノ作っているクリエーターとしては自分の製作物で生計を立てていくというのが相対的に難しくなってきているのではないかと思うのです。
SLというのはRLの擬似的な社会を形成しているわけですが、何でもフリーで手に入るようになると、市場原理が働らかなくなる恐れがあります。市場原理というのは需要と供給の関係、いいものはみんなに評価され値段が高くなるし、そうでないものは安いということですね。
ところが例えばここにRLのアパレル製作のプロがいたとして、その人がSLでどんどん作品を無料で配ったとします。RLのプロなんだから普通の人は適いません。高級品が無料でどんどん出回ってしまうと、他のクリエーターもフリーを増やさないといけなくなるし、ヨチヨチ歩きレベルのクリエーターは、ビジネスそのものを諦めて、趣味として自分で楽しむ方向に転換してしまうでしょう。
もちろんこれはRLでも起こっていることだし、それによってクリエーター同士が互いに切磋琢磨して、よりクオリティーの高い商品が登場するということも期待できます。だから別に構わないという立場もおかしくはありません。また、オーダーメイド市場というものも新たに登場してくるのかもしれません。
市場原理には資源の配分を適正化するという働きがあります。その結果需要の多いものには多くの資源(人、モノ、お金、時間、技術など)が投入され、よりよいものが生み出されます。しかし、何でもタダになってしまうとモノの価値が分からなくなり、資源が浪費されてしまいます。RLから見ればSLは資源といっても時間と電気代くらいのものですが。タダですから吟味せずに、取り敢えずもらって来てInventoryに入れてしまいます。みんなの持ち物の中にはきっとそんなものが一杯ありますね。
RLではいくら無料で配布するといっても、資材やエネルギー、流通のコストは掛かります。使われたあとはリサイクルや廃棄といった問題も出てきます。でもSLは一度作ってしまえばコピーは本当に無料なので、RLのような自律的な制約が掛かることは少ないでしょう。
さて、だからどうだということですが、個々の人の行動は止めることはできないし、フリーアイテムが蔓延すること自体が悪いことかどうかも分かりません。私は一応SLの中のクリエーターの端くれですから、その立場からは頑張って作ったものはそれなりの評価を受けたいし、それによってSLの経済社会の末端の流れにボートを浮かべておきたいと思っています。それには値段をつけて市場に出して見ず知らずの人に評価してもらう、ダメならさらに工夫して頑張る、お金を出した使用者からのフィードバックをもらうということが一番だと考えています。
フリーマーケットに出した複数のフリーアイテムは昔よく売れたものも、全く売れなかったものも同じように出て行きます。たくさん出て行くものがあるとすればそれはパッケージの巧拙なのかもしれません。問題があっても誰もクレームをよこしたりはしないでしょう。その多くは仕舞い込まれて、そのうちRezもされずに捨てられるものもあるでしょう。だからなんだ?ということですが、クリエーターとしてはそこはかとなく遣る瀬ないものがありますね。そんなこというとすぐプロとは言えないという人がいますが、記念品は別にしてプロは自分の作品をタダで配ることはないでしょう。